７／２３-D2

シナリオ　７月２３日（月曜日）・その２

　退行

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寮長「あ、お帰りなさい先生」

真緒「ただいま」

寮長「岸岡さん、お帰りなさい」

芽衣子「………」

寮長「………」

真緒「寮長、夕食前にでも皆に話すよ」

寮長「え、はい」

芽衣子「………」

岸岡抜きでみんなに説明したいと思っていたが、
もう仕方がない。

寮長「それではみなさん集まりましたね」

寮長「今日は私の番ですけど、先生と交代しましたので」

真緒「ああ、それじゃ寮長の代わりに」

莉緒「今日は真緒くんなの？」

せえら「センコー、そろそろ話してほしいですわよ」

奏「うん」

和「心配してるんだぜ」

真緒「ああ、今日はその事を話そうと思ってね」

莉緒「岸岡芽衣子のこと？」

真緒「ああ」

せえら「どうしたんですの岸岡は？」

芽衣子「………」

真緒「ああ、退行現象を起こしてる」

莉緒「なにそれ？」

せえら「寺井、赤ちゃん返りの事ですわ」

奏「どうしてそんなになったの？」

和「ああ、それが知りたいぜ」

真緒「それが、原因はハッキリとは分からないみたいなんだ。
色々とあるみたいでさ……」

奏「ええ、不治の病なの？」

和「なんだと……」

真緒「違う違う、時間が経てば治るって言ってたよ」

奏「そなんだ」

和「ふむ」

真緒「ああそうだ、オルトロスを見かけた人はいないか？」

莉緒「見てないわ」

せえら「同じくですわ」

北上と阿部高、寮長も見てないと答えた。
寮近辺にはいなさそうだな……

真緒「そうか、実は昨日からオルトロスがいなくなったんだ。
そのショックも原因の一つだと思う」

奏「すぐ帰ってくるよメーコ！」

和「だな！　そんな岸岡さんはらしくないぜ！」

芽衣子「………」

真緒「だから、見かけたら教えてくれ」

せえら「ええ、それはお安い御用ですけど、
岸岡がやたらとセンコーにくっついてるのはなぜなんですの？」

莉緒「そうよ、離れなさいよ！」

芽衣子「………」

真緒「おい莉緒、あんまりきつく言うな」

莉緒「なによ？　なんで岸岡芽衣子ばっかりひいきしてるのよ！」

せえら「ですわね、いくらなんでも酷すぎますわよ」

真緒「それは分かってるけど、仕方ないだろ？
こんな状態の岸岡はほっとけないよ」

莉緒「ふん、大事な部下ですもんね！」

せえら「センコーはワタクシの舎弟ですわよ？　お忘れ？」

真緒「そ、そう怒るなって」

和「ふ、怒ってるわけじゃないさ。羨ましくてあたってるだけだろ」

奏「ひひ」

莉緒「な！？　なに馬鹿なこと言ってるのよ！！」

せえら「そんなことあるわけにゃーですわ！！」

寮長「先生」

真緒「ん？」

寮長「その、私たちに出来る事はないんですか？」

真緒「そう、だな……何か出来る事」

寮長「………」

真緒「岸岡、みんなにして欲しい事はあるか？」

芽衣子「………」

真緒「……特にないみたいだ」

寮長「……岸岡さん」

莉緒「まったく……どうせすぐに元に戻るわよ！」

せえら「ええ、ですわね」

奏「そだね」

和
「まぁ、風邪みたいなもんだろ」
莉緒「そんなことより食べるわよ！」

真緒「そう……だな。食べようか」

せえら「さっさと言えですわ」

真緒「それじゃ、いただきます」

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