7/22-6c

シナリオ 7月22日(日曜日)・その6c

 破廉恥天国




真緒「おお、凄いな」[pcm]

ひときわ大きな応援。[lr]
八十記とそのメイドさん達だ。[pcm]

八十記は団旗を持ち、メイドさんは太鼓やラッパやタンバリンを手にしている。[pcm]

見るからにうるさそうなグループ。[lr]
いや、実際うるさい集団だな。[pcm]

しかし八十記のやつ……[lr]
あんな重そうな団旗を一人で持って大丈夫なんだろうか。[pcm]

メイド長の助けもあって、何とか支えて動かしてはいるが……[pcm]
団旗を振り回しているというより、振り回されてる。[pcm]

フラフラしてて、とても見てられない。[lr]
あんな調子じゃ転ぶのも時間の問題だ。[pcm]



そう思った時だった──[pcm]
団旗の重さに耐え切れなくなった八十記が今、まさに──[pcm]

真緒「やそきぃいいい!」[pcm]



八十記を救うべくぼくは飛び出した。[pcm]






そして──激しい衝撃音、闇に包まれる視界。[pcm]

真緒(う……)[pcm]

真緒(ど、どうなったんだ?)[pcm]

辺りを見回そうにも、以前として視界は暗闇だった。[pcm]

目は明いている。[lr]
なのに、どうしてだ?[pcm]

八十記は無事なのか?[lr]
ぼくはどうなったんだ?[pcm]

ま、まさか死んでしまった?[lr]
この恐ろしい程の静寂はそういう事なのか?[lr]
じゃあ、ここは天国か?[pcm]



いや、ここは──[pcm]
ぼくの顔にやわらかで温かなものが広がって行くここは──[pcm]
間違いなく天国だ。[pcm]

これが天国ってやつか。[lr]
思ったより悪くない。[lr]
むしろ、幸せだ……[pcm]


せえら「きゃあああああああああ」[pcm]


八十記!?[pcm]


……そうか、ぼくが死んで、それで叫んでいるんだな?[pcm]

すまない。[lr]
できるなら、立ち上がってぼくは大丈夫だと言ってあげたい。[pcm]

でもここは天国なんだ。[lr]
すまない八十記……[pcm]

このやわらかな何かがぼくを迎えに来たんだ……[pcm]

……しかし、ほんとやわらかいな。[lr]
いったいなんだろう? マシュマロ?[pcm]

……あれ? なにこれ?[pcm]





せえら「な、な、なななな! メイドちょー!」[pcm]

真緒「え?」[pcm]

せえら「こ、この馬鹿センコー!!」[pcm]

真緒「あ、れ? 生きてる?」[pcm]

せえら「あ、ああ、当たり前ですわ! は、早くどきやがれですわ!」[pcm]

真緒「え? じゃ、この顔の柔らかいものは……」[pcm]

せえら「な、な……」[pcm]

真緒「まさか……」[pcm]

せえら「ば、馬鹿センコぅ……」[pcm]

真緒「お、おっ」[pcm]

せえら「そ、それ以上口を開くと許さにゃーですわよ!!」[pcm]

真緒「わ、分かった! どくから! どいてくれ!」[pcm]

せえら「ま、待ちやがれですわ! く、体勢が……」[pcm]

真緒「そ、そんな……せ、せめてこの顔の上のを……うあっ」[pcm]

せえら「せ、センコー、怪我をしてるんじゃにゃーですか!?」[pcm]

真緒「ち、ちが……やばい、あんまり動くな八十記」[pcm]

せえら「な、なぜですの??」[pcm]

真緒「ば、馬鹿! 言えるか!」[pcm]

クソッ![pcm]

立ち上がりたいのに、別の所が立ち上がりそうで立ち上がれない![pcm]

まずいぞ、これはまずい![pcm]

メイド長「お、お嬢様!!」[pcm]



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最終更新:2010年07月19日 08:53
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