シナリオ 8月4日(土曜日)・その1
反省会
※真緒部屋
真緒「はぁ……」
日付の変わった時計を見てため息を漏らす。
仕事をしようと思っていたが、手につかない。
八十記の事をどうしても考えてしまう。
あの後、結局
メイド長が元に戻して八十記は落ち着いた。
ぼくに対して怒る事はなかったが、変わりに無視される始末。
話しかけようと側に行った途端逃げてしまう。
怒って無視という感じではなさそうなんだけど……
メイド長が言うには、泣いてる姿を見られて恥ずかしくなってるらしい。
一晩立てば普通に戻るだろう、と。
※コンコン
真緒「はい」
メイド長「夜分に失礼します」
真緒「メイド長?」
メイド長「お仕事中でしたか。大変申し訳ありません」
真緒「いえ、それは全然」
メイド長「今日、いえ、昨日は申し訳ありません」
真緒「そんな謝らなくても。それにもう、過ぎた事ですし」
メイド長「私のせいで失敗に……」
真緒「それより、八十記はどんな感じですか?」
メイド長「お嬢様なら、すっかり元気になられました」
真緒「そうですか」
メイド長「要先生、昨日は失敗に終わりましたが、次は必ず成功させます」
真緒「はぁ、次って?」
メイド長「次の作戦です」
真緒「……またやるのは良いんですけど、少し時間を置いた方が良くないですか?」
メイド長「いえ、一刻の猶予もありません」
真緒「そんなに急がなくても」
メイド長「いいえ、善は急げです。決行日は今日」
真緒「今日って、まさか今から?」
メイド長「ご冗談を。お嬢様はお休みになっておられますのに」
真緒「ですよね、起きてからって事ですよね」
メイド長「はい、それで作戦なのですが──」
真緒「ええ、今度はどんな?」
メイド長「………」
真緒「メイド長?」
メイド長「ここで話すのはまずいですね」
真緒「え? どうして?」
メイド長「深夜の部屋に二人きり」
真緒「えっ」
メイド長「お嬢様に怒られますので部屋を出ましょう」
真緒「怒られる?」
メイド長「いいから早く出てください」
真緒「は、はい」
最終更新:2010年08月13日 18:42