シナリオ 8月3日(金曜日)・その5
我慢できない!
※どう場所
メイド長「お嬢様?」
真緒「八十記?」
突然戻ってきた八十記。
今度は慌てているばかりか、涙声だった。
せえら「メイド長……私の、私のが……」
メイド長「お、お嬢様! お、落ち着いて下さい!」
真緒(………)
せえら「……わ、ワタクシの集めていた物がないんですの」
せえら「……ふぇ、ふぇえええん」
……な、泣き出した。
おそらく部屋に戻ったんだろう。
そして、ヤンキーグッズがない事にショックを受けて──
メイド長「お、お嬢様……な、泣かないで下さい」
せえら「どこぉ……どこにあるのぉ……メイドちょぉ」
メイド長「そ、それは」
どうすればいいのかと、ぼくを見てくメイド長。
狼狽した八十記を見て、メイド長もまた泣きそうになってる。
しかし、八十記の事を思えばこそここは心を鬼にするべきだ。
真緒「メイド長、我慢して下さい。ここは知らないと言いましょう」
メイド長「そ、そんな……こんなにお嬢様が泣いているのに??」
真緒「し、しかし、今ここで耐えないと、いつまで経っても」
せえら「……どうして……酷い事ばっかり……ぐす」
メイド長「お、お嬢様、大丈夫です! 大丈夫なんです!」
せえら「だ……大丈夫なのぉ?」
駄目だ、メイド長が今にも話しそうだ。
真緒「め、メイド長! 耐えて下さい!」
メイド長「無理です! 耐えられません!」
せえら「めいどちょぉ……」
メイド長「お嬢様! 申し訳ありません!
私が、私が隠したんです!」
真緒(……あぁ、言っちゃった)
せえら「ぇえ……?」
メイド長「すぐに、すぐに元の場所へ戻しますから!
どうかもう、泣かないで下さい!」
せえら「……ほんとぉ?」
メイド長「ええ! すぐに参りましょうお嬢様!」
せえら「……うん」
そして二人は消えて行った。
改めて、メイド長の過保護ぶりを見てしまった。
作戦失敗だ……
最終更新:2010年08月13日 18:39