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シナリオ 8月7日(火曜日)・その2

 破れた写真


※夕食


そして夕食前。
今食堂にいるのは、今日の当番の阿部高と手伝いのぼく。
そして寮長の三人だ。

和「キミぃ、早く皿を運んでくれたまえよ」

真緒「ああ」

和「なに、料理の方は俺にまかせておいてくれ」

真緒「ああ、頼むよ。ぼくは運んでくる」



寮長「あ、先生」

真緒「ご苦労様」

寮長「先生こそ」

真緒「いや、毎日手伝ってる寮長に比べたらね」

寮長「ふふ、私は寮長ですからね」

真緒「まぁそうだけど、さぼりたい時はさぼっていいと思うよ」

寮長「そんな」

真緒「その時は言ってくれればぼくが代わりにやるからさ」

寮長「ありがとうございます、お気持ちだけ貰っておきますね」

真緒「うんまぁ、本当に言ってくれていいからね」

寮長「はい」



莉緒「………」

芽衣子「………」

真緒「お、いつのまに」

寮長「あ、寺井さん岸岡さん」

莉緒「まったく、寮長にだけはほんっと甘いんだから!」

芽衣子「………」

寮長「………」

真緒「だ、だからそうじゃないって」

和「おおーい、出来たぜ!」

和「お、ちょうど良い。
後は盛り付けだけだから手伝ってくれ」

寮長「ええ、もちろん」

莉緒「しょうがないわね」

芽衣子「うむ」

真緒「よし、やろう」



※一呼吸


真緒「よし、後は食べるだけだな」

和「ああ、しかし」

芽衣子「まだ北上さんと八十記さんが来られてないようです」

真緒「………」

まさか、夕食も部屋で食べる気なんだろうか。

……ありうる。

真緒「ちょっと二人を呼んでくるよ」

和「お、ああ」

芽衣子「真緒様、北上さんが」

奏「………」

真緒「ああ来たか、今呼びに行こうとしてたんだ」

奏「………」

真緒「そうだ、八十記は部屋にいるのか?」

奏「………」

真緒「おい、どうした北上?」

奏「センセ、これ……」


※なぜか莉緒ルートに複線というかそんなのを入れてます↓

そう言って、一枚のスナップ写真をぼくに手渡す北上。
ひどくグチャグチャになったその写真を広げ、中を見る。
その写真に映っていたのはぼくだった。

真緒「……ぼくだよな」

奏「それ、せえらちゃんの部屋に落ちてた」

真緒「え」

奏「今朝部屋に行った時に見つけたんだ」

真緒「八十記の部屋で?」

奏「せえらちゃんね、財布にその写真入れてたんだよ」

真緒「八十記が」

奏「すごく大切にしてた写真なのに、そんなクチャクチャになって部屋の隅に落ちてた」

真緒「………」

奏「たぶん……壁に投げたんじゃないかなって」

真緒「そうか……」

八十記がぼくの写真を財布に入れていた。
すぐに想像できないが、北上の真剣な様子からして嘘ではなさそうだ。

にしても、どうしてこんなに握りつぶしたんだろう。

真緒「どうして、どうしてこんなに?」

奏「分かんない」

奏「でも……」

真緒「………」

奏「それとね、せえらちゃん部屋にいなかったよ」

真緒「いない?」

奏「うん」

真緒「あ、あいつ、また」

奏「センセ、せえらちゃんを見つけてあげて。
きっと苦しんでると思うんだ」

真緒「ああ、すぐに見つけてくるさ」

八十記の居場所──
すぐに浮かんだ場所がある。

おそらくあそこに違いない。
あの夜と同じように、きっと。

寮長「先生……」

真緒「寮長、ちょっと探してくるよ。
先に食べてて」

寮長「ですけど、私たちも一緒に……」

真緒「いや、場所は分かってるから連れ戻すだけだしね」

真緒「とにかく、行ってくるよ」


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最終更新:2010年08月13日 20:58
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