シナリオ 8月6日(日曜日)・その6
言葉だけじゃ届かない!
;真緒が突っ込む理由が弱いので、再考
;芽衣子
シナリオは大幅に変えたいのでその他も再考
莉緒が去った後も、ぼくと岸岡はジッと立ち尽くしたままだった。
何か言わなくちゃと思えば思う程、言葉が出ない。
芽衣子「………」
真緒「………」
芽衣子「………」
真緒「岸岡、その」
芽衣子「私たちも帰りましょう」
真緒「え?」
芽衣子「ですから、帰りましょう」
真緒「このまま帰るのか?」
芽衣子「………」
うなずく岸岡にぼくはどうするべきだ。
莉緒がここまで協力してくれたのに、ノコノコと帰るのか?
答えはノーだ。
なんのために今日一日過ごして来たんだ。
真緒「岸岡、話をしよう」
芽衣子「………」
真緒「まだ怒ってるのか?」
芽衣子「………」
真緒「ずっと無視してるのは、あの時来なくていいって言ったからなんだよな?」
芽衣子「………」
真緒「その事は本当に悪いと思ってる。
でも前にも言ったけど、それはお互いのためを思って」
芽衣子「………」
真緒「それとこれも前に言ったけど」
真緒「ぼくは岸岡が好きだ」
芽衣子「………」
何の反応もない、な。
怒ってるわけではなさそうだけど、
喜んでる風にも見えない。
真緒「嘘じゃないぞ」
芽衣子「……信じられません」
真緒「信じられないって、どうして?」
芽衣子「……今日一日、寺井莉緒ばかり」
真緒「だ、だってそれはさ」
芽衣子「私が黙っていたからだと?」
真緒「………」
何も言えないのは、実際そう思っていたからだ。
でもそれは、岸岡が黙ってるからそうなっただけで、
決して莉緒の方が良いとかじゃない。
芽衣子「そうですよね。こんな私といても楽しくないですよね。
寺井莉緒……いえ、莉緒と遊ぶ方があなたは良いですよね?」
真緒「何言ってるんだよ、そんな事思ってもないって」
芽衣子「嘘です」
真緒「嘘じゃない!」
芽衣子「なら、どうして寺井莉緒にデレデレしていたのです。
そればかりか、相変らず名前を……」
芽衣子「そんなあなたをどう信じろって言うんですか」
真緒「デレデレしてたつもりはないけど、そう見えたなら謝るよ。
でもぼくを信じてくれ、ぼくは岸岡が好きなんだ」
芽衣子「……嘘です」
真緒「嘘じゃない」
芽衣子「最後も私が止めなかったら……」
真緒「それは……」
芽衣子「私を好きだと言ってくれても、どうせすぐに冷めるんです。
そして私を捨てて寺井莉緒や他の者に気持ちが移るんです」
真緒「そんなことないって!」
芽衣子「現に今日はそうだったじゃないですか。
私はずっと見てました」
真緒「……どう言っても信じてくれないのか?」
芽衣子「どう信じろって言うんですか」
真緒「………」
心を閉ざした岸岡。
どうすればそれをこじ開けられる?
……分からない。
真緒「どうすればいい? どうすれば信じてくれる?」
芽衣子「………」
真緒「莉緒や他の子と話さないで欲しいならそうするぞ?」
芽衣子「無理です。あなたには出来ません」
真緒「そんな事ない、やってみなくちゃ分からないじゃないか」
芽衣子「仮に出来たとしても、私は嫌です」
真緒「じゃあ、じゃあどうしたら良いんだよ」
芽衣子「……私にも分かりません」
真緒「………」
ぼくがもう何を言っても岸岡には届かないんだろうか。
言葉ではもう……
出来るなら岸岡を抱きしめて好きだと叫んで証明してやりたい。
でも今の岸岡じゃ、逆効果か。
なら、ぼくに出来る事は──
芽衣子「……もう帰りましょう。暗くなってきますし」
真緒「岸岡、一つだけ聞かせてくれ」
芽衣子「………」
真緒「親に捨てられたってのは本当なのか?」
芽衣子「………」
小さくうなずく岸岡。
真緒「だからぼくにあんな言葉を言ってたんだな」
芽衣子「………」
真緒「そして、あの時ぼくが捨てると思った。違うか?」
芽衣子「………」
真緒「………」
長い沈黙。
ぼくは真っ直ぐに岸岡を見て、言葉を待っていた。
芽衣子「……また、見捨てられるのが怖いのです……怖いのです」
真緒「………」
芽衣子「怖いのです!!」
真緒
(岸岡……)
真緒「岸岡、ぼくは絶対に見捨てたり死んだりしない!」
芽衣子「そんなこと言っても! 信じられません!」
真緒「証明してやる!! そこで見ててくれ!!」
芽衣子「え……」
※夕暮れ空
※真緒錯乱w
ぼくは道路に飛び出した。
いつか阿部高が言っていた事が頭をよぎったからだ。
岸岡にぼくの気持ちを分かってもらうには言葉だけじゃ駄目だ!
この気持ちを行動で! 男らしく伝えるんだ!
真緒「岸岡ぁああああ、好きだぁああああああ」
※ぶつかる音(バイク)
※夕暮れ空→赤演出
芽衣子「え……ま、真緒様?」
芽衣子「いや……」
芽衣子「いやぁああああああああ」
最終更新:2011年05月22日 18:02