シナリオ 8月8日(火曜日)・その2
素直な気持ち
★※芽衣子スチル
※もうちょい書き足すとオモ(タグ入れ時)
※芽衣子の背景(かこ
★8/8---スチル4
- 日中、病室、真緒の寝てるベッドの脇に座る芽衣子
- 真緒を避けていた事、その時の気持ちを素直に話す
- 構図~はどんなのがいいだろう、なんかあるかな
- 表情(哀、泣、照れ)が出来れば
○狙い・・素直になっためーこちゃん!
○時間・・日中
○場所・・病室
○人物・・芽衣子(真緒?)
○服装・・私服
○表情・・上記
○構図・・上記に
○
シナリオ実例・・以下
芽衣子「真緒様……ごめんなさい」
真緒「え」
芽衣子「こんなになるまで真緒様を傷つけて……」
真緒「これはほら、ぼくが勝手に飛び出したんだしさ」
芽衣子「私は、私は……」
真緒「気にする事なんて何もないって」
芽衣子「よくありません。真緒様が怪我をしたのは私の責任です。
もっと私が真緒様を信じていれば、こんなことには」
怪我はしたけれど、そのおかげでちゃんと話す事が出来そうだ。
馬鹿な行為も無駄じゃなかった。
真緒「違うよ。ぼくのせいだよ」
芽衣子「そんなこと」
真緒「ねぇ岸岡、ずっと怒ってたのはさ、来なくて言いなんて言ったからだよな」
芽衣子「………」
真緒「ぼくが冷たい事言ったからだって、分かってるから。
ぼくが、いきなりすぎたんだよな」
芽衣子「………」
真緒「あれ? 違う?」
芽衣子「……はい。それと、寺井莉緒の名前も」
真緒「そうか、名前もか」
芽衣子「………」
真緒「でも岸岡、あの時来なくて良いって言ったのはさ」
芽衣子「分かっています。芽衣子とばかりだとだめだってことですよね」
真緒「ああ」
芽衣子「頭でそう分かっていてもだめだったのです。
本当は違うんじゃないかって、真緒様の本心は違うんじゃないかって」
真緒「そんな風に思ってたの?」
芽衣子「はい、そう思うと怖くて怖くて……」
真緒「………」
芽衣子「真緒様も……私から離れていくって」
真緒「そんなこと」
芽衣子「あるんです。私が本当に好きになった人はみんな私を置いてどこかへ行くんです」
真緒「……両親?」
芽衣子「はい……それに」
真緒「オルトロス、か」
芽衣子「………」
真緒「ぼくもそうするって思われたのかな」
芽衣子「……信じようとしました。でも真緒様のお気持ちが分からなくて」
真緒「………」
芽衣子「このまま好きでいたら、きっと真緒様は芽衣子の元から離れていくって。
それは絶対に嫌だから、だから」
真緒「だから、ぼくを無視したわけか」
芽衣子「……真緒様を嫌いになれば、私が嫌われればそれだけは避けられる気がして……」
真緒「……それじゃ、本当に嫌われたんじゃなかったんだな」
芽衣子「当たり前です……どうして芽衣子が真緒様を」
真緒「そっか……でも、辛かったよ」
芽衣子「……芽衣子もです。でも、真緒様に捨てられるよりはずっとマシだって言い聞かせて……」
真緒「岸岡、ぼくはそんな事しないよ」
芽衣子「………」
真緒「まだ信じられない?」
芽衣子「……信じています。でも、証が欲しいのです」
真緒「証?」
芽衣子「は、はい。それがあればもう芽衣子は決して真緒様を疑うなどありえません」
真緒「……証ね」
はて、証ってなんだろう。
お互いの気持ちを証明するもの、だよな?
芽衣子「証といいますか、約束といいますか……」
真緒「まさか」
芽衣子「二人の、未来……」
真緒(け、結婚の事か……?)
真緒(そりゃ好きだけどまだそこまで考えた事ないわけで)
真緒(でもそれぐらいの気持ちはあるし、ぼく見てなきゃいけないし)
芽衣子「真緒、様? やはり……」
真緒「あ、違うんだ」
真緒(ええい、男らしくないぞ真緒)
芽衣子「違う?」
真緒「うん、約束する」
芽衣子「本当ですか?」
真緒「今すぐは無理だけど、卒業したら出来るしな」
芽衣子「約束してくれますか?」
真緒「うん、ぼくの方からお願いするよ」
芽衣子「嬉しい……」
真緒「はは、昨日まで喧嘩してたのにな」
芽衣子「え? 昨日?」
真緒「え? うん」
芽衣子「真緒様がひかれたのは一昨日のことです」
真緒「な、なんだと」
芽衣子「真緒様は昨日一日眠りに……」
真緒「そうだったのか、そりゃ心配もするよな」
芽衣子「はい……もしもの時は芽衣子も後を追う覚悟でした」
真緒「縁起でもない事言わないの、そんな簡単には死なないよ」
芽衣子「はい、芽衣子は信じております」
真緒「うん、信じてくれ」
芽衣子「それでその、さっきのは嘘じゃないですよね?」
真緒「ああ、もちろん」
芽衣子「……良かった」
真緒「ぼくも嬉しいよ。岸岡ともう話せなくなるんじゃないかって思ってたしさ。
ほんと、寂しかったな」
芽衣子「真緒様……」
真緒「もう正直に言うよ。ほんと参ってた、あの時気がついたんだよな。
だから岸岡にも言っただろ」
芽衣子「はい……本当は嬉しかったのに、怖くなって私は」
真緒「そっか」
芽衣子「……真緒様、あの」
真緒「ん?」
芽衣子「公園の男の子を覚えておられますか?」
真緒「あの公園の……ああ、あの転んだ子?」
芽衣子「はい」
真緒「うん、覚えてるよ」
芽衣子「泣きもせずに起き上がったのに、お母さんの言葉で泣いてしまいましたよね」
真緒「……ああ」
芽衣子「どうしてあの子が泣いたのか、真緒様には分かりましたか?」
真緒「……ああ、分かったよ」
芽衣子「………」
芽衣子「……真緒様、芽衣子はあの子に自分を重ねてしまったのです」
真緒「重ねた?」
芽衣子「両親がいなくなって、でも私はなんとか立ち上がりました。
あの子のように泣くこともせず」
真緒「………」
芽衣子「施設に入ってからもずっと……今の両親に出会ってからもずっと……」
真緒「岸岡」
芽衣子「でも本当は……ずっと……」
そこで岸岡は言葉を詰まらせた。
たぶん『さみしかった』が言えないでいる。
それは今だけじゃなく、おそらく今日までずっとなんだとぼくは思った。
両親に捨てられた後、今の里親に出逢うまでは施設にいた。
だけど集団生活である施設で、岸岡の気持ちを十分に受け止めてくれる人がいなくて、それで……
ずっと、自分の気持ちを押し殺して来たんだと思う。
『さみしい』という気持ちをずっと。
退行を起こしていた時ですら……
真緒「岸岡、今までずっと寂しかったんだよな」
芽衣子「……あ」
真緒「でも、もう大丈夫だからな。ぼくがちゃんと見てるから」
芽衣子「……芽衣子は、芽衣子は」
真緒「うんうん、もう大丈夫。これからは寂しくなんかないからな」
芽衣子「真緒…様……真緒様ぁああああ」
※真緒に倒れて泣く芽衣子
※画面白
※嬉し泣き
ぼくに抱きつき岸岡は泣いた。
普段のあの姿からは想像も出来ないほど子どものように声を荒げて。
本当はずっと、こうして泣きたかったのに泣けなかった。
寂しい気持ちをずっと押し殺してきた。
だから色々考えこんで、素直になれなくて……
もしかしたら中二病もそこから生まれたんじゃないとさえ思ってしまう。
架空の存在や設定を作り上げて、心のバランスを取っていた。
魔王という存在にすがりつく岸岡はたぶん、そういう事だったんじゃないかなと。
そんな気持ちのまま今まで過ごしてきたのかと思うと、
ぼくはいてもたってもいられなかった。
この足さえ動かせたなら、今すぐにでも起き上がって──
真緒(……は無理そうだな、残念)
芽衣子「う……う……」
真緒「よしよし、もう大丈夫だからな」
※※共通のあれを持ってきてもいいかも
いつかの時のように、岸岡の頭を撫でると、
涙の入り混じったくちゃくちゃの顔で微笑み返してくれた。
真っ赤な眼で泣きながら、でも嬉しそうに笑う岸岡。
今初めて、本当のこの子を見れたようなそんな気がした。
幸せな夏の午後。
きっと今日の事は忘れられない想い出になるだろう─
最終更新:2010年11月07日 10:07