シナリオ 7月3日(火曜日)・その1
紅茶はポップ?クラシック?
小鳥のさえずりが聞こえる朝。[lr]
昨日とは違って、目覚めの良い朝だった。[plc]
おまけに天気も良好。[lr]
早く寝たのが良かったのか、昨日の疲れもずいぶんと取れた。[plc]
早寝早起きのおかげで、時間の余裕もある。[lr]
ゆっくりと朝食を取れるし、何よりドタバタと慌てなくても良い。[plc]
朝食のパンを食べ終え、寮長が入れてくれた紅茶に口をつける。
香りも良く、味も文句ない。[plc]
といっても、スーパーなんかで売ってるティーパック
の紅茶位しか味を知らないのだけど。[plc]
なんとかティーだと説明されたものの、ぼくには何だかよく分からなかった。[plc]
でもきっと高級な紅茶なんだろうな。[lr]
カップも高そうだしさ。[plc]
真緒「いかにもお嬢様って感じだよなぁ」[plc]
奏「あ、センセおはよ」[plc]
真緒「おはよう北上」[plc]
奏「朝ご飯?」[plc]
真緒「ああ、今食べ終わったよ。北上は?」[plc]
奏「アタシは今からだよ」[plc]
真緒「そっか」[plc]
奏「うん」[plc]
……そういえば、昨日怒ってたよな。[plc]
真緒「な、北上」[plc]
奏「なにー?」[plc]
真緒「昨日怒ってたよな?」[plc]
奏「え? 怒ってないよ。なんで?」[plc]
真緒「あ、そうなんだ。じゃ、いいんだ。[r]気にしないで」[plc]
たしかに怒ってたんだけどな。[lr]
ま、いいか。[plc]
奏「変なの」[plc]
真緒「あはは」[plc]
奏「さ、アタシはなに食べようかな。[lr]
センセはパンだし、アタシは……」[plc]
真緒「うん、美味しかったよ。この紅茶も美味しいしさ」[plc]
奏「!!」[plc]
真緒「はぁ……美味しい。ん?」[plc]
奏「センセそれ、なに飲んでるの?」[plc]
真緒「何飲んでるって……紅茶?」[plc]
奏「………」[plc]
真緒「え? え?」[plc]
怒ってる、よな。[lr]
ぼく何かしたっけ?[plc]
考えられるとしたら、昨日の事?[lr]
でもそれは怒ってないって言ってたから……[plc]
真緒「もしかしてこのカップ、北上のだったかな?」[plc]
奏「そんなことじゃないし……」[plc]
真緒「じゃ、いったい何を怒ってるんだ?」[plc]
奏「そうやってとぼけるんだセンセは。[l]
やっぱり大人は汚いね」[plc]
真緒「とぼけるも何も……」[plc]
わ、分からない。[lr]
何に怒ってるんだ。[plc]
奏「でもいいよ、アタシが教えてあげる。[lr]センセは見込みあるしさ」[plc]
真緒「そう……じゃ聞くけど何で怒ってるの?」[plc]
奏「センセが飲んでるの紅茶だよね」[plc]
真緒「そうだけど?」[plc]
奏「それがいけないんだよ。ロックなら紅茶じゃなくてコーヒーだし」[plc]
真緒「どういう事? 紅茶? 珈琲?」[plc]
奏「アタシ言ったよね? ロックなら紅茶じゃなくてコーヒーだって」[plc]
真緒「ま、まさかと思うけど、それが理由じゃないよな……?」[plc]
奏「センセは男なんだし、特にそうだよ。[lr]
それで、約束したじゃん。紅茶は飲まないって」[plc]
どうやらそうみたいだ……[lr]
い、意味が分からん。[plc]
真緒「ちょっと待て北上。[l]そんな事聞いてないし、約束した覚えもないぞ」[plc]
奏「昨日の夕食の時に言ったよ。センセうなずいてたじゃん……」[plc]
真緒「夕食の時?」[plc]
奏「そ」[plc]
……昨日の夕食?[plc]
かなり疲れてたっけ。[lr]
上の空で莉緒たちの話を聞いてて、
適当にウンウンうなずいていたのは事実だ。[plc]
北上が何か言ってきたのは覚えてる。[lr]
でも、何を話したのか思い出せない。[plc]
そんな約束をしたような気もするし、やっぱりしてない気もするし……[plc]
うーん。[plc]
「悪かったよ」
「知らんがな」
知らんがな
真緒「知らんがな」[plc]
奏「!!」[plc]
奏「なにその言いかた!」[plc]
真緒「あ、いや……知らないよそんな約束」[plc]
奏「感じ悪いし」[plc]
真緒「感じ悪いって言われても、約束した覚えはないしさ」[plc]
奏「やっぱり大人は汚いね!!」[plc]
真緒「お、おい、そんな大声出さなくても」[plc]
奏「ちょっとでも、センセをいいなって思ったアタシが間違ってた」[plc]
奏「センセだって大人だし……
約束守らないとか政治家と一緒だし」[plc]
真緒「ちょ、ちょっと落ち着け北上」[plc]
奏「もういい! センセとは口聞かない」[plc]
真緒「………」[plc]
ただでさえ莉緒に手を焼くってのに……[lr]
はぁ、仕方ない。[plc]
真緒「北上、先生が悪かった」[plc]
奏「え?」[plc]
真緒「先生が悪かった。謝る」[plc]
奏「………」[plc]
真緒「ごめん」[plc]
謝る
真緒「あ、あのさ北上」[plc]
奏「思い出した?」[plc]
真緒「──先生が悪かった」[plc]
合流
奏「ん……分かれば別にいいし」[plc]
真緒「約束したんなら仕方ない。紅茶は飲まないよ」[plc]
奏「え?」[plc]
真緒「だから飲まない」[plc]
奏「ん……」[plc]
この紅茶が飲めないのは残念だけど、生徒との約束を破るわけにもいかない。[plc]我ながら真面目だよな、紅茶位でさ。[plc]
奏「べ、べつに、センセがど~してもって言うなら飲んでもいいよ」[plc]
真緒「え?」[plc]
奏「──アタシだってたまに飲むし」[plc]
真緒(なんだそりゃ)[plc]
真緒「あ、そうなんだ。じゃあ、そうさせてもらおうかな」[plc]
奏「ん……いいよ」[plc]
真緒「この紅茶美味しいしね。実はちょっと残念だなって思ったんだ」[plc]
奏「で……でも、基本はコーヒーだからねセンセ!」[plc]
真緒「はいはい」[plc]
奏「それじゃ、アタシも食ーべよっと」[plc]
そう言って、北上が奥へと歩いて行った。[plc]
もう怒ってる様子はなく、楽しそうな声が聞こえてくる。[plc]
感情を隠さない所は、まさに子どもって感じだな。[plc]
……でも、少し羨ましいような気もする。[plc]
さて、食べ終わった事だし学園へ行こう。[lr]
モタモタしてると莉緒に捕まってしまう。[plc]
莉緒「………」[plc]
真緒「うわ……」[plc]
莉緒「なによその反応? 嫌なのは私の方よ!」[plc]
芽衣子「真緒様、おはようございます」[plc]
実は結構仲が良いんじゃないの?[lr]
と思ってしまう程、二人の組み合わせをよく見かける。[plc]
喧嘩するほどなんとやらってやつだ。[plc]
真緒「ああ、おはよう」[plc]
芽衣子「今日はすでにここに来ていたのですね」[plc]
莉緒「ふん……今日も失敗だったわ」[plc]
芽衣子「………」[plc]
莉緒「明日こそ寝起きの魔王を襲わなきゃいけないわ。[l]
学園が乗っ取られる前に息の根を止めないと」[plc]
芽衣子「……させない」[plc]
真緒「はぁ……」[plc]
莉緒「また邪魔をする気!? あなたも目を覚ましなさい!!」[plc]
芽衣子「それはこっちの台詞だ」[plc]
莉緒「なんですって~!」[plc]
真緒「さて、そろそろ行くか。二人とも遅刻しないようにな」[plc]
二人の顔を見ずにそう言うと、逃げるように食堂を後にした。[plc]
最終更新:2010年07月18日 00:15