シナリオ 7月2日(月曜日)・その7
寮長とお片付け
仕事を終えて寮に戻った。[plc]
でも……仕事が終わってもあの問題児たちと一つ屋根の下。[plc]
ちっとも落ちつけやしない。[plc]
夕食時ですら例外ではなく、
喋るか食べるかどっちかにしろと怒鳴りたくなる程騒がしい。
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元気なのは良いことなんだけどさ、
元気すぎるのも困りもの。[plc]
今、そんな夕食も終わり寮長と片付けをしている最中。[plc]
特に会話もなく、ぼくと寮長は黙々と手を動かしている。[plc]
寮長「………」[plc]
食器が擦れあう音と、窓の外から聞こえるひぐらしの声。[plc]
静かに流れる時間と空気。[lr]
ああ、心休まる時間はあるじゃないか。[plc]
寮長「だいぶお疲れのようですね先生」[plc]
真緒「あ、そ、そうかな? そんな顔してた?」[plc]
寮長「はい……[l]それに独り言も」[plc]
クスクスと笑う寮長。[plc]
真緒「あ、口に出てたんだ。恥ずかしいな」[plc]
寮長「ふふ、ご苦労様です。明日からも頑張って下さいね」[plc]
真緒「うん、ありがとう。そう言ってくれると嬉しいよ」[plc]
本当に良い子だ……[lr]
きっと良い奥様になれるよ。[plc]
寮長「先生、どうかしたんですか? 私に何かついてますか?」[plc]
真緒「あ、いや、ついてないよ。あはは、ごめんごめん」[plc]
寮長「なら良いんですけど。あ、先生」[plc]
真緒「ん?」[plc]
寮長「誰か気になる子はいますか?」[plc]
真緒「え? いきなりどうしたの?」[plc]
寮長「ふふ、特に深い意味はありませんよ」[plc]
寮長「ただ、みんな個性が強いですから、
一人一人違うコミュニケーションが必要かなって思って」[plc]
真緒「うん、たしかにそうだね」[plc]
寮長「好きな食べ物とか、嫌いな食べ物とか、そんな事で良いならお話しできますし」[plc]
真緒「気になる子の?」[plc]
寮長
「はい。全員の事をお話できればいいんですけど、先生もお疲れですから」[plc]
寮長「それと、片付けする間の暇つぶしにでもなればいいかなって」[plc]
真緒「あ、そういう事ね」[plc]
寮長「はい、先生さえ良ければですけれど」[plc]
真緒「そうだな……」[plc]
真緒(みんな気になるけれど、やっぱり……)[plc]
真緒「やっぱり莉緒が気になるかな」[plc]
寮長「ふふ、寺井さんが気になってるんですね」[plc]
真緒「あっ、いや、別に変な意味じゃないよ」[plc]
寮長「ええ、分かってますよ先生」[plc]
慌ててしまうぼくに笑顔の寮長。[lr]
少しからかわれた様な気もするけど、[r]
ま、いいか。[plc]
寮長「幼馴染だったんですね」[plc]
真緒「うん、そうなんだけど、莉緒もすっかり変わっちゃってね。[l]
昔はもっと仲が良かった気がするんだけどなぁ」[plc]
寮長「心配しなくても大丈夫ですよ」[plc]
そんな話をしながら二人で片付けを進める。[plc]
会話が成り立つ素晴らしさと、[r]
明日への意欲が湧き上がってくるのを[r]
感じながら──[plc]
***合流地点
最終更新:2010年07月13日 00:50