シナリオ 7月3日(火曜日)・その3
学園案内
授業が始まる。[plc]
少し慣れたのか、昨日よりもテンポが良い。[plc]
生徒達も静かに授業を受けている。[plc]
寮の子たちも静かなんだけど……[plc]
芽衣子「………」[plc]
和「………」[plc]
また感じる二人の強烈な視線。[lr]
反対に莉緒や八十記たちは、こっちを見ようともしない。[plc]
話を聞いてるんだろうか。[lr]
ノートを取っているんだろうかと心配になる。[plc]
岸岡や阿部高は大丈夫そうだけど、問題は莉緒たちだ。[plc]
ふと、一番前の席にいる北上のノートをこっそりのぞいてみる。[plc]
案の定、黒板の写し等していない……[plc]
英語の授業でも無いのに、なぜか英語の羅列が書かれているノート。[plc]
おそらく好きなバンドの歌詞でも書いてるんだろう。[plc]
まぁ、うるさくするよりは良いんだろうけどさ……[plc]
寮長「ここが茶道部の部屋です。うちのクラスで入っているのは──」[plc]
真緒「………」[plc]
朝の元気はすっかり消えた昼休み。[lr]
体の疲れ以上に大きい精神的疲労。[plc]
授業の準備、行事の準備。[lr]
保護者への対応、放課後は書類。[lr]
そして持ち帰り仕事。[plc]
やる事が多すぎる……[plc]
『慣れてくれば大丈夫』[l]と他の先生は言ってくれるけど、ぼくにはまだまだ先の話だ。[plc]
寮長「──とBさんですね。二人は仲が良いんですよ」[plc]
真緒「………」[plc]
寮長「あの、先生?」[plc]
真緒「あ、ごめんごめん。ちゃんと聞いてたよ」[plc]
寮長「………」[plc]
真緒「あ、いや、悪いね。昼休みなのにさ」[plc]
今、委員長でもある寮長に学園を案内してもらっている所だ。[plc]
迷子になりそうな程広い学園。[lr]
教師が迷子だなんて笑い話にもならないから、誰かに教えて貰ってでも把握しておきたい。[plc]
なんて考えたはいいけれど、学期末の慌しさで手の空いている先生はいなかった。[plc]
そんな話を昨晩していた時、寮長が案内役に名乗り出てくれたわけだ。[plc]
寮長「いえ、私は大丈夫です。先生こそ大丈夫ですか?」[plc]
真緒「あ、うん。大丈夫だよ、大丈夫」[plc]
寮長「そう、ですか。疲れてるみたいでしたので。[l]
でも、無理はしないで下さいね」[plc]
真緒「ありがとう。心配かけてごめん」[plc]
寮長「いえ、いつでも言って下さい。[l]それでは、案内を?」[plc]
真緒「うん、大丈夫。お願いするよ」[plc]
寮長「はい」[plc]
最終更新:2010年07月18日 00:20