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シナリオ 7月5日(木曜日)・その1

 いつもと違う朝


寮長「おはようございます先生」[plc]

真緒「……おはよう」[plc]

寮長「すいません」[plc]

真緒「いやいや、もう起きる時間だしね」[plc]

朝、いつもの目覚ましが鳴る前に起きた。[lr]
正確には寮長が起こしてくれた。[plc]

女の子に起こされるなんて嬉しいはずなのに、素直に喜べない。[plc]

──そう、寮長が起こしに来たという事はつまり![plc]

何か、何かあったのかもしれない。[lr]
……嫌な予感がする。[plc]

真緒「それは良いんだけどさ、急にまたどうしたの?」[plc]

寮長「あ、はい。朝ご飯が出来たので呼びにきたんです」[plc]

真緒「それだけ?」[plc]

寮長「はい、よかったら皆で食べませんか?」[plc]

真緒「それは良いけど……何かあったのかなって思っちゃったよ」[plc]

寮長「ふふ、なにもありませんよ」[plc]

真緒「そっか。じゃ、すぐ行くよ」[plc]

寮長「はい」[plc]




寮長
「はい」[plc]

食堂にはすでに莉緒たち全員がいた。[lr]
そしてそれは初めて見る朝の光景。[plc]

夕食とは違い朝はおのおのバラバラで、
今まで全員がそろっているのを見た事がなかった。[plc]

真緒(やっぱり……何かあったんじゃ?)[plc]

少なからず違和感を感じながら莉緒たちを見回してみる。[plc]

テーブルのご飯に手をつけている様子もなく、
全員がぼくと寮長に視線をむけているようだ。[plc]

寮長「先生、ちょっと待ってて下さい」[plc]

真緒「え?」[plc]


返事も待たず寮長が莉緒たちへと歩いていく。[l]
一人一人に何か声をかけているようだけど……[plc]

なんだろ?[plc]

和「やあ! 良い朝だな」[plc]

真緒「あ、ああ。おはよう阿部高」[plc]

真緒(そういえば昨日の事……)[plc]

和「キミに謝りたいことがある」[plc]

真緒「え? いきなりどうした?」[plc]

和「き、昨日の事だ」[plc]

真緒「ああ、あれね。ぼくもちゃんと話したかったんだけど、昨日は色々あって話せなかったな」[plc]

真緒「で、まだ痛むのか?」[plc]

和「あ、ああ……ズキズキするぜ」[plc]

真緒「……阿部高あのな、たぶん風邪か何かだと思うから気にするな」[plc]

和「か、風邪なのか? 

いやしかし──」[plc]

真緒「夏風邪ってやつだよ阿部高。流行ってるみたいだしさ」[plc]


和「……そうだよな。だって俺は男でキミも男なんだしな」[plc]

真緒「そうそう」[plc]

和「……そうか」[plc]

和「うん、まあそれはいい。
とにかく謝りにきたんだ。昨日は騒がしくして悪かったぜ」[plc]

真緒「分かった。今日から頼むよ」[plc]

和「ああ、まかせとけ」[plc]

元気よく答えると、阿部高は戻っていった。[plc]



奏「センセ」[plc]

せえら「相変わらずしょぼくれた顔してますわね」[plc]

真緒「二人ともおはよう」[plc]

奏「おはよ」[plc]

せえら「おはようですわ」[plc]

真緒「それにしても今日は珍しいな。全員いるなんて」[plc]

せえら「そう珍しいものでもにゃーですわ」[plc]

奏「そうだよ」[plc]

真緒「そうか?」[plc]

奏「寮長が今日みたいに皆を集めたのは……たしか一ヶ月前? 
ねえ、せえらちゃん?」[plc]

真緒「へえ、寮長が……」[plc]

せえら「ええ、たしか……教育実習の方が帰られた次の日でしたわね」[plc]

奏「そうそう。せっかく歓迎会したのにさー」[plc]

真緒「なんかあったの?」[plc]

せえら「よく分かりませんけど、怒られましたわね」[plc]

奏「ねー? なにも悪いことしてないのに」[plc]

せえら「な、なにを仰いますのかなちゃん」[plc]

奏「え?」[plc]

真緒「何かしでかしたのか?」[plc]

せえら「ええ! もちろんですわ![lr]
ワタクシ、歓迎会の席でタバコを吸ってましたのよ」[plc]

真緒「なっ!?」[plc]

奏「えー、あれはチョコだし」[plc]

なんだ……チョコ。[lr]
冷静に考えたら八十記が吸うわけないか。[plc]

せえら「いいえ違いますわ、まだカナちゃんはそんなことを言ってるんですのね」[plc]

奏「アタシは間違ってないし」[plc]

せえら「まったく……違うと何度言えば分かるんですの」[plc]

奏「絶対チョコだし!」[plc]

奏「ね? センセもそう思うよね?」[plc]

真緒(そ、そんな事言われてもなぁ……)[plc]




「チョコなんじゃない?」
「八十記! 胎児に悪いぞ!!」




胎児に悪い




真緒「八十記! 胎児に悪いぞ!」[plc]

せえら「え!?」[plc]

奏「え? せえらちゃんの赤ちゃん?」[plc]

せえら「な、なななにを言ってますの!!」[plc]

真緒「いや……真剣に言ってるんだ。今中毒になってみろ、将来生まれてくる赤ちゃんに悪影響になる」[plc]

せえら「そ、それはそうですけど……」[plc]

せえら「い、いきなり変なこと言うんじゃにゃーです馬鹿センコー!!」[plc]

真緒「そ、そんなに怒るなよ。ぼくは真剣にだな」[plc]

奏「大丈夫だよセンセ」[plc]

真緒「かな?」[plc]

奏「だってせえらちゃん煙草じゃなくてチョコだし」[plc]

せえら「だ、だから違うと」[plc]

真緒「ま、そうだろうな。八十記が吸うわけないもんな」[plc]


合流に






チョコ



真緒
「ちょ、チョコなんじゃないの?」[plc]





合流



奏「ね! センセもそう思うでしょ!!」[plc]

せえら「ふんっ、ワタクシがタバコを吸っているのを認めたくないんですのね」[plc]

奏「むー」[plc]

真緒「お、おいお前ら、朝から喧嘩はやめてくれよ」[plc]

せえら「だいたいかなちゃんこそ演奏するなんて言って、やってたのはエアギターでしたわよ」[plc]

奏「違うし!!」[plc]

真緒「………」[plc]

真緒(怒られる程の歓迎会か)[plc]

真緒(無茶苦茶やったんだろうな……)[plc]

真緒「あー、二人とも」[plc]

奏「なに!」[plc]

せえら「なんなんですの!?」[plc]

真緒「いやさ、なんか話があったんじゃないのか」[plc]

せえら「ああ、そうでしたわね」[plc]

奏「あたしは昨日話たし……」[plc]


せえら「ええ、昨日のことですわ。別にワタクシ、悪いとは微塵も思っておりませんのよ?」[plc]

せえら「ま、寮長とは仲良くしたいですから形だけ謝っておきますわ」[plc]

真緒「あ、ああ」[plc]

奏「ごめんねセンセ。でも、センセがロックじゃないのが悪いんだし……」[plc]

真緒「ま、まぁ、ロックかどうかは置いといて、ぼくが悪いのは分かってるよ」[plc]

奏「………」[plc]

せえら「それではもういいですわね。行きましょうカナちゃん」[plc]

奏「うん」[plc]

真緒「………」[plc]

謝ってくれてるけど……[lr]
無理やり謝罪させられた感が思いっきり出てる。[plc]

場の雰囲気から察するに、寮長が謝りにこさせてるようだ。[plc]

とすると、次は莉緒たちか。[plc]


莉緒「………」[plc]

芽衣子「………」[plc]

真緒「おはよう」[plc]

莉緒「………」[plc]

芽衣子「………」[plc]

真緒(おお、静かな二人ってのも珍しい)[plc]

芽衣子「……申し訳ありません魔王様」[plc]

真緒「あ、うん」[plc]

芽衣子「昨日のことです。魔王様のお力添えが出来ず……」[plc]

真緒「いや、岸岡は真面目にしてた。
だから気にしなくてもいいよ」[plc]

芽衣子「……慈悲のお言葉ありがとうございます」[plc]

莉緒「岸岡はって……なによ」[plc]

芽衣子「今日より自分を戒め、魔王様へのさらなる忠誠を誓います」[plc]

真緒「うん、今日からまた頼むよ。[lr]
それと魔王様は言わなくていいからな」[plc]

芽衣子「善処致します」[plc]

真緒「うん、岸岡は素直で助かるよ」[plc]

莉緒「……なに? 
私はひねくれてるって言いたいわけ?」[plc]

真緒「そ、そんな事言ってないだろ」[plc]

莉緒「……言ってるじゃない」[plc]

真緒「あのなぁ」[plc]

と言った先、言葉に詰まる。[plc]

いつもの憎まれ口で怒鳴り散らす様子もなく、
押し黙ったまま悲しそうな顔の莉緒に、どう言葉をかければいいのか迷ったからだ。[plc]

莉緒「………」[plc]

真緒「………」[plc]

真緒「その……そういうつもりで言ったわけじゃないけど、莉緒がそう受け取ってしまった
なら謝るよ。ごめん」[plc]

莉緒「………」[plc]

真緒「だからさ、そんな顔するなよ。なんか調子狂うっていうかさ……」[plc]

莉緒「え?」[plc]

芽衣子「……魔王様? なにを仰られているのです?」[plc]

莉緒「………」[plc]

真緒「なぁ、莉……じゃなくて寺井」[plc]

莉緒「……なに言いなおしてるのよ」[plc]

真緒「え?」[plc]

莉緒「……ふふん、魔王も大したことないわね。この程度の演技で騙せるなんて!」[plc]

真緒「え、演技ぃ?」[plc]

莉緒「そうよ! 馬鹿な二人ね」[plc]

芽衣子「なんだと……貴様」[plc]

真緒「そっか……なんだか安心したよ」[plc]

莉緒「ふ、ふん! こんなにお馬鹿な魔王なら学園は平和ね」[plc]

莉緒「ま、しばらく様子を見ていてあげるわ」[plc]

真緒「ああ」[plc]

莉緒「でも変なことを企んだら、その時は黙っちゃいないわよ」[plc]

真緒「べ、別に何もしないさ」[plc]

莉緒「ふんっ」[plc]

芽衣子「待て! 寺井莉緒」[plc]



真緒「……やれやれ」[plc]

寮長「あら?」[plc]

真緒(すっかりいつもの莉緒だな)[plc]

寮長「先生」[plc]

真緒「ご苦労様、寮長が集めてくれたんだろ?」[plc]

寮長「はい……ご迷惑でしたか?」[plc]

真緒「いやいや、助かったよ」[plc]

寮長「良かった」[plc]

寮長「あ、先生、今日はせっかくですから皆で一緒に登校しませんか?」[plc]

真緒「そうだな、せっかくだしそれもいいね」[plc]

真緒「それじゃ、すぐに準備してくるよ」[plc]

寮長「はい」[plc]



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最終更新:2010年07月19日 01:05
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