シナリオ 7月5日(木曜日)・その3
中二病?それとも……
真緒「はいはい、席について。今からHR始めるぞー」[plc]
今朝の事があったせいか、莉緒たちは大人しい。[lr]
おかげで楽にすすめ──られないみたいだ。[plc]
真緒「おーい、そこ! 静かにしろ」[plc]
阿部高の周りが騒がしい。[lr]
といっても騒いでるのは阿部高ではなく、周りの生徒だ。[plc]
生徒A「ほら、和君。愛しの人が声かけてくれたよ」[plc]
生徒B「いいよねー! 一つ屋根の下にいるんだもん」[plc]
生徒C「一線越えちゃうかもよ。
か・ず・くん?」[plc]
生徒ABC「キャァァァー」[plc]
和「お、俺は男だぜ! 馬鹿なこといってんじゃねーよ」[plc]
阿部高がいじられてる。[lr]
良いオモチャにされてるな。[plc]
真緒「もう始めるぞ。早く席につけ」[plc]
黒板を叩きながら少し大きな声で注意。[lr]
とたんに大人しくなって席に戻りはじめる生徒。[plc]
うん。だいぶ先生ぽくなってきたな。[plc]
和「かっこいいじゃねーか」[plc]
真緒「そ、そうかな?」[plc]
和「ああ、良い男だったぜ。俺も負けてられないな」[plc]
真緒「……なぁ、阿部高」[plc]
和「なんだ?」[plc]
この子……[lr]
本当に自分を男だと思ってる?[plc]
真緒「あ、いや、なんでもない。今度ゆっくり話そうか」[plc]
和「ゆっくり? あ、ああ、いいぜ」[plc]
真緒「じゃ、阿部高も席について」[plc]
和「ああ」[plc]
真緒「………」[plc]
昨日から思っていた事がある。[plc]
それは、阿部高は中二病ではなく
性同一性障害なのではないかという事。[plc]
前任からは特にそれらしい事は聞かされていない。[plc]
もう一度聞いてみたいけど、入院中だしぼくも時間が無い。[plc]
電話でひょいと聞くような事じゃないと思うし……[plc]
ここは直接本人に聞くべきか。[plc]
いや、その前に誰か他の先生……[lr]
音河先生あたりに聞いてみるのが一番か。[plc]
……とりあえず、今は進めよう。[plc]
真緒「それじゃ今日は──」[plc]
最終更新:2010年07月19日 01:08