第十九話 不安
(´・ω・`)「おい、ブーン」
名無しは大地に寝っ転がる我が弟子に声をかけ、返答を待たずに脇に抱えていた武器、槍をブーン目掛けて放り投げた。
いきなり凶器を投げられたのでブーンはびっくりし、慌てて槍の落下地点から逃げた。
もちろん、切っ先はブーンに向けていないのだが自分だって武器が自分目掛けて投げられたら逃げるだろう。
だがあそこまで必死に逃げないだろう。名無しは少しそれが面白くて微笑んだ。
(;^ω^)「い、いきなりなんですかお!」
そう聞かれた名無しは急に真顔になり、
(´・ω・`)「ん、いや、今からは神風と槍を組み合わせた訓練をしてくれ。」
と言った。ブーンはすぐに困り顔になり、
(;^ω^)「ちょ、急に言われても・・・」
と名無しにすがるような目を向けた。
教えて下さい・・・ということだろうか。だとすれば困りものだ。
実は・・・名無しは槍を使ったことなど露ほどもない。
もし下手に承諾して構えを教えてくれだの、やれkwskとか言われると教えることが出来ない。
そこで彼はこう言うことにした。
(´・ω・`)「ここからは君だけの技が出来上がる。他人にどうこう言われては興ざめだろ?一人で考えろ。じゃあな」
そして足早にその場を去った。
師匠がこういうこと言うと説得力があるだろ?
( ^ω^)「自分だけの技・・・」
名無しが去った後ブーンは考え込んでいた。
とはいっても・・・
( ^ω^)「やっぱり神風に合わせて槍を突き出すしかないお・・・」
選択はほぼ一択だった。
やることが決まるとブーンは転がっている槍を拾いあげた。
二mほどの武器。なんとなく前に思いっ切り突き出してみる。
その感想は・・・
(;^ω^)「やばい・・・これめちゃくちゃ使うの難しいかも分からんね」
だった。
神風との組み合わせの前に一時間ほど槍をデタラメに振り回していた。
それで学習できたこと。
第一に、思ったよりも狙った場所に突き出すのは難しい。
第二に、投げても強そうなこと。
第三に、振り回すのは自分の腕力では無理なこと。
間合いなどもあるがその点は槍を扱う前から分かっていた。
( ^ω^)「とりあえず試してみるお・・・」
槍を体の右横に構え、両手でしっかり握る。
自分が向いている方向の直線上には大木がある。
ブーンは試しにあの大木に突き刺そうと考えたのだ。
そして神風への助走を始める。
そして何度も練習したように姿勢を低くし、発動時に踏み出す足───まぁいつも右足になるのだが───に魔力を溜める。
前方の大木に突き出すのにいい間合いに来たところで魔力を放出する。
眼前の大木が凄まじいスピードで近付いてくる。
とりあえず、この時点で槍を構えてるため両手が塞がれ、広げられなくなり神風が失敗する恐れはどうやらなくなった。
大木にぶつかるタイミングで槍を思いきり突き出す。
この軌道なら大木の真ん中に槍が刺さることになる。
その時も槍は体の右横に固定したままだった。
体に重なるように槍を突き出すと柄が自分に突き刺さるからだ。
柄でもこのスピードで体にぶち当たれば骨折なんかになりかねない。
そして槍が幹に突き刺さる。
深く深く。
突き刺さった瞬間柄を握る両手にとてつもない衝撃が走る。
思わず、槍を放しそうになったが、なんとか踏み止どまった。
───いや。
これは放した方が良かったかもしれない。
その瞬間新たな問題が浮上した。
神風のスピードはまだおさまったわけじゃなかった。木に突き刺したところでどうこうなるものじゃない。
このままじゃ・・・・
木に、体がぶつかる!
槍を咄嗟に放す。
その瞬間、木に右肩がぶつかる。
(;^ω^)「~~~~~ッ!」
ブーンはそのまま吹っ飛んでいき、ゴロゴロと転げ回る。
だが急に背中越しに何かに受け取られたような感触がし、回転は止まった。
( ^ω^)「お・・・?」
なんなんだ、今のは。新手の結界か?
そう思って振り返って何かの感触があった方向を見てみると。
(■_■)「無茶するんだね・・・君は。」
エスさんがいた。
どうやらエスはブーンの修行の一部始終をみてたらしく、意見をくれた。
一つ。神風の勢いを止めれる用に何か工夫しろ。
二つ。あんな直線的ではカウンターをくらいやすい。
三つ。実戦では槍の他に武器を持っておいたほうがいい。
などなど。
三つ目に関しては槍は一対一の時に使用したほうがいい、とのこと。
(■_■)「神風は便利で、槍との相性もいいと思うが・・・」
(■_■)「突っ込むことはオススメしないな。奇襲ならありだな。」
そこまで言うとエスはさて、と言いながら立ち上がり、ブーンを見てこう言った。
(■_■)「ちょっと付き合ってくれるかい?」
( ^ω^)「本当にいいんですかお?」
(■_■)「ああ、僕を殺すつもりでね」
( ^ω^)「では・・・」
ブーンは意外にも戸惑っていなかった。
ここに来た時から人を殺す準備や覚悟は出来ていたのかもしれない。
( ^ω^)「おかまいなくッ!」
ブーンは槍を構え、エス目掛けて走り出した。
なぜブーンとエスが戦っているのかというと、理由は単純だった。
エスがお互いの修行の為に戦おう、といったのだ。
( ^ω^)「うおおおお!!」
エスに向かって槍を突き出す。エスは何故か丸腰で、防ぐものだって持っていない。
だがそのことを聞くと、エスはそれで十分すぎる、と言った。
確かに。
十分すぎるほどだ。
と、ブーンは槍ごと地面に叩きつけられながらそう思った。
(■_■)「もっと早く槍を引っ込めろ!槍の利点は決して近すぎない場所からの突きの連打にある!」
(;^ω^)「はいですお!」
突けども突けども、全てエスに避けられる。
と、その時、エスの動きが一瞬鈍くなり、隙が出来た。
そこを突く。
(;^ω^)「スキありー!」
だが、エスの動きはすぐに戻り、槍は華麗に躱される。
しかも槍の柄を掴まれ、そのまま、
(■_■)「おりゃあぁぁ!」
背負い投げされ、また槍ごと地面に叩きつけられる。
(;^ω^)「い・・・痛いお・・・」
(■_■)「今の隙はワザとだ。相手に隙が出来ても安易に攻めてはダメだ。状況を見極め、体勢を立て直す時でもある。」
(;^ω^)「はいですお・・・」
そう言いながらブーンは立ち上がった。
(■_■)「ところでブーン君・・・神風は使わないのかい?」
( ^ω^)「・・・!」
そう言われて思い出したと同時にブーンは足に魔力を溜めだす。
( ^ω^)「そういえば忘れてました・・・」
魔力充頒完了。槍を右に構える。
歩きだし、そのたった二歩目。
( ^ω^)「お!!」
魔力を放出する。凄まじいスピードでエスに突っ込んで行く。
だがエスは慌てた様子もなく手をかざし、
(■_■)「・・・テトラジャマー。」
と呟き得意の防御結界を造り出した。
ブーンは神風の勢いを止めれるわけもなく、その結界に。
(;^ω^)「のおおおお!!!」
突っ込むことに。
( ゜ω゜)「あばばばばばばばばばば、ば、ばばばばばァーーッ!!」
結界が作動し、魔力によってブーンが裁かれる。
だが思ったよりも魔力によるペナルティの攻撃はきつくなかった。
( ^ω^)「・・・?」
体もいたって大丈夫だ。
気になってエスの方を見てみると、不思議なことが起こっていた。
ブーンは訓練後のシャワーを浴びながら考えていた。
訓練の最後に見た光景・・・不思議、としかいいようがなかった。
エスは修行中の攻撃技、と言っていた。
まだ準備段階でその攻撃自体は見せられないとは言っていたが。
( ^ω^)「そんなことより自分の技のことだお・・・」
ブーンはシャワーを止め、シャワー室を出ることにした。
*( ‘ ‘)*「ああ、ブーン君、ちょっといい?」
自室に戻る廊下を歩いていると、後ろから呼び止められる。
ブーンは振り返り、
( ^ω^)「なんですかお?」
と国王にそう言った。
*( ‘ ‘)*「いや、今度の戦争の一部隊の隊長をブーン君にやってもらうことにしたから。ちょっとその説明。」
その言葉を聞きブーンは、
(;゜ω゜)「た、たいちょう!?」
と目を丸くし驚いた。
*( ‘ ‘)*「そ。エレンシア方面を攻める部隊よ。隊員もほとんどブーン君と同じような新人だわ。」
(;^ω^)「そ、それで大丈夫なんですかお・・・?」
さも心配そうに聞くブーン。
*( ‘ ‘)*「データー上はエレンシア方面の守備は目立って強い奴はいないわ。ただ・・・」
巫女が言葉を濁す。それを不安そうに聞くブーン。
そして口を開き巫女が言った言葉は決定的なものではないものの、ブーンの不安をかきたてるには十分だった。
*( ‘ ‘)*「援軍が来ないとも限らないし、このデーターが真実とも限らないわ。」
ブーンはむしろ絶体絶命と言うよりかは訳が分からないというような顔をしている。
(;^ω^)「ちょ、ちょっと部隊のメンバーを見せて欲しいですお」
巫女は紙を一枚差し出し、ブーンはそれをひったくるように受け取った。
一番上に『隊長・ブーン』の文字。あとはあまり知らない名前がズラッと並んでいる。
*( ‘ ‘)*「ブーン君。」
名前を呼ばれブーンは振り返る。
目の前の一国を担う人物のその顔は、狼狽するブーンを叱咤する顔でもなく、優しく包み込む顔でもなく。
なにか、守りたいものを見つけたような顔だった。
*( ‘ ‘)*「誰だってね、不安になるわよ」
*( ‘ ‘)*「私だって、みんなを戦争に駆り出す時とても心配だわ。だからね」
そこで巫女は歩きだし、ブーンの横を通り過ぎる。
*( ‘ ‘)*「無理せず・・・絶対に生きて帰ってきなさいよ」
そうすれ違いざまに言われる。
その言葉には・・・なにか、後悔の念が聞き取れた。
ブーンは巫女が通り過ぎた後もそこから動けず。ただ、隊長の文字を見ていた。
そして、二日過ぎ。戦争当日。
ブーンは戦争まで少なかった日のほとんどを槍の練習に費やした。
それも、熟練者四人と共に。
名無し、エス、リップル、VIXの四人は、槍の特訓と戦争へのイメトレを一日に詰め込んだ。
疲労を戦争に持ち込まないために、マッサージも取り入れてあるほどのものだった。
その結果。
( ^ω^)「はっ!ふっ!」
前から立て続けにくるVIX矢(のような木の棒)と名無しのクナイ(のような木の棒)を避けたり、槍で弾く。
昨日、木の棒が当たった場所が少し痛むが、動くことに支障はない。
むしろこの動き、自分に向かって来る木の棒を見切り、避けることに快感を感じる。
瞬間、木の棒の数が減る。
こうなればしめたもの、両足に魔力を溜め、放出。
もはやこの“神風”、自分だけのものになった、と今更に思う。
ブーンは高く飛び上がり、名無し、VIXに向け、
( ^ω^)「くらえおぉーーー!!!」
と叫び声をあげつつ槍を力の限り投げ付ける。
ビンゴ、完全にこの軌道ならぶち当たる。
名無しとVIXが軽く避けようとするのと同時にブーンは、エスに指摘されたサブ武器、リップルに貰った剣を取り出し、地面に着地する。
そして、矢継ぎ早にもう一度神風を発動させ、高速で敵に近寄る。
このとき、先に仕留めるなら完全に遠距離タイプのVIXだろう。
近付いてしまえば一気に倒せる。
ブーンは迷わずVIXに近寄り、その剣を─────。
当然振り下ろしはしなかった。
(´・ω・`)「お見事。」
名無しがパチパチと拍手をする。
从 ゜∀从「ま、ここまで出来りゃ上出来過ぎだな。これ以上を今の段階で求めたらバチが当たる。」
(;^ω^)「恐縮ですお・・・」
(´・ω・`)「神風を使うタイミングも完全に相手の隙を突いたもの。槍の使い方もそこそこのレベル。殺す敵の優先度うんぬん。」
从;゜∀从「まさかここまで特訓の成果が出るとは・・・」
( ^ω^)「名無しさんたちのおかげですお!」
ブーンは誇らしげにそう言う。
確かに、ブーンはこのたった一日で強くなった。
だがそれも、それぞれ全くタイプの違った師匠が四人もいたからかもしれない。
孤高の暗殺者。戦争や人殺しの経験ならピカイチではないのか。
遠距離から攻める弓術家。手傷なく相手を殺すことにどれほど意義があるかはよく知っている。
防御を主軸としたバランス型。仲間援護に長ける者だ。
体術を練り込んだ神の力の使い手。この中なら最も近接格闘に優れている。
この四人から知恵と体の使い方を一日でも詰め込まれては、強くならない方がおかしい。
( ^ω^)「そろそろもう行かなきゃですお・・・」
もうすぐ開戦時間とされている正午になる。
要塞前には、初めて受け持つ部下がいる。
(´・ω・`)「おいブーン、ちょっとこっち来い」
( ^ω^)「なんですかお?」
ブーンは呼ばれて名無しとVIXのもとに行く。
名無しは何かを照れくさそうにブーンの胸に突き出す。
それはよく見てみると靴だった。
(´・ω・`)「ほらー、まぁその、神風を使っていると靴がボロボロに、なるだろ?替えの靴だよ」
確かに、ブーンの靴はボロボロだ。
この靴も名無しに貰い、魔力に強いとは聞いていたが、それでこれなら普通の靴は三回と保たないだろう。
胸の前に突き出された靴をとりあえず受け取る。
( ^ω^)「ありがとうですお!」
今度も動物の皮をそのまま使ったような靴だ。ブーンはそれを素直に履く。
あらかたの挨拶をし、名無しとVIXに去り際、
(´・ω・`)「頑張れよ、ブーン」
从 ゜∀从「死ぬなよ」
と言われる。
それにブーンはあえて返事をせずに、右手をあげる。
当然だ、と呟きながら。
要塞前に行くとみんなガチガチに緊張していた。
それもそうか、なんてったって新人戦ということになるのである。
ブーンは、自分が隊長になるというエレンシア方面に攻める部隊を探す。
人が雑多に15人くらいであろうか、固まっているのだが、部隊の人数は8人と聞いている。
今回この部隊は、エレンシアの警備、守備の破壊、およびその先の警備の確認・・・などなどを任務とする。
制圧などはあとから援軍が来て、やってくれるらしい。
( ^ω^)「まとまりが全くないお・・・」
そう思っていると後ろから『ブーン君!』と呼ぶ声がした。
振り向いてみるとそれはリップルさんだった。
( *゜ー゜)「どう?大丈夫?」
開口一番にそれを聞かれる。
ブーンの口からは不思議と、
( ^ω^)「大丈夫だと思いますお・・・」
という言葉が出た。
気付けば隊長を任された時の不安も重圧もあまりない。
昨日の特訓で得た自信、という訳ではない。
いくらブーンでもたった一日くらいの特訓で強くなったと思い込み誰にでも勝てるなどとは思わない。
勝てない相手がいる限り不安は残る。
なのに・・・
ブーンはなんとなく空───雲一つない青空を見上げる。
太陽が光り輝いていて、思わずその眩し過ぎる光を手で遮る。
その時、ふと気付いた。
不安が消えたわけじゃない───。
その不安が、不安をぶちのめす挑戦心に変わっただけだということに。
───もし、強い人が出て来て、それを倒せたら気持ちいいだろうな──。
そう、今は本気で思えた。
視線を空からもとの場所に戻す。
すると、残ったのは不安なんかじゃなく眩し過ぎる太陽の残像だった。
ブーンの部隊もまた、緊張に包まれたまま出発した。
エレンシアまで三十分ほど。
ブーンはその間、みんな、頑張ろうお!などと声を掛けたが、返事だけが返って来て、緊張がほぐれることはなかった。
そうこうしているうちにエレンシア要塞前に。
警備は三人と聞いている。
そしてその通り、たった三人だった。
エレンシアの要塞は質素なもので、高い柵のようなバリケードのなかにテントが三つから四つ建ち並んでいるだけだった。
・・・なんとまぁSOS団が金をケチったことが分かる要塞である。
だがそんなことは今は関係ない。
警備の場所は、一定の間隔で要塞を囲むようにある。
まずは警備を仕留めなければならない。
ブーンは、自分含め8人の隊員を3、3、2に分け、襲撃することにした。
ブーンは二人のところ、要塞の正面である。
警備をしている人物を草陰から見つつパートナーの人物と喋る。あくまで小声で。
( ^ω^)「(じゃあユキヲさん、僕がまず行くから失敗したら援護頼みますお)」
ユキヲ「(把握した)」
狙うは・・・首が早いだろう。それなら槍ではなく剣だろう。
サブ武器の剣を出す。
足に魔力が溜まる。神風はもう発動出来る。
だが────。
何か、嫌な予感がしていたのも事実だった。
神風を迷うことなく発動させる。
もう成功率は完全に100%、発動までの時間は二秒を切っているんじゃないんだろうか。
真っ直ぐ警備の者に高速で近付く。
草陰から結構距離があったのだが、それもすぐ縮まる。
警備の人物はブーンに気付き、うろたえ、武器を出すが、成長したブーンの相手では完全になかった。
ブーンは───。
ばっさりと───。
相手の首を刈り取───。
その瞬間急に脳裏によぎる。
師匠の顔。武器のバットは簡単に人殺しをしてしまわないため───殺しに慣れるな、と懇願したあの顔。
───気付けば。
首じゃなく腹部を裂いていた。
「あ、あああああああああ!!!」
腹部を裂かれた悲痛な叫び。
それを力の限り蹴り飛ばし黙らす。
とりあえずは立てないだろう。一人仕留めたということだ。
ブーンは警備の者に背を向け、パートナーのユキヲのもとに戻ろうとする。
その瞬間、ユキヲから叫び声。
ユキヲ「ブーン!後ろ!」
寒気がし、後ろを急いで振り返る。
誰かが襲いかかって来る!
ブーンはとっさに後ろに神風で飛び退く。
襲いかかって来た誰かは「ほう?」と声を出す。
───奇襲の為の神風を見られた。警戒はされることになるだろう。
その誰かの後ろにはまだ痛みに悶える警備の者。
とりあえずは、乱入してきた者だ。エレンシアの警備状況にこの人の名前すらなかった。
一筋縄でいくはずがない。いくわけがない。
( ^ω^)「ユキヲ、槍をよこせお。それと向こうの援護に行ってやれお」
ブーンはすぐに槍を受け取り、他の仲間が警備員を倒しているはずの方を指差し、ユキヲはそれに従う。
( ^ω^)「あと警備の者を倒したらエレンシアの向こうの街、エヴァレイトに僕を放って行ってくれお。」
( ^ω^)「みんなの指揮は副隊長のユキヲに任せるお。頼んだお!」
ユキヲの姿が見えなくなるまで指示を言うブーン。
それを敵は笑うでもなく、微笑ましく見ていた。
「成長したんだな・・・ブーン君。三週間くらい前かな、来たのは。」
( ^ω^)「そうですお、あなたにもお世話になって感謝していますお」
敵───赤い外套を羽織る者は悲しそうで、それでいて信念を感じさせる目をブーンに向ける。
そしてキッと、厳しい目付きに変わる。
「それでも今は敵だ。胸を借りるつもりで来い!」
( ^ω^)「言われなくても・・・」
ブーンは槍を構える。
赤い外套の騎士は双剣を構える。
( ^ω^)「そのつもりですお!」
(=゜ω゜)「来い!」
二人の激突が激闘の始まりであった。
第十九話 完
最終更新:2007年11月05日 18:02