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( ^ω^)がFHの世界に飛び込んだようです 二十一話(再)

第二十一話 狂戦士



要塞の一室、国王室の元に続々入って来る電報は、全て良いことを知らせていた。
エレンシア、ルアンダはすでに制圧、アルガリー制圧状況においてもだいぶ有利なことが知らされる。
この戦いは真ゆとり国との挟撃になっており、アルガリーはゆとりと隣接するSOSの領土、そして先ほどこちらが占領したルアンダとも隣接してある。
このままいけばあっさりアルガリーも制圧出来るだろう。だがそれには今一つ戦力が足りない。
エレンシア方面に向かわせた部隊をアルガリーの方にむかわそうかと考える。
やはり、自らの領土を広げるよりもアルガリーをいちはやく制圧したほうがゆとりにとってもいいし、こちらにとってもいい。
それにもたもたしているとゆとりが滅びるかもしれない。
同盟国が滅びるのは何としても避けたいところだ。そうなれば善は急げ、エレンシア方面に遣わした部隊二つに電話をかける。
まずは先遣隊のブーンだ。
電話は何事もなく繋がり、何度か呼び出し音が鳴る。
4度ほどコールがあったところで相手が出てくれた。

*( ‘ ‘)*「もしもしブーン君?」

「やぁ」

低い声が鳴り響く。
確実にブーンの声ではない。
というか、こんな声をしていて、ブーンの電話を奪うような人物は一人しかいない。

*(;‘ ‘)*「名無し・・・」

(´・ω・`)「ご明察」

名無しが出た意味は何となく分かる。つまりブーンが出れない状況にあるということだ。
死か、気を失っているかだ。だが何にしろ平然と名無しが出るということは安全な場所にいるということだ。
問題は死んでいるか生きているかだ。
その天と地の差ほどある二択の答えは訊かずとも名無しが答えてくれた。

(´・ω・`)「実は込み入った事情があってブーンは気を失っている。今とりにくに再生魔術を施してもらっているところだ。」

*( ‘ ‘)*「そう・・・死んでないのね・・・」

ほっと安堵のため息。
だがそんな暇はない。さっと指令を言い渡す。

*( ‘ ‘)*「ブーン君が起きたら、『ルアンダに来て』とだけ伝えて下さい。」

(´・ω・`)「ルアンダだね把握」

それだけ聞くと電話を切る。
次はリップルの部隊だ。
今度もあっさり繋がり、呼び出し音の後リップルが出た。

*( ‘ ‘)*「もしもし、リップル?」

( *゜ー゜)「うん。タイミングいいの巫女様、あっさりと3-1シンフォニア制圧完了なの」

*( ‘ ‘)*「そう。じゃあシンフォニアは五人ほど守備を残して、残りはルアンダに向かい、アルガリー制圧を手伝ってちょうだい。」

( *゜ー゜)「把握なのー」

*( ‘ ‘)*「守備部隊は後で送るわ。とりあえずルアンダに戻って下さい。では。」

電話を切る。
そして守備隊を送るなどの命令もろもろをあらかたし終わり、現時点での仕事は報告を待つことになる。
賽は投げられた。後は祈って待つのみ。
巫女は目をグッとつむり、少し目を休める。そして電話機の横に置いてあるコーヒーを手に取り飲む。
そうするとまるで休憩を妨げるようにまた新しい電報が送られて来た。
巫女はちらりと内容に目をやり、それが良い知らせではないことを一瞬で理解する。
彼女は苦々しげに呟く、

*(;‘ ‘)*「やっぱり出て来るのか・・・歴戦の英雄とやらが・・・ね。」





SOS団の連中は無様な姿をアルガリーにてさらけ出していた。
何故もっと美しく戦えないんだ?
避けられる攻撃に当たったり、後先考えずに攻撃したり、醜く倒れたり。ううむ、美しくない。
やはり分からん奴等には実例を見せるのが一番、といつでも思う。
殺しや戦争でも美しさは出せるのだ。
そんなわけで、今日も華麗な舞いをみなさんに見させてあげましょうか。
ターゲット、幻想郷国民全員、任務内容、アルガリーの守備、っと。

<ヽ`∀´>「聖剣グランドリオンの使い手、くまこと灰色のくま2ch、いざ参る!」

そんなわけで俺は大剣を持って戦火に飛び込んでいった。




その男は一目みただけで分かった。
大剣を圧倒的なパワーで振り回す男、しかもその太刀筋や体の使い方には無駄がなく、一発で急所を捉えている。
突然守備にしゃしゃり出て来た、要注意人物。突っ込んで行く奴等は片っ端から一刀両断。
英雄と言われても仕方無い、あれは強い。問答無用の強さだ。

(;■_■)「・・・」

エスが思い詰めた顔をしていると横に立つVIXが肩にポンと手を置き、

从 ゜∀从「人生にはな、良くないことが起きる、と分かっていても突っ込まなきゃならんときがあるんだ・・・」

从 ゜∀从「まぁとりあえず時間稼いでくれたらあとは俺が一掃するから。」

と言った。それにエスもため息まじりでやれやれだ、と言う。
よくは分からないが援軍が来るまでの時間稼ぎを先ほど国王から命ぜられた。
そして何故か同時にVIXからもだ。
そのVIXは「全軍守備!」と大声で叫んでいる。
何か策があるのだろうが・・・そんな大それた役は自分には向いていない。
またため息をつく。それは戦場の喧騒に飲み込まれる。
アルガリー要塞前にはくまがドンと身構えている。
エスはそれに一歩一歩進む。くまはそれを見てメインディッシュがやっと来たかとでも言いたそうな満足げな顔をする。

<ヽ`∀´>「エスじゃあないか。いやぁ、VSテトラジャマーかぁー。面白そうだな。」

こちらはちっとも楽しくない。そんな言葉を飲み込みつつ、

(■_■)「勝負だ」

という。くまは当然、とばかり大剣を振り回し向かってきた。

まずはくまからの一撃。速く、重い攻撃が繰り出される。
だがテトラジャマーの前にはそれも沈黙。鉄壁の防御からのペナルティにくまは弾け飛ぶ。
だがくまは意に介せずと言った感じで平然と剣を再度構える。

<ヽ`∀´>「テトラジャマーってこんなものなのか?だとしたらとんだ期待はずれだww」

テトラジャマーでは実害はほぼなし。恐ろしくタフだ。

<ヽ`∀´>「しかしテトラジャマーが凄いとしても戦場に武器を持たず来るとはw」

(■_■)「武器・・か・・・それなら・・」

武器ならきっちりとある。
ブラフマーストラ。そういう名前だ。
それを召喚する呪文を唱える。

<ヽ`∀´>「今更出しても遅い!」

くまが向かって来る。
この武器を召喚するにはテトラジャマーを発動させる必要がある。
そして、相対する敵は武器を封じようとして武器を生み出してしまう────。

くまはテトラジャマーに阻まれ、またも弾かれる。
それを視界の片隅に入れつつ、テトラジャマーの発動後の残り滓をブラフマーストラ召喚の触媒にする。
そして────召喚される。

鉄壁の防御と鋭い攻撃を兼ね備えた最強の武器が。





えーと、エス・・さんはあれが武器だと言いたいのか?
エスの周りにはバレーボールくらいの光り輝く球が四つ、エスを軸にして回っている。
見たことない魔術だ。
これは警戒しなければならない。
転移魔術とかなら戦うまでもなく自分はやられるだろう。
だが転移魔術は時空を歪めるゆえ、術の行使者に大きな負担がかかるはず。
だが当のエスには苦しい表情などは見られない。
ならばあの四つの光球は・・・

<ヽ`∀´>「(四つの変幻自在の武器と考えればいいか・・・?)」

つまり今のエスには。
四つの剣がある。
四つの槍がある。
四つの弓がある。
とか、そういうことだろう。

<ヽ`∀´>「(とりあえず出方を見るか・・・)」

くまは少し間合いを取り、エスの出方を見る。
エスの息遣い、動き、表情の変化まで余すところなく感じとろうとする。
エスには何一つとして不審な点は見当たらない。四つの光球は相変わらずエスを軸にして回っている。
じっと見ているとエスが口を開く。それに反応してくまが剣を構える。

(■_■)「こないのなら・・こちらから行こうか」

エスは、まるでラケットで何かを勢い良く打ち出すように手を振る。
すると、エスの周りに舞っている光球が一つ、くまに打ち出される。
それはくまに近付くにつれ─────。
ブーメランのような形にどんどんと変わる。

<;ヽ`∀´>「ッ!」

何か悪い予感がする。
あれには当たっては、防いではならない。
だがスピードはない。威力もなさそうだ。
サイドステップであっさりと避ける。
避けてから疑問に思う。何故当たってはならないと思ったんだ?
エスの周りを舞う光球は三つに減っている。
やはり、この武器の上限は四つだ。無限にあるタイプではない。
くまに当たりそこねた飛ぶ刃はそれこそブーメランのように大きく曲がり、エスに戻る。
そしてエスの光球は四つに戻る。
なるほど。仕組みがよく分かる。
まるでヨーヨーだ。この程度なら打ち破るのにはそれほど時間はかからないだろう。

<ヽ`∀´>「あれだけならな・・・」

そう。
エスにはテトラジャマーという絶対防御がある。
それを打ち破るには連発系の魔法タイプが必要だ。
パワー系にはちとキツい。
そう考えているとエスがまた刃を打ち出す。
今度は三つだ。
一つは真っ正面、一つは左から、一つは上から来ている。
まず正面の刃───サイドステップで避ける。
続いて上からの刃───後ろに躱す。
左から───伏せる。
うむ、美しい。
くまはそう自分に太鼓判を押す。そしてサッ、と立ち上がり、額に手を置き、キザポーズ。
だがそんなくまの美しさに嫉妬したように地中から突然刃が!

<;ヽ`∀´>「ぬおっ!?」

だが間一髪、刃はくまの頬に切り傷をつけただけ・・・
ではなかった。いや、外傷だけなら切り傷だけだ。
くまの、刃に当たってはならない、という予感は完全に当たっていた。
何か変な感覚。例えるなら満腹感が急に空腹感になった感じ。
確実に何かを掠め取られた。
エスの周りに舞う光球は相変わらず四・・・
いや違う。確かに数は四個だが一つ一つが充実している。
すぐに思い当たる、一つの魔術。圧倒的な地位を占める実用的で手軽な魔術。

<;ヽ`∀´>「その武器・・・ドレイン系の作用を持っているな・・・!」

吸収。相手の体力、魔力、果ては肉体、精神までをも吸収し、自分の糧とする魔術。
エスは黙して何も語らない。
だが自分に当たる前と当たった後ではあの光球四つのボリュームが全く違う。
吸収・・・ドレインの作用があるのは誰が見ても明らかだ。
掠っただけでだいぶ魔力は吸い取られた。だが・・・
これだけの量、たかが知れている。

<ヽ`∀´>「エスさんよぉ・・・俺はちと体の仕組みがおかしくてねぇ・・・」

おもむろにくまは語り出す。
おかしな、人では辿り着けないはずの話。
くまの左手は切られた頬に触れている。

<ヽ`∀´>「俺が傷を負ったり、魔力を失ったりするとだな、俺の意思に関係なく勝手に回復すんのよ」

くまはそっと左手を切られたはずの頬からどける。
傷は確かにある。だがほとんど治りかけている。

<ヽ`∀´>「や、これはだな、魔力なんて1ミリだって使ってねぇ、体の仕組みだ。」

くまは剣を構え直す。
無茶だ、と頭では誰かが叫んでいるがテトラジャマーをぶっ飛ばすくらいなら死に物狂いでやればいけるだろう。

<ヽ`∀´>「だからよう、少しくらい無茶しても死なねえんだよッ!」

玉砕覚悟、と宣言したようなもの。
くまは、まるで弓から放たれた矢のごとく弾けるように駆け出した。





タフさと回復力。そして身軽さとパワー。
どれをとっても天下一品だ。
英雄・・・いやあれは狂戦士だ。狂っている。
この鉄壁の防御をごり押しで突き破ろうとするなんて狂っている。
普通の人間ならあっさりと死ぬ。テトラジャマーのペナルティをモロに食らうとそうなる。
だが・・・

(;■_■)「(もしや・・・ブラフマーストラ中のテトラジャマーの弱体化に気付いたのか・・?)」

ブラフマーストラ中は、光球を一つ使わないとテトラジャマーは発動できない。
しかも威力は通常テトラジャマーの2/3。まぁ二つ光球を消費すれば通常時を超えるが。
このブラフマーストラと言う四つの光球を纏う武器はエスが師匠に教わったものだ。
その効果は三つある。
一つ目は、光球を消費することによって武器の類を具現化することができる。
その武器は光球の消費量によって質が変わり、一つならたかが知れている普通の武器だ。
だが、二つ、三つとなると、その武器自体になにかしらの魔術をかけることもできる。吸収や属性剣など。
四つ消費にもなると過去の時代に生きた武器を再現出来るほどになる。
だが四つ消費はリスクが伴う。
この光球はエスの魔力量全てを外に出したものであり、それが四つ消費、つまり全てなくなるとエスは指一本動かせなくなり、最悪死に至る。

二つ目は先ほど発動していた、刃を飛ばす使い方。
放たれた刃はある程度なら操作出来るが自由自在とまではいかない。
先ほど説明した武器の具現化と違い、放った光球は必ずブーメランのようにエスに戻る。
吸収、特に魔力吸収の効果がついており、吸収した魔力は四つの光球で等分される。
吸収した魔力量に比例して威力やスピードは高くなる。

三つ目は、慣れ親しんだ絶対防御、テトラジャマーの発動だ。
テトラジャマーを発動しても、光球は減らないし、光球の中の魔力量も減らない。
無限に発動が出来るが、その代わりに広範囲の防御が出来ず、先ほど述べたように威力は通常時に劣る。
が、光球を二つ三つ四つと使えばその二つのビハインドも消えることになる。

防御と攻撃を兼ね備えたブラフマーストラだが、大きな欠点がある。
なんと、術の行使者はほとんど動けない。
武器の具現化をして、光球が減れば少しづつ動けるようになるが、四つあるときはほとんど地面に縫い付けられた状態だ。

さて、どうするか。
向かってくるくまは、生半可な攻撃じゃ倒れないし、すぐに再生される。
無駄に光球を消費すればテトラジャマーが追いつかない。
武器を具現化したところで斬り合いでくまに勝てる気がしない。
過去の時代の武器を再現するのはリスクが大きすぎる。
と、なると。

(;■_■)「やっぱりこれか・・・。」

エスが出した答え───。
はぜる魔力の塊。四つが混ざり合い生み出される絶対防御───。

それは。
四つの光球をフルに使った禍々しいテトラジャマー─────。





これは死亡フラグってやつか・・・。
あの光球を変幻自在の武器、と表したが全くの別物だ。
あれはエス自身の魔力量全てをバッサリ四等分した塊だ。
生み出された、絶対防御と言うよりかはブラックホールに近い有名なテトラジャマーとやらの後ろにいるエスの周りにはもう光球は舞っていない。
そこから分かった。
全魔力を注ぎ込んだテトラジャマー、というわけか。
非常に言葉では表しにくいスケールのでかさだ。
ならこちらも・・・。
本気でテトラジャマーを正面からブチ破ろうじゃあないか。
聖剣グランドリオンに魔力を流し、強化。
体にも魔力を纏い、強化。
どちらも全魔力量の1/4ほどを使う。
残り魔力は半分。それを全て。
再生魔術に費やす。

<ヽ`∀´>「テトラジャマーの破壊と俺の再生・・・どちらが生き残るか勝負だな・・・」

くまはそう言い、テトラジャマーに突っ込んだ。





全力でテトラジャマーを発動したことは何回かある。
だいたい三倍くらいの防御効果が出るようになっている。
だが────
全力でテトラジャマーを発動させて、それに突っ込んだ“人”を見たことはない。
過去何回かの発動、全て大魔術を防ぐためだった。
防御魔術とは侵入者を全力で拒み、追い出そうとするもの。
通常のテトラジャマーに人が突っ込めば、弾き飛ばされる。
じゃあ全力のテトラジャマーは?

(;■_■)「体が引き千切れる・・・とかじゃないよな」

戦闘に集中していたが、自分は足止めを命ぜられただけだ。
まぁ・・・どうせ倒すのだからいいのだろうけど。

くまはどんどんと近寄って来る。その姿を見て、気付く。
彼もまた、魔力を全消費している。
体と剣には魔力を纏っているようだが、その量が多過ぎて青白く光っている。
そこでエスは悟る、本気でテトラジャマーに突っ込む気だと─────。
それだけで震えがする。
狂っている。イカれている。
くまは叫ぶ、いや、叫ばずにはいられないのだろう。

<#ヽ`∀´>「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

テトラジャマーに、くまの、体が、入る。
その瞬間、全てがくまを拒み、追い出そうとする。
結界魔術独特の凄まじい電撃がくまを包む。
くまが一歩足を進める。
すると、弾かれる衝撃に耐えきれなくなったのか、足がへんな方向に折れ曲がる。
それでも歩みを止めない。
一歩。足の肉が持って行かれて、白い骨が覗く。
また一歩。今度は肩の肉。
更に一歩。電撃の熱でくまの体は変色している。
それでも一歩、一歩進む。
進むたびにくまは体に致命傷を負っていく。
それと同時に────エスは恐怖した。
こんな───こんなやつとは戦いたくない。
体が震える。圧倒的な敗北。
逃げ出したい。
逃げ出したい・・・!
さらに一歩進むごとに早く死んでしまえと強く願う。
一歩。
まだ死なないのか。
一歩。
肉が持っていかれたところからは凄まじい出血。
一歩。
狂ってる・・・!!

そうして、くまはついに────。
テトラジャマーを押し切った───。

テトラジャマーの呪縛に打ち勝ったくまは、

<;ヽ`∀´>「俺の・・・勝ちだ!」

と宣言した。
何か───何かしないと。
声が出ない。
手が動かない。
いや、そうしたくなかっただけかもしれない。
完敗だ。
全力で闘って。
そして負けた。
何一つ。悔いは、残ってない。
大剣が────振るわれる。
死ぬ前に一言思ったことは─────

「この剣、無傷じゃないか。すごいな・・・」

という、ごくどうでもいいことだった。





痛む足、手、体、顔。
再生など当然、追いついていない。
だがそれでも業火に耐え。
そして退けた。
そして業火の向こう、敵の首を刈り取った────。
こいつは───強かった。
もう、自分、死ぬかもしれない。
美しくないなぁ。
こんなに体が痛くて。
笑えて来るほど醜い。

<;ヽ`∀´>「あは、ははは、はは、あぁっはっはっははははははははははは!!!」

甲高い声が響く。
頬の肉だって持っていかれてて笑うたび痛い。
それでも笑う。
心の底からおかしかった。

<ヽ`∀´>「あは、はははは、は」

ザシュ、と音がした。
最後に聞いたのはなにか柔らかくて重いものが地面に落ちる音と、自分の笑い声。





くまの心臓を狙うのはたやすかった。
そんなことよりもエスが・・・やられてしまった。

从 ゜∀从「戦争って・・・やっぱり虚しいな・・」

エスとくまが激突していた場所に近付く。
エスは首から先をバッサリと切られている。
エスが足止めしてくれたおかげで、要塞を沈めるほどの魔術の用意は出来た。
だがそれもエスの死体を見ていると無駄な努力に思えた。
後悔の念が込み上げる。
もしエスと二人でくまと闘っていたなら・・・結果は違ったかもしれない。
そんな、人が死ぬたびに考えたことを考える。

从 ゜∀从「何度やっても慣れないな・・・戦争には」

从 ゜∀从「ちくしょお・・・」

魔術の発動用意。
エスが足止めしてくれた分を無駄にはしない。
両腕を上にあげる。


从#゜∀从「ちっくしょおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

一気に両腕を下げる。
そして守備の奴等に向かっていく。
まず一人が切りかかって来る。だが。
矢に射抜かれる。

从 ゜∀从「雨だよ・・・」

戦場には。
矢の雨が降り出す。

从 ;∀从「雨が降ってんだよ馬鹿やろおぉぉぉぉ!!」

その雨はVIXの頬を濡らし。
その雨は人を貫き。
その雨は殺戮の中でVIXをまたも虚しい気持ちにさせた。





その後。
援軍が来た頃には完全にアルガリーでの戦闘は終わっていた。
結局VIXによってSOS団は一掃され、アルガリーはあっさりと制圧された。
このアルガリー戦、VIXの矢に貫かれた者はくま以外全員命を失うことはなかったらしい。
だが、幻想郷国は一人、貴重な人を失った。
絶対防御で名高く、沈黙こそ美徳とばかりに寡黙な人物。


エス、死亡。





第二十一話 完

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最終更新:2007年12月10日 18:57
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