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( ^ω^)がFHの世界に飛び込むようです 第二十四話 (終)

第二十四話 挟撃・後編


夢ムラの奇襲に続くように飛び出す下痢たち。
イミフが次に一撃、とどめで俺こと下痢が決める。
はずだったのだが・・・
飛び出した先は信じられない光景だった。
あまりのありえなさに呆れてしまった。
はは、こんなやつと今から戦うのか。・・・冗談じゃねぇよ・・・
足は地面とくっついているかのように動かない。いや、あまりの目の前の光景の異様さに動くことを忘れている。
・・・まさか、腕が体を貫通するなんて。
ファルフリートの腕は、夢でもなんでもなく、ごく当たり前のように平然と夢ムラの体を通過していた。
真っ直ぐに放たれた銃弾のような右ストレートは、その先に障害物があることを忘れたように伸び切った。
真に恐ろしいものは同時に美しい。
ファルフリートが腕を体から引き抜く。
夢ムラはドサッ、と魂を抜かれたように倒れこんだ。
ファルフリートはすぐこちらに気付く。イミフも俺と同じように飛び出した後、動いていない。
ファルフリートは腕に流れた血を手を洗った後のように切りながらこちらを見る。
そして、美味そうな獲物を見つけた獣のように、おぞましく笑う。
その笑いはまるで、

『ツギハオマエガコウナル・・・・』

圧倒的なイメージを脳裏に写す映写機のように。
反応などという言葉は一蹴されそうなスピードでふところに滑り込む獣。
いや、ふところに滑り込むというような生半可な問題ではない。
そのスピードのまま獣は俺の体を外側から内側へ、内側から外側へ引き裂き移動する。

(;@益@)「ひ────」

思わず、声が出た。
あまりにも圧倒的すぎるイメージ。敗北を確信させるには、あまりにも十分すぎる。
そして───俺は逃げた。
脱兎のごとく、とはこのこと。
とにかく、逃げるという状態に入るため動かない足、震える足をつねりあげ、逆方向に走った。
全神経を逃げるという状態に集中させた。
だが。

(♯゜∀゜)「逃すものか・・・・!」

唐突に、凄まじい力で後方から引っ張られる。
そしてそのまま万力の力によって宙を舞わされていたことが分かるのは、地面に勢いよく激突してからだった。

(;@益@)「ってぇ・・・」

仰向けの状態で寝転がった状態になる。
逃亡、失敗。頭を強く打ち付けた。
あー・・・と下痢は呟いた。無気力が体を支配していくのを心で感じる。
立ち上がろうという気すら起きない。
あんな奴に勝てるはずもない。怪物だ。鬼だ。
仰向けで地面に転がり見る夜の空は曇りで何も見えない。最後の風景としては最悪だ。
目を閉じる。ほら、目を閉じれば今までの思いでが走馬灯のように──────

見えなかった。かわりにまぶた越しに網膜を焼く強烈な光。
目を開けてはならないのはすぐに分かる。おそらく閃光弾だ。
投げたのは多分イミフ。ファルフリートの目をくらまし、その間に逃げようという算段だろう。GJと言わざるを得ない。
光はどんどんと輝きをなくしていく。
もう大丈夫だ、と確信できるほどになったとき、目を開けすぐに立ち上がり、あたりを見回す。
ファルフリートは近くで目を押さえているは・・・ず・・?
下痢の目に信じられない、いや、信じたくない光景が写る。
200mほど先、二人の人影。
一人が一人の体を持ち上げている。首を片手で持ってだ。
間違いない。イミフとファルフリート。
もちろん体を持ち上げられているのはイミフに他ならない。
そして、ビュウ、と風、ファルフリートは、空いている手の方を、もう片方の手に合わせるように、添え、

ぼきり。

響き渡る乾いた音。
ドサリと地面に落とされる残り滓。

ついに一人になってしまった。
絶望的にそれを感じた。圧倒的。あまりに最悪な立場を表す語ならほとんどで言い換えられるだろう、最悪な状況。
ああ・・・明日の朝日が見れるなら。
俺はきっと涙を流すだろう。





戦いはあっという間だった。
横たわるぐったりとした死体。赤く染め上げられた女。
たたずむ勝負の覇者。
タバコをふかし、勝利後の余韻を楽しんでいるようである。
一瞬だったが、面白い戦いだった。ゴクリと生唾を飲んでしまった。

(;´・ω・`)「いやしかし・・・いい戦いだったなとりにくよ」

(;・∀・)「だな・・・特に逆転したところは凄かったな、絶対負けると思ったのに」

するめを噛みつつそう答えるとりにく。
たった二分か三分の、実力がつりあっている者同士では短い戦いだった。
勝ち方はまさにハイリスクハイリターンを絵に描いたような劇的なもの。

(´・ω・`)「というわけで賭けは僕の勝ちだね。これで14勝7敗だ」

(;・∀・)「ああエプロンがどんどん遠ざかる・・・でもきっと!まだ勝負は巻き起こるはず!」

(´・ω・`)「もう実力が均衡した勝負はそうそう起こらないと思うが。それこそ勝負をひっくり返す回数は絶対ね。」

(;・∀・)「ポイント制でいくと18対10か・・・もうポイント高いほうに賭けるしか・・・」

(´・ω・`)「聞いてないな・・・」

('A`)「あの・・・お二人方」

突然の第三者の声。
予期しないものが訪れ、ここでびっくりしないのは名無しくらいなもの。
驚くとりにく。加えてここは木の上である。

(; ∀ )「ううおお!?うおわわわわわああああぁぁーーーーー・・・・」

びっくりしたまま木から落ちてゆくとりにく。

(´・ω・`)「あーあ。気付けよ・・・わざわざのぼって来てくれたのに悪いがちょっと降りるね」

('A`)「あ、はい」

名無しが木から飛び降り、それに続くように口裂けも飛び降りる。
着地すると同時に気付くのは地面にばらまかれたするめ。
どうやら木から落下したはずみで辺りに散乱したらしい。

(´・ω・`)「するめが・・・ナンテコッタイ」

(#・∀・)「俺の体の心配はしないの?」

後ろから声がし、振り向くと仰向けの魔術師。右足は木に立て掛ける形になっている。

(#´・ω・`)「うっせー!するめを返せー!」

どうもするめがお気に入りのようで。

(#・∀・)「そもそも口裂けだろ!いきなり出てくるな!」

(;'A`)「俺っすか!?」

(´・ω・`)「口裂け君はきっと何か用があったんだ!びっくりさせるつもりはなかったからつまりお前が悪い」

(#・∀・)「口裂け・・・何か用があるのか」

なんでこんなことで威圧を俺はかけられてるんだ・・・とうんざりしつつも口裂けは答えた。

('A`)「はぁ・・・まぁ些細なことですが」

( ・∀・)「なんだ」

と、その先を言えとばかりに威圧。どうも落とされたことを完全に根にもっているようだ。

('A`)「いや・・・お二方なんでここにいるのかなー・・と」

(´・ω・`)「ああ、そのことかい。理由なんぞ簡単簡単。」

名無しは1+1を答えるように、

(´・ω・`)「君達を見てるのが楽しいからさ」

と言った。
とりにくはもっともだというふうに頷いている。
・・・驚いた。
そんな道楽が好きだったんだなこの人達。
口裂けの印象では、この二人、根暗な卑怯者と汚らしいエプロンオタだった。
それが一瞬のうちに父性本能丸出しのツンデレと観戦が好きなエプロンオタになった。

('A`)「・・・ピンチになったら助けてくれます?」

一縷の望みを持ってそう言ってみる。いや、本当にいざというとき頼れる凸凹コンビにこのときは見えた。
が。

(´・ω・`)「やだ」

いじわるをするような口調で即答。
・・・まぁ、なんとなく分かってましたが。

('A`)「やっぱりですか・・・」

(´・ω・`)「ああ。それよりもお友達のほうはいいのかい?」

そう言われて気付く。
夢ムラ、イミフ、下痢。彼らもまた敵と戦ってるんだった。
今の自分は魔力が少ししか無いが、壁や囮くらいにはなるだろう。

('A`)「そうでした。ではっ!」

したっ、と手を挙げて、急いで去ろうとする口裂け。
まだ血がべっとりと付いている挙げた手を振ると、

( ・∀・)「待て、口裂け」

とりにくに呼び止められる。
とりにくは重々しく言葉を選びながら、

( ・∀・)「その・・名無しは助けないと言っているが、戦争に無関係なピンチなら俺は助けてやらんこともないぞ?
魔術の相談とかでも全然いい。・・・ってかむしろ相談に来てくれ。魔眼の研究させてくれ」

条件付きの協力を申し出た。
口裂けはその言葉に感謝しながら応えるための言葉を探す。
だが、好意にはこれで応えるしかない。

('A`)「・・・ありがとうございます。そのときが来たらよろしくお願いしますね。」

形式上だけかもしれない感謝の言葉。だがそれ以外にふさわしいものはない。

口裂けは、では、と小さく呟き仲間たちのもとへ走り出した。
・・・きっともう勝利しているだろう。
ファルフリートには感知の能力はない。
だから、先手を取れているだろうし、先手が決まれば十中八九勝てるはず。
そう、先手が決まればな────。
一抹の不安を抱きながら口裂けは道を急いだ。





汗が吹き出る。死の予感。
ゆっくりと近付く武道の神。
歩みを止めず、拳にメリケンサックをはめるファルフリート。
目は一点を見つめたまま揺らぎ無い。
その一点とは、つまり。
・・・冗談じゃない。
───それならば目覚めなければならない。
右の袖を捲る。
彼が武道にのみ長けた存在ならば。
こちらにだって理はある。それに賭けるしかない。
右腕に刻印が浮き上がり、右腕は灰と化す。
疑似的な暗黒。それを思わせる黒を右の腕に纏う。いや、右の腕を暗黒に捧げる。
暗黒から這い出す赤の刻印が自分達のしるしを残すよう暗黒を再び塗り替える。
────右腕の暗黒に浮かび上がる赤の幾何学的線条。

( ゜∀゜)「・・・地獄の炎か。・・・いいだろう、来い!」

構えるファルフリート。
地獄の炎は人を殺すほどの怨恨の塊。その塊と向き合い少しでも負い目を感じたならその身はたちまちに炎に包まれる。
だがそれも強固な精神で己を鍛えあげてきた者には寂しく揺れる蝋の上の灯と同義。
やはりこの程度なら跳ね返されてしまうんだろうな、と当然のように思う。
それでも────。
赤の刻印が一層とその輝きを増す。
右腕はとうに廃物だ。今更失っても所詮地獄を招き入れた忌まわしき腕。
刻印は光り輝く。下痢でさえ見たことがないほどに。
魔力が溜まっていく感覚だけを感じる。
刻印は燃え上がる。
右腕を覆う、炎龍。

( @益@)「受けてみろ───」

二人の友人を奪った敵を見据える。
憎むわけではない。怒りはない。自暴自棄にもなっていない。
どうせ、死ぬのだから。これくらいはしないと、気が済まない。
右腕を引き絞る。
狙いは一点、頭蓋に叩き込む。
右腕より自我に地獄が流れ込む。それは殺意だけを表す呪詛。
好都合だ。それならそれに流され、やつを憎もう。
夢ムラとイミフの無念を晴らす。殺した奴が憎い。この上なく憎い。
黒い感情に炎龍は刺激されたようにその姿を大仰なものに変える。
そして、その力に応えるように引き絞った右腕という矢が放たれる。
地獄は凝縮された形で放たれ、それに相対するは鋼の拳。
一直線に襲いかかる竜。赤黒く燃える炎。
それを、ファルフリートは。
まるで稲妻に正面から突っ込むかのように。
馬鹿正直なストレート。
ありったけに強化された右の拳。
だが純粋で真っ直ぐで正直だからこそ全てを粉砕しうる価値がある。
放たれた拳は炎に捕らえられる。拳からなだれ込むうんざりするほどの叫び。
だがそんなものは強固な精神の前には脳を掠める無意味な説教と同義。

そして一撃は。
呪いを完全に粉砕する。

・・・ざまぁねぇや。
全身全霊をかけた呪いはあっさりと粉砕された。
がくんと膝が落ちる。そのとき。声が聞こえた。
俺を地獄から引き上げる一本の糸のような声が────

「あら。あなた、もう少し根性があると私は思ってたけど?」

瞬間。
網膜を刺激する強烈な光。
肌を焼く高温の熱風。
最高密度のファイアーボール。
それが放たれたことが分かる。
そしてこの声。今ここにいてはならない存在。戦場に出てきてはならない存在。

*( ‘ ‘)*「レディーの背中を任せるわ、よろしいかしら?」

幻想郷国王、巫女。
戦場のルール───司令官は戦場に自ら出てきてはならない。
つねに安全なところで部下に指示を出さなければならない。

( @益@)「巫女・・・あんた、こんなとこに、」

そこで口を塞がれる。もごもご。

*(;‘ ‘)*「話は後よ。今はあの格闘マニアを倒すことのみ考えるべきよ」

巫女は上着のポケットに手を突っ込む。そこから鮮やかな色合いの宝石を一つ取り出す。ビー玉より少し大きいくらいだろうか。
ファルフリートがいたところはまだファイアーボールで燃えている。

*( ‘ ‘)*「エル・イル・フォレス・イタベダ・・・・」

巫女はおもむろに呪文詠唱を始める。このくだりの詠唱は下痢も知っている。
“変形”系統の魔術だ。
“錬金”と似て非なる魔術。
“変形”はその字のごとくもとあるものの形を変える。この場合もとあるものは魔力が通る物でないといけない。
“錬金”は何かと何かを混ぜて新しいものを生み出す、または分解する。

*( ‘ ‘)*「トル・イラ・ケルル・セクサフォン・・・」

詠唱はまだ続く。自らの内にある力を外の何かに影響、反映させるときの魔術の強さは詠唱の複雑さによるところが大きい。
魔力を外に出す、移すだけなら詠唱はいらない。強化などが代表だ。
魔力を変形、変化させて外に出すものはある程度の詠唱はいるが、ほとんどは精神力、魔力のコントロールでその力が変わる。
例外として構築式と長い詠唱がいるものもある。
新しい物質を産みだす錬金だ。

*(;‘ ‘)*「ウンド・ダー・グローブ・ホーゾッグ・デス・ヴァートラッグ・・・!」

変形の兆し。宝石の新部が構築されていく。そして旧部が改変されていく。
宝石は。鋭い、針になる。

*(;‘ ‘)*「ふうっ・・・」

一つ大きな溜め息。
するとまもなくあたりを包み込んだファイアーボールの火が消え去る。
そこから浮かび上がるファルフリートの影。
第二バトルの始まりが、合図もなく三人の目線で告げられる。

まず反射的に左右に横っ飛びをする。俺は左、巫女は右だ。
こういう近距離パワータイプの相手と戦うとき、二人なら相手を挟み撃ちにし、左右に振ったほうがいい。
とはいっても巫女と俺での共闘は初めてで息は合わない、俺だけで突っ込むとファルフリートに瞬殺。
それにさきほど地獄の炎を放ったおかげで体力、精神力ともにおそらく三割程度しかないだろう。
そうなれば・・・変形魔術を使ったといっても魔力が十分残ってるだろう巫女に合わせるべきだ。
巫女は何らかを相手に仕掛けるだろう。
その先手に合わせるしか今は考えられない。
ちら、と様子をみるため巫女に目をうつす。
目に映るのは巫女が襲われる瞬間。

(;@益@)「な────、」

ハッ、と息をのむ。
言い様もないおぞましい寒気、奴に殺された友人たちが目に浮かんだ。





さて───正直あのタイプに関して、私は距離をとる必要性を感じない。
1mでもなんでも、むしろそのくらいが私にとってもいい。
そもそもここに来たのも─────。



戦況は五分五分────。
今日14回目の定時報告の内容は前回、前々回、そのまた前回も同じことを伝えていた。
こうなるとイライラする。
領土争いは佳境に入り飽和状態だ。
これ以上続くと国庫も尽きてしまうかも────、

『消ーえるひこーき雲ー♪僕たちは・・・』

静寂を亡き者にする携帯の着信音。
すぐさま手に取って、電話に出る。

('A`)「あー・・・俺だ。口裂けです。」

・・・外に出てたのかこいつ・・・。あとディスプレイに名前出るから名乗るのは必要ないぞ。

*(;‘ ‘)*「あんた・・・いつの間に外に。声くらいかけて行きなさいよ」

(;'A`)「いやすまんすまんwあの時は迷惑かけないほうがいいかなと・・・」

*( ‘ ‘)*「変なところで気を使うのね。で?予定どおりに今からそっちに行けばいいのね?」

('A`)「うん。今パレスだ。」

*( ‘ ‘)*「はいはい、分かりました。じゃあ行くわね」

('A`)「頼むよ。・・・じゃあな」

ブツリ、と電話が切れる。
すでに外に出る準備は出来ている。
私は、電話を机に置くと、すぐさま部屋を飛び出した。



この状況は決まっていた。
口裂けはシャナを倒し、私がファルフリートを倒す。
────まぁ、夢ムラとイミフは残念ながら尊い犠牲になってしまったが。

ファルフリートの戦闘対称は、当然私になる。
下痢がくたばりかけ、という優先順位からしてもそうなるのは必須。だがあれは動き、壊すことが快楽になる単純すきる獣。
新しい玩具を壊そうとするのは至極当たり前のこと。
ファルフリートは機械的に私に歩み寄る。一歩二歩、瞬く間に距離は近付く。
メリケンサックをつけた右拳。強化されていることが当たり前の魔力に馴染んだ拳。
その拳で私は打ち砕かれるのだろう。おそらくは逃げても避けきれない、迎撃も不可能。
ファルフリートの射程距離に自らのか細い体が入る。そして視認できない閃光のような一突き。
────そう。あれが壊すことを生業とするのなら。
自分は、壊される瞬間の爆発の輝き。窮鼠猫をかむということわざの具現化。

頭蓋に全て壊す、拳が入る、その刹那。

「────エンシャントカース」

一瞬を捉える一瞬がそれをバネにして流動する。
一瞬に感じられる永遠。一つの結果を全て壊すには十分。
ゆっくりと、拳は空を切る。
麗しき美顔の横、民を背負う肩の上。

(;゜∀゜)「なァッッ!?」

───間髪入れず。
右腕の中枢に突き刺さる終末を告げる変形された宝石。

*( ‘ ‘)*「───セット。放出。」

言い終わると同時にファルフリートの腕に現れる一つの小さな光の点。
その点はどんどんと光を伸ばしファルフリートの腕を覆い尽くす。
それは種から出て来た芽が成長し、長くなったツタが周りを蹂躙するのとよく似ている。

(;゜∀゜)「グ・・・」

ファルフリートは右腕を抱え込むようにして後退りする。
光のツタは腕を覆い尽くした後。花開き、一瞬の輝きを見せて全て消えた。
何事もなかったかのように。
だがファルフリートはしっかりと感じ取っていた。
腕を覆うツタに右腕を空っぽにされたことを。

目前には相手国の国王。顔はよく手入れされた工芸品を思わせるような美しい女のもの。女が王だとは笑わせる。

────女に負けただなんて、笑わせる。

右腕が灰になって崩れゆく。
もともとこれは俺の装備品、その刃が折られただけのこと。
右の腕の袖口から腕だったものが塵芥になり風に流れて行く。
悲しみはない。あるのは清々しいまでの敗北感と、脳内に写し出される『ふりだしに戻る』の画像。

*( ‘ ‘)*「まだ、・・・続ける?」

敵からの言葉。
まるで大丈夫?と聞いているみたいだ。
もちろん答えは決まっている。自慢の武器を打ち破られ、裸同然なのに続けるはずがない。

( ゜∀゜)「・・・いや、完全に負けたよ。この街は好きにするといい」

身を翻す。今は何も詰まってない右袖がハタハタと風になびく。

(;゜∀゜)「あー、でも最後に一つ。どうやって右ストレート避けて俺の右に攻撃したんだ?
気付いたら右腕がめちゃくちゃ輝いてたんだけど」

背中越しに問い掛ける。
その不可思議な現象の説明はすぐにされた。

*( ‘ ‘)*「光は宝石による魔力放出だわ。避けたのはカウンター魔術。
相手の一撃で致命傷になりうる物理攻撃に反応して、避けた結果の並行世界とこの世界の自分をすり替えるものよ」

おお、なんというファンタジー。最後に美しいねーちゃんは、

*( ‘ ‘)*「全体に魔力を通しやすい義手をはめてるからそうなるのよ。次に創る義手は相手の魔力干渉を遮れるように工夫しなさい。」

という、助言を残してくれた。
やはりこのねーちゃんは俺の武器を見破っていたわけである。





その後パレスは幻想郷国にあっさりと制圧される。
パレス戦による死者は2人。
うち、一人は無所属、一人はSOS団。
行方不明は一人。パレスの街の人からは右腕がない見知らぬ男が山の方に歩いていったという目撃情報が聞けている。





強い日差しで目を覚ます。
朝日が眩しすぎて何も考えられない。脳裏によぎるのは漠然とした勝利の記憶。
前後不覚。
今のブーンの状態を表すにもっともふさわしい言葉だ。
それにしても本当に朝日が眩しい。何故こんなにも───眩しいのだろうか。
眩しさに目を細め視線を下へ落とす。そのままブーンは意識がはっきりするまでぼーっとすることにした。
意識がゆっくりと頭を起こしてきたころ、足音が聞こえ、人影がブーンを覆う。
当然、誰なのかと疑問に思い上を見上げる。
逆行で顔があまり見えない。だけど、この人は、たしか。

( ^ω^)「秋葉・・・さん?」

そうだ。敵国の国民、秋葉だ。

川 ゜ -゜)「・・・」

秋葉は黙ったまま。そして結局何も喋ることなく去ってしまう。

( ^ω^)「・・・・?」

いや。実のところは言葉を放っていたのだ。
去り際に一言。

川 ゜ -゜)「楽しみだ・・・」

と、顔をほころばせて。
秋葉が遮っていた朝日が、再びブーンに降り注ぐ。
それは始まりを告げる鐘であり。
毎日を始めるために必要な光なのである。

( ^ω^)「・・・よし」

ブーンは一声あげ、立ち上がる。
朝日を仰ぎ見て、腕を千切れんばかりに広げ。
走る。

⊂二二二( ^ω^)ニニ⊃「ブーーーーン!!」

ブーンの影が、どこまでもどこまでも、長く長く続いていた。





第二十四話 完

そして打ち切り







(´・ω・`)「やぁ。これでこの小説はひとまず終わり。
やっぱり今新しくやってる新小説みたいな設定の方がよかったかね。こっちの設定はいささか無理があったよね。
楽しみにしてた人打ち切ってごめんなさい。まぁおそらくはいないと思いますがね。
ではな、みんな。小説も書き終わったしもうFHにいくことはないな。
最後に一言、ルイズは俺の嫁」



~END~

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最終更新:2008年03月13日 19:03
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