天下一編第一話 抽選
天下一本選当日。
開催場所の竜の首コロシアムには早朝から長蛇の列が出来ていた。
(;^ω^)「緊張するお・・・」
そんな会場を遠目に見る、いくらかの武器を担いだ、本選出場者・ブーン。
まだ朝の八時だと言うのに十時開放のゲートには大量の人がいた。
( ^ω^)「ふぅ・・・えっと、確か出場者入口は12番ゲート・・・ん?」
歩き出そうとするブーンの足に何かがぶつかる。慌てて下に目線を動かすと、
そこには目を爛々と輝かせた小学生くらいの子供が。
子供「あっ、あの!ブーン選手ですよね!」
( ^ω^)「フッ・・・そうだが、なんだい?坊ちゃん?おっと、サインならおこt」
子供「すげぇピザだwwwwうぇっwwwwwwwきめぇwwwうんこみたいwwwwwwwwwwww口が金玉wwww」
( ^ω^)「・・・」
そのあともブーンはおにゃのことかファンに話しかけられることもなく平然と会場入りが出来た。
ただ目から出る汗はびっくりするぐらい出ていた。
“選手控え室”
そう書かれたドアに辿り着く。本選出場者に送られる連絡にはここで待て、と明記してある。
( ^ω^)「ふぅ・・・緊張するお・・・」
ブーンは一呼吸おいてからドアを開いた。
中は結構広く、真ん中に長テーブルが二個置いてあり、その先にホワイトボードが置いてある部屋だ。
ブーンが入ってきたドアの向かい側に両開きのドアがある。この向こうがスタジアムだ。
そして椅子に掛け、朝飯らしきものを食べている人が一人。
幸いにもブーンの知ってる人間だった。
*( ‘ ‘)*「あら、ブーン君。久しぶりー。元気にしてた?」
( ^ω^)「もう元気モリモリですお!そういう巫女様は?」
ブーンはそういいながらテーブルに持ってきた武器をその入れ物と一緒に置いた。
*( ‘ ‘)*「私は・・・どうでしょうね。悪くないわ。」
と言いながらサラダを物憂げにつっつく巫女。
*( ‘ ‘)*「ま、お互い頑張りましょう。」
( ^ω^)「もちろんですお!負けても恨みっ子なしですお!」
そしてあとからあとから本選出場者がどんどんと会場入りする。
そして最後は・・・口裂けだった。
(;^ω^)「・・・」
しかしブーンは一瞬口裂けの事が分からなかった。なぜなら・・・
( ^ω^)「口・・裂け・・?なんで目に包帯してるんですかお?前見えないお・・・」
(=A=)(包帯してると思って下さい)「ん?あー・・・」
おもむろに口裂けは包帯の合間から片目を見せる。
そこにいびつな、輝きを見る。
(=A`)「わかんだろ・・・もう抑えきれねーんだ」
何か。見ていると内蔵を抉り出されそうな圧迫感。
八つ裂きにされる嗜虐感。
口裂けは包帯を目に巻きなおす。
するとブーンは一気に体が超低温から常温に戻ったような感覚になった。
(=A=)「俺の魔眼は生まれつきのものでな・・・魔眼持ちはいずれ魔眼を抑えこめなくなる運命にある。
まぁ・・・ゆっくり進行していく病気みたいなもんさ」
(;^ω^)「そ、そうですかお・・・」
男「みなさん、集まりましたね!」
口裂けと会話をしていると急に男の声が聞こえた。
声のしたほうに振り返ると、スーツを着た男がドアを開けて立っていた。手には何やら紙を持っている。
男「えー、みなさん、適当に椅子に掛けてください。」
男はよくとおる高い声でそう言いつつ机の先のホワイトボートまで歩いた。
男は次に出席をとり、全員が集まっていることを確認すると、改まって、
(* `ω`)「私、今回実況を勤めさせていただきます、NNPOです。よろしくお願いします。」
と言ったので全員がとりあえず目線で承諾の意を伝える。
( ・∀・)「抽選マダー?」
(* `ω`)「ああ、それについてはもうすぐです。しばらくお待ちを。」
時計を確認すると午前9時を回ったところだった。
実況の兄ちゃんを見てみるとなんだか落ち着かないらしくそわそわしていた。
いや、実際はみんながそれを見ているからそわそわしているのだが・・・
実況のNNPOさんはしばらくすると口を開いた。
(* `ω`)「ええー、抽選までもうちょっと時間があるようなので試合の諸注意を私からお話しましょう。」
(* `ω`)「まず基本的に武器、防具はなんでもありですが、試合中の付け替えは禁止です。
ただ、時空間魔術や空間魔術によって呼び出した装備に付け替えるのはアリです。
そこに秋葉さんといういい手本がいますね。もう王の財宝ならバンバン使っておkです」
秋葉は黙ったままで頷く。
秋葉の王の財宝は自らの倉庫のようなものを呼び出す武器だ。ありとあらゆる剣を矢のように無数に打ち出す姿は有名だ。
(* `ω`)「よって、武器防具は各一つしか試合に持ち込めません。
ただ特例として手裏剣、クナイなどの飛び道具は特殊な魔術効果などがない限り検閲の目を経て使用が可能です。」
(* `ω`)「二刀流を使う人もいますが、その人には、厳格な検査の後、我々が判断します。
もっとも・・・二刀流はアーチャーさんしかいませんね。」
(=゜ω゜)「ん?いや、俺は魔術の投影と呼ばれる技術で剣を生み出すんだが・・・だから武器なんか持ってないから検閲とか無理だぞ?」
(*;`ω`)「そ、そうですか!すいません・・・それなら秋葉さんの王の財宝と同じ扱いです。はい・・・」
NNPOさんは一呼吸おいてまた話を始めだす。
(* `ω`)「まぁつまり試合に持っていける武器は一つだけです。武器が壊されたりしても替えなどない状態です。
ただ武器を試合中外して素手になることはおkです。武器の使用用途は問いません。」
(* `ω`)「装備品についてですが基本的に指輪、ネックレス、イヤリングなどの装飾品は試合に持っていけるのは検閲でOKを貰った一つだけです。
これは武器の場合と違い、いかなる魔術を使って召喚、口寄せしようとその時点で失格です。
宝石なども同様です。」
(* `ω`)「魔術は基本的になんでもありですが地脈を使うものだけは安全の都合上不可能です。
観客から魔力を吸い上げようとしても無理です。またそれをしたとみなされた瞬間失格になります。
大気に潜んでいるマナも試合ごとに回復させますのでそういう戦い方をする人は遠慮なくどんどんと。」
(* `ω`)「最後に勝利条件ですが、場外はなし、どちらかが降参、10カウント取られる、または私たちが試合続行は不可とみたら止めて勝者が決まります。
死体の残らない殺害は禁止です。したら失格が決まります。
あと首切りも禁止です。首の骨も禁止です。つまりこれに触れない場合は殺しOKです。分かりましたね?」
死体の残らない、でとりにく、首切り、で名無し、首の骨、でファルフリートが険しい顔つきになった。
ブーンはある程度までなら人体は蘇生することをどこかの本で見たのを思い出した。
ただ、完全に蘇生が出来なくなる点として首と胸があるらしい。
神経の集合点、人体の基点がなくなると蘇生は困難を極める。多分そういうことを考慮してのルールだろう。
そこでとりあえずルールの説明は終わった。そしてまもなく係員が続々と部屋に入ってきて抽選を始めることになった。
抽選箱が机の上に置かれ、あいうえお順にどんどんと名前が呼ばれ、みんなクジを引いていく。
(=゜ω゜)「2番」
川 ゜ -゜)「5番」
从 ゜∀从「はっちばぁ~ん」
(;=A=)「ろ・・・くばん・・・秋葉と・・・死んだ」
( @釜@)「13番」
(^p^)(←オリム様です)「10!」
( ゜Д゜)「3番」
( ・∀・)「14番」
( ´・ω・)「16番」
*( ‘ ‘)*「7番」
(`・ω・´)「1!」
( ゜∀゜)「11番」
( ^ω^)「15番ですお!」
( ´∀`)「4だよー。」
ミ,,゜Д゜彡「9だ。」
( *゜ー゜)「12なの」
そしてトーナメント表が出来上がる。その結果は・・・。
(* `ω`)「さぁーやってまいりました天下一武道会!実況は私NNPOと!」
(´ー`)「VIP先生です。よろしくおながいしますぅ」
(* `ω`)「さぁ!まずは今日!ここで行われる試合順序を熱い実況と共にお届!
第一試合!最強の騎士VIP VS 無限の剣製アーチャー!
第二試合!炎の漢TODOROKI VS 魔術師みかん!
第三試合!ナイチチでカレーのアイコン秋葉 VS 現代に蘇りし魔眼口裂け!
第四試合!姉御弓道ヴィックス VS セクシー国王巫女様!
第五試合!建国王夢ムラ VS 影の覇者オリム!
第六試合!武道の申し子ファルフリート VS 撲殺天使リップルラップル!
第七試合!卑猥属性下痢 VS 魔術師一位とりにく!
第八試合!孤高のアサシン名無し VS 光速の飛行者ブーン!
以上、厳しい予選を勝ち抜いた16名です!」
僕たちは大きなビジョンに映し出される各選手の顔などをみていた。
今からこの大きな会場で試合をする。
会場は円形で上を見上げるとどこまでも果てしなく続く青がある。
円の半径は40~50mくらいだろうか。結構デカい。
障害物や遮蔽物として木が密集している場所があったり岩があったり。地面も草が生えていたり土が見えてたりいろいろだ。
(* `ω`)「VIP先生。今回の天下一、どこに注目すべきでしょうか。」
(´ー`)「やはり第六試合、ファルフリートとリップルラップルでしょうかね。この二人が激突するとなるとかなり面白いと思います。
次点に第八試合、名無しとブーンでしょうかね。」
(* `ω`)「名無しとブーン?私は完全ノーマークでしたが・・・なぜですか?」
(´ー`)「あの二人、師匠と弟子の関係です。まさか一戦目で戦うことになるとは・・・」
(* `ω`)「これは・・・!熱い!第八試合にも期待です!」
スタジアム内に響くどこかからの声。
そう・・・自分と名無しさんが戦うことになる。
勝てるのか。
答えを求めて視線をスタンバイしてる選手たちに移す。
名無しさんはどこか遠くを見ている。その横顔を見るだけで彼の存在の大きさを感じさせられる。
(´・ω・`)「気負うことはないよ、ブーン」
(;^ω^)「!?な、なんですかお急に・・・」
名無しはどこか遠くを見ながら視線をブーンにやることもなく言葉を続けた。
(´・ω・`)「師匠、なんて考えすぎることはない。重要なことはベストを尽くすことだ。どんな時だってそうさ」
そして名無しは僕を真っ直ぐ見てこういった。
(´・ω・`)「だから僕は全力で君に勝つよ。遠慮はしない」
( ^ω^)「・・・」
気付いてなかった。
自らの師匠はこんなにも熱い男だった。全力で生きる男だった。
だが今なら届く気がした。
あまりに高かった壁に。越えられないかと思った壁に。
気付けば対名無し戦に向けて対策をたて、軽めの装備をしている自分がいた。
名無しの攻撃は単調だが速い。それらを丁寧に防げば必ず一撃のチャンスはある。
( ^ω^)「・・・名無しさん」
(´・ω・`)「ん」
( ^ω^)「下克上、って言葉知ってますかお?」
名無しはそれを聞いて、苦笑いをする。そして、
(´・ω・`)「上等だ」
と言った。
そして実況が鳴り響く。
(* `ω`)「レディースアーンドジェントルメーン!お待たせしました!
今!ここに!天下一武道会が開催されます!まず第一試合!VIP!VS、アーチャーだぁぁぁ!!」
観客が一気に沸き上がる。その中で二人は火花を散らしあう。
(=゜ω゜)「さて、勝つか」
(`・ω・´)「フッ、こちらのセリフだ。」
二人の騎士が聖なる戦いの場へと歩き出していった。
天下一武道会編 第一話 完
最終更新:2008年02月14日 16:15