第二話 剣と薔薇
真上から照り付ける太陽。
今は昼の12時ほぼジャスト、外壁が高く影が出来やすい構造のここも今はまったくと言っていいほど影がない。
その下で二人の騎士が睨み合う。
対称的な青と赤の騎士。
(=゜ω゜)「負ける気がしねぇ」
(`・ω・´)「ははっ、こっちのセリフだな」
アーチャーは空手、VIPは手に両刃の西洋風の剣を持っている。
(* `ω`)「さぁー!みなさん長らくお待たせいたしました!今!第一試合が始まります!
なおこの試合に審判はおりませんが違反行為に反応する呪いが各選手にかけられてますのでご安心を。
また観客席には結界を張っておりますからあなたがたの身の安全は確保されております。
それでは・・・・・・第一試合!はじめ!」
ガァーン、とどこかから盛大なドラの音が響くとともにVIPは切りかかった。
だがその攻撃はあっさりと防がれる。
(=゜ω゜)「そう・・・あせんなよ・・・!相手ならしてやる・・・!」
アーチャーの両手にはいつの間にか双剣が握られていた。
これが彼特有の魔術、投影。
魔力からコピー品を作り出す技法である。
そこから激しい剣戟が始まる。
そのいずれもVIPが当たり、アーチャーが防ぐ、という形だった。
(;`・ω・´)「ほらほら!バテてきたんじゃないか?」
(=゜ω゜)「どっ・・・ちが!」
剣と剣がぶつかり合う音が響く。
観客は騒ぎ、「そこだ!」などと言う。
二人の攻防はほぼ互角。そこに一瞬の隙もない。
だがブーンには、二人が探りあっているように見えた。
今の位置関係は?使える魔術は?打開策は?敵に弱点やクセはあるか?
いわばウォーミングアップ。様子見の段階。
(=゜ω゜)「ラチがあかねぇな・・・よし!」
一際大きな、剣が弾かれる音。VIPが少し後退する。
その瞬間にアーチャーは大きく距離をとり、持っていた双剣をVIPへと投げつけ、さらにもう一組を投影し投げつけた。
それらは全て何か義務づけられたかのようにVIPへと一直線に向かう。
(`・ω・´)「ク・・ちょこざいな!」
VIPが自分に向かってきた剣を全て叩き落とす。
その瞬間にはもうアーチャーは弓を構えていた。
一番高い木の上にのぼり、そこから弓を構えるアーチャー。
VIPがそれに気付いた瞬間にはもう矢は放たれていた。
一直線に向かう矢。
それは地面に衝突する前に、轟音を響かせて爆発する。
(;`・ω・´)「ク・・・!」
間に合わない。
それだけは確定的。
VIPは爆発に巻き込まれ、上も下も分からないほど転げ回された。
(;`・ω・´)「クッ・・・ソ・・・宝具破壊か。模造品だからこそ出来ることだな・・・あれだけの魔力の塊を平然と生み出すアイツにも驚きだが」
偶然にも岩の近くに飛ばされ、一度隠れる。
ハァハァと荒い息。
受けたキズの回復にはそんな時間はかからない。ただの擦り傷、切り傷しかなく壊滅的なダメージはない。
手に持っている剣、封印の剣を掠らせれば勝てるはずだったのだが、相手の力量を舐めていた。
まさかあれほどまで手強い敵だったとは。封印など楽な手は考えずに真面目にやれば良かった・・・
キズが完全に治り立ち上がる自分の位置を確認し、アーチャーとの位置関係を探る。
アーチャーは木がある場所からほとんど動いていない。これなら、すぐに攻撃を開始することが出来る。
そう思い走り出した途端、足裏に妙な違和感を感じる。
些細な違和感でも無視せぬべきだ。この世にはどんな魔術が存在しているか分からない。
そう思い、すぐに立ち止まる。
だが、すぐにそうしたことを後悔した。
風景がアーチャーを中心に変わっていく。
その風景は、まるでアーチャー自身のようだ。
荒野の上、幾多もの屍を築き上げ、強い信念を持つ男の幻想が見える。
荒野には無限と思えるほど果てしない数の剣。
(=゜ω゜)「我が剣製の世界にようこそ。」
固有結界・無限の剣製。
発動条件が厳しく、アーチャー自身も多用しない技だった。これを見るのはVIPは初めてだった。
迂闊だった。これを発動させたアーチャーは無敵に近い。
キズの再生などやっている場合ではなかったのだ。
(=゜ω゜)「さて、ついて来れるか?」
(;`・ω・´)「クッ・・・」
次の瞬間、無数の剣がVIPを襲った。
(* `ω`)「勝者!アーチャー!」
ワアアアア、と歓声。
改めてあの剣製の世界の恐ろしさを知る。
その世界の主は勝利に酔い、戦場をあとにする。
あの世界が出来上がったあと、VIPは防戦一方となり、ついには串刺しになった。
(=゜ω゜)「いやー、強かった・・・」
会場の選手が出て来るゲートに引っ込みつつ嘆息を漏らすアーチャー。
ここからはよく試合が見える。出場者のほとんどがここでスタンバイしている。
( ^ω^)「やはりあの最初の攻防、防御に出てたのはわざとじゃないのかお?」
両方の壁に備え付けられたベンチに座ったアーチャーにそう聞く。追うようにブーンも座る。
(=゜ω゜)「お、分かってんじゃん。そのとおりだよ。むちゃくちゃ辛かったぜあの時。剣を強化してなかったら今ごろご臨終だったな。一撃一撃が速くて、重かった」
( ^ω^)「しかもあれは封印の剣だったお!」
(=゜ω゜)「知ってるよwwww俺は投影が武器だから剣の種類は全部覚えてるし、創れる」
と、そこまで言ったところで実況の兄ちゃんが割り込んでくる。
(* `ω`)「まさにグゥレイトォ!!な戦い!だが天下一はまだ始まったばかり!
お次は第二試合!みかん VS 轟!!」
(=゜ω゜)「お、次の戦いか。やべっ、ポーション早くもらってこ」
すぐに走り出すアーチャー。
この天下一では公正に試合を行うため、勝者には回復用のポーションなどが配付されるらしい。
( ^ω^)「それはそうと、試合見るお!みかんさん頑張って!」
ブーンはすぐそこにいたみかんに声をかける。
みかんは小さかったが、ひき締まった声で「・・・はい。」と言った。
*( ‘ ‘)*「あれ?轟は?」
( ・∀・)「そういえばいないな・・・」
試合場にここから出て行くのはみかんだけだった。
(*;`ω`)「あれ?あれー!?なんと!轟さんがいません!」
(;´ー`)「これはハプニングですね・・・」
ざわざわとなる会場。
みかんは少し困った顔をしている。
「試合はまだかー!!」
「轟様はーー??」
「早くしろスタッフー!!」
野次の飛ぶ会場。
(=゜ω゜)「おい、今から痛いことが起こるからよく見とけwwwww」
後ろから帰ってきたアーチャーがそう言う。
( ^ω^)「?? どういうことかお?」
(=゜ω゜)「いや、さっき轟を見たんだがな、空間移動の座標を念入りに組み立てて・・・まぁ見てなってwww」
疑問に思いつつ会場に目を戻すブーン。
と、次の瞬間!
「てめーら!そんなに俺が出てくるのが待ち遠しいかーー!!いいだろう!お望みどおり・・・」
突然場内に響き渡る大音量の声。間違いない、轟のものだ。
アーチャーは笑いを必死で堪えている。
突然、会場の轟が立つであろう場所に凄まじい火の手があがる。
その火はあかあかと燃え上がる。まさか・・・
( ゜Д゜)「ハーハッハッハッ!轟様剣参!」
火が急に消え、中から轟が近年まれに見るジョジョ立ちで現れる。
口には薔薇を咥えている。
轟はその薔薇を取って、口をキラリと光らせ、薔薇を投げると薔薇は燃え上がり、灰になって風にさらわれた。
「キャー、轟様ーー!!///」
「カッコいいー!」
「結婚して轟様ーー!!」
( ゜Д゜)「ハッハッハッ、マイスウィートハニー達よ、この試合で・・・いや、このトーナメントを制してからたっぷり相手してあげるよ。」
「「「キャー!!轟様ぁーー!/////」」」
・・・正直騒いでいるのは轟ファンクラブと轟だけである。
他の人はほとんど呆気にとられた表情をしている。
いや、ブーンの後ろのお方は死ぬんじゃないかというくらい笑っているが。
(*;`ω`)「え・・・と。それでは第二試合っ、始めっ!」
ガァーン、とドラの音が響き渡る。
睨み合う二人。
( ゜Д゜)「さて、さっさと終わらすかなぁ・・・」
轟はいつの間に持っていたのか、日本刀を構える。
みかんは、何やら棒に大きな鈴がたくさん付いたものを持っている。
( ^ω^)「なんだおあのみかんさんの武器?あんなんじゃ戦えないお・・・」
( *゜ー゜)「見ておくといいのブーン君。あの子の戦い方は珍しいから」
みかんが棒を振り、鈴をならす。シャン、と澄み渡った音が響き渡る。
( ・∀・)「でもエンターテイメント性は皆無だよなぁ。なんつっても、幻術だし。」
( ^ω^)「幻術?」
( ・∀・)「そう、幻術。彼女の場合、視覚と聴覚で相手を幻術にかける。」
( *゜ー゜)「鈴の揺れる動きで視覚、鈴の音で聴覚なの。見てなくても音でかかるからねぇ・・・」
( ・∀・)「いかに幻術を打ち破るかだね。一度かかった幻術にはそう簡単にかからない。」
( *゜ー゜)「轟もかかる気マンマンなの、最初からそうするつもりだったんでしょうね・・・」
シャン、と鈴の音と揺れる鈴。
幻術とは脳内で行われる肉体が干渉しない脳内世界である。
幻術の内容はかけられる者がもっとも望んでいることか、もっとも苦痛に思うことが行われる。
どちらにかかるか、それを術の行使者が決められる。
望んでいることになった場合、かかったものは大抵の場合何分もの間動くことは出来ない。
なぜなら、その行われる幻術の中で、術をかけられたものが何時間も遊んでいるからである。
苦痛なことになった場合、ほぼ現実では一瞬の時間で幻術が終わる。
だが、幻術内で受けたダメージは肉体に反映されないとは言え、精神的に体力を消耗する。
だが、これらに抵抗が出来る者が少なからずはいる。
強靱な精神を持つ者は幻術をうち破るらしい。
だが望んでいることが行われる場合、かなり辛い。
脳はその場合都合のいいことしか記憶しないからだ。
辛いことは全て忘れる。戦っていることすらも忘れて、現実で自分が死んだことにも気付かない。
心を亡くすと書いて忘れる。亡くした心を見つけ出せば、気付けば轟の勝ちは決まるだろう。
( ゜Д゜)「う、うーん・・・あれ?」
自分の部屋だ。自分の部屋のベットに横たわっていた
生活感溢れる、男の部屋。
( ゜Д゜)「寝てたのか・・・よだれ・・・」
口元に垂れていたよだれを拭う。
ベットから出て、お茶を飲む。口が渇いていて何か飲まないと死にそうだった。
( ゜Д゜)「俺いつから寝てたんだ?分からん・・・」
何か引っ掛かる。何かが心に引っ掛かる。
( ゜Д゜)「んー・・・何か買い物でも忘れたかな・・・まぁいいか・・・」
と、そのときチャイムが鳴る。誰だろう、と思ってドアを開けると。
ξ ゜ー゜)ξ「うふふ♪来ちゃった・・・」
( ゜Д゜)「シャナ・・・。まぁいいよあがって」
おじゃましまーす、と言ってシャナは上がり込む。
デニムのミニスカートに胸が強調されたシャツ。
奥底からわき出る、犯したくなる衝動。
どうかしてる。
そう笑い飛ばす。何かおかしい。俺がこう思うのもおかしい。
シャナは俺の・・・───、
俺の、・・・何だっけ?
ξ ゜⊿゜)ξ「何ぼーっとしてるの?」
( ゜Д゜)「ん、ああ、いや、何でもないよ・・・」
ξ ゜ー゜)ξ「ふーん、そう・・・」
あまりに愛らしすぎる顔立ち。
彼女を犯していいのは自分だけ。
どこかどこか、遠く遠い場所から声が聞こえた気がした。
シャナは俺の方を見ないで言葉を紡ぐ。
ξ //////)ξ「ねぇ、・・・しよう・・よ?えっちなこと・・・」
その言葉を聞いた時。
たしかに、ぬかるみに踏み出したときのような感触がしたのに。
天下一武道会編 第二話 完
来週はちょっと描写的にキツいかもしれん。未成年的に考えて。
だが男のもっとも望んでいることとかこれ以外ねーだろwwwwwww
最終更新:2008年02月17日 08:38