魔王編 第二話 発見
VIPたちは長い距離を歩き、目指していた大穴にたどり着いた。
それに少なからず驚くメンバーたち。それに構わずVIPはどんどんと穴の中に足を踏み入れていった。
前回にはなかった、明りを付けて、穴の中を進む。
壁にはところどころにある金の光沢とそれに彫られた見たこともない文字。
神秘の中をひたすら進む。
やがて、地上の水源になっているはずの湖にたどり着いた。
( ゜Д゜)「逆行する水、か・・・」
(;^o^)「すげぇ・・・」
あっさりとそれは見つかった。
上へと吸い込まれる水。それは異常すぎて神々しい。
(`・ω・´)「・・・やはりまだ先がある。お前らには話したよな?この水の流れは誰かが何かに気付いて欲しくて作ったものかもしれないって・・・。」
全員が、肯定の意を示す。
それを見てVIPは忠告を投げかける。
(`・ω・´)「この先には救われない魂の集合体とか、妖精の類とかがいるかもしれない。気をひきしめていこう。」
VIPはそう言うと、湖に向かって歩んでいった。
さらに奥へ進んでいくと、何かぼんやりと明るくなっていくように感じた。
( ´∀`)「これは・・・苔とかが発している光でしょうか」
確かに、発光する苔もあることにはある。
だが、VIPは違う、と思った。
(`・ω・´)「水が逆行していたのはまぎれもなく魔術の成せる技だ。
これも魔術かもしれない・・・、それにこれは・・・」
上からの光、だ。VIPの足下には影が出来ている。
苔ならそこかしこに生えているので壁などにも影ができるだろう。だがそういうことはほとんど見られない。
これは・・・もしかすると。
そもそも魔術が使えた時代、光を生み出すことはそんなに難しくなかったはず。
となれば、どこかに起因が───。
と、そう考えているうちにT字路に。道が分かれたのはこれで始めてだった。
ミ,,゜Д゜彡「分かれ道か・・・」
(;´∀`)「どうします?」
( ゜Д゜)「いや、てめーら進むことばかり考えんな・・・見てみろこれ・・・」
轟は近くの壁を指差した。
そこには、びっしりと描かれた文字と絵と、
三つの、手形。
(`・ω・´)「こいつは・・・また難解な」
文字などみても仕方がない、とVIPは絵だけをみた。
三つの手形の下にそれぞれ一つずつ。
真ん中。人型の絵の真上に太陽らしき絵。それに人が照らされている。
左。月と思われる形のものに人が祈っている絵。
右。人々がなにか一際大きな人型のものに跪いている絵。大きな人は凶悪な意思がそのまま伝わって来るような形だ。
(^o^)「暗号・・・かな」
( ゜Д゜)「見たとき思ったんだが・・・朝、昼、夜って感じの絵じゃね?」
(`・ω・´)「ム・・・確かに・・・」
言われてみればそうだ。
左は月があり、夜の絵だ。
真ん中は真上に太陽が昇っていて、昼と言える。
だが、右は・・・どう考えてもこれが朝とは思えない。
人型の、神をかたどったとは思えない、おぞましいものに人が跪いている。
( ゜Д゜)「その絵は・・・この絵が描かれた時代の朝にはそういう儀式があったとしか言えないな・・・」
(;^o^)「け、結局どういうことなんですか?」
ヒカリの言葉を聞いて考えさせられる。どういうことだ。
この手形と絵の意味。
とりあえずVIPは意味もなく朝の絵の下の手形に手をはめてみる。
・・・何も起こらない。
( ゜Д゜)「魔力とか込めてみ?なんかあるかもわからんね」
言われた通り軽く魔力を込めてみるが何も起こらない。
朝と推測できる絵は諦めて昼と断定できる真ん中の絵に手をはめて、魔力を込めてみる。
すると、ガコン、という音とともに絵の場所の石盤が回転し、昼の絵が見えなくなった。
かわりに出て来たのは、髭をたっぷりたくわえ、帽子を被った老人が剣を持っている絵。
( ゜Д゜)「こりゃあ・・・お偉いさんじゃね?帽子の形といい髭といいそれっぽいな」
確かに、帽子の形はどことなく王冠やティアラに近しいものがある。髭はいうまでもない。
(`・ω・´)「なんか持ってる剣が気になるな・・・」
( ゜Д゜)「そうだな・・とりあえず夜もやってみ?」
言われた通り手をはめて魔力を込める。
そうすると昼の絵と同じように絵が引っ込み新しい絵が出てきた。
大きな、鐘の絵だ。いや、石盤には鐘しか描かれていなくて大きいかどうかも分からない。
( ゜Д゜)「なんだこりゃあ・・・下になんか文字書いてあるが日本語でおk、って言いたい」
(;´∀`)「これ・・・もしかして願いの鐘じゃないんでしょうか?」
(`・ω・´)「・・・」
願いの鐘。
それは古代の錬金術師が遺したと言われる願望の器だ。
もっとも、そんな都合のいいアイテムが存在するとは思っていない。
せいぜい、宝石と同格の魔力の貯蔵庫のようなものだろう。
(`・ω・´)「そうかもな・・・それより、パーティ決めをしよう。ここからは分かれ道だ」
( ゜Д゜)「そうだな・・・じゃあ俺はみかんで」
(;`・ω・´)「即決かよwwwおおかた理由は分かるが・・・」
( ゜Д゜)「フヒヒ!女いねーとモチベ下がるんでwwwww」
(;´∀`)「・・・・」
(`・ω・´)「ん、じゃあ俺は夢ムラとヒカリで。時間とかどうするよ」
( ´∀`)「あ、そういうことになったら困る、と思って通信用の御札持ってきました」
みかんは懐から御札を二枚取り出し、轟とVIPに渡す。
(`・ω・´)「GJ!で、どうやって使うんだ?」
( ´∀`)「御札に魔力を込めつつ凝視してください。そしたら私が作ってる仮想空間のような場所に意識だけが飛ばされます。
一応ソファーが置いてある6畳くらいの部屋です。部屋にはドアが二つあります。片方から自分が出て来るので。
もう片方のドアに魔力を込めると相手を呼ぶことができます。そのときは相手の札が震えますから。
あとは二人揃ったらしゃべるだけです。出るときは普通にドアから。
なお、通信してる間、本体、つまり自分の体は全く動けませんから。そこんとこ注意です。」
( ゜Д゜)「おk把握。んじゃ、行ってくるわ」
そう言うと轟とみかんは左の通路に歩いていった。
それを見届けるとVIPたちは右の通路へと進んでいった。
( ゜Д゜)「暗いなぁー、こういうところにはスイッチがあるはずなんだが」
通路は奥に進めば進むほど暗くなっていく。
自分たちの歩く音しかしない、暗く狭い直方体の中を歩く。
明りもないまま、ひたすら歩く。狭い通路なので、両手を壁につけてれば明りは不要だ。
長い間歩いていると、突然触っていた壁がなくなった。
( ゜Д゜)「ライトニング頼む」
( ´∀`)「はい!」
光が急に灯される。
眩しくて何が何だか分からない。だが、それは最初だけで、何がそこにあるかはすぐにわかった。
少し広い場所にポツンと、宝箱が一つ。
( ゜Д゜)「こりゃあまた・・・苦労されましたね、持って行ってください、ってか」
轟はためらいなく宝箱を開く。
そこには一つの手のひら大の鐘が。
( ゜Д゜)「本当に、願いの鐘か・・・?」
手にとって、振ってみる。カランガランという音を期待してたのだがそんな音は鳴らなかった。
みると、鐘の中の吊り下げられた金具が包帯でぐるぐる巻きにされている。
( ´∀`)「これじゃあ鳴りませんね・・・」
( ゜Д゜)「ああ。鳴らさないことに意味があるんだろ・・・鳴らしたら魔力効果が発動とかな。
これは丁重に専門家かなんかに持っていこう。」
轟は鐘を宝箱にしまい担ぎあげる。
そしてもと来た道を戻り始めた。
そのころ、VIPたちも同じような部屋にたどり着いていた。
轟たちがたどり着いた部屋と広さは同じだが、両側に三つの像が並んでいる。見た瞬間、女の像とわかるほど女性らしい輝きを放っていた。
そして部屋の中央にあったのは宝箱ではなく・・・。
ミ,,゜Д゜彡「なんだぁ・・・この棺桶」
真四角の棺のようなものがあった。
(;^o^)「こえぇ・・・」
(`・ω・´)「なに、俺が開けてやるよ」
VIPはそう言うと、棺桶を乱暴にブチ開けた。
その瞬間、凄まじい突風。
(;^o^)「なに、なに、なんなんですかぁぁぁぁぁ」
VIPは突風にも全く動じず、しばらく棺桶の中を見たあと振り返って、
(`・ω・´)「・・・中には何もないよ。突風は気圧の変化とかそんなんじゃないか?さぁ、もう戻ろう。」
と言うと、ヒカリと夢ムラを通路に戻るよう促した。
その時。
夢ムラだけはVIPがニヤリと笑ったのを見逃さなかった。
一度死にかけたから分かる、死へのいざない。吐き気のするほどの嫌な予感を夢ムラは感じ取った。
元の石盤のあるT字路にVIPたちが戻ってくるとすでに轟たちがいた。
(`・ω・´)「何か収穫はあったか?」
そうVIPが聞くと、轟たちは宝箱を開けてみせた。
( ゜Д゜)「おそらく、願いの鐘ってやつだ。多分これしか俺たちがいった方向にしかない。そっちは?」
(`・ω・´)「いや、シケた棺桶が一つ、中には何もなし。それだけ。」
( ゜Д゜)「そうか。もしかしてそれが・・・」
轟はあごで石盤を指す。VIPたちが石盤を見ると、真ん中の石盤がなくなっている。
( ゜Д゜)「多分その空っぽの棺桶って奴がここのスイッチだったんじゃないのか?」
(`・ω・´)「こりゃ剣を持ったジジイの絵だったよな・・・」
石盤がなくなって空洞になった場所をVIPはまじまじと見つめる。
( ゜Д゜)「それが、中はすぐに壁があるだけだ。意味わかんねぇよな・・・」
(`・ω・´)「いや、これは・・・」
VIPは空洞に手を突っ込む。すると。
中から、一振りの剣が出て来た。
(`・ω・´)「なんだよ、ちゃんと剣あるじゃねぇか」
(; ゜Д゜)「あ、あれ?おかしいな・・・」
轟とみかんは目を丸くしてその剣を見る。
(;´∀`)「何か彫られてますね・・・なんて読むんでしょうか」
(`・ω・´)「さぁな、そんなことはどうでもいい。それより、はやく戻るぞ」
そう言うと、VIPたちは地上の方に帰って行った。
・・・・・ちなみに、この遺跡が黄金の宮殿、棺が見つかった場所が女神像の間と名付けられるのはまた別の話である。
地上に戻る途中の、湖を通る。
そこで突然夢ムラが声をあげた。
ミ,,゜Д゜彡「おい!水が・・・」
見ると、逆行していたはずの水はどこにもない。
(`・ω・´)「水が・・・か。まぁ、どうでもいいんじゃね?宝いっぱい見つかったし」
( ゜Д゜)「確かにな・・・」
夢ムラはそうなのかぁ・・・?とか疑問に思いつつも湖を通り過ぎた。
地上にでるVIPたち。
そこで一番に口を開いたのは夢ムラだった。
ミ,,゜Д゜彡「なぁ、一週間分の食料持ってきたんだろ?もしもう戻るんなら、俺にそれくれないか?宝はいらないから。
その・・・もうちょっと奥まで行ってみたいんだ」
(`・ω・´)「・・・そうか。いいぞべつに。ただ、二日分は何かの時の為にこちらがもらう。それでもいいなら」
夢ムラは頷く。
(`・ω・´)「わかった。ちょっと待ってろ・・・」
VIPは食料を少し片付けたり整理したりしたのちに夢ムラに五日分ほどを渡した。
ミ,,゜Д゜彡「ありがとう。じゃあな、お前ら」
夢ムラはあてもなく歩き出した。そしてVIPたちは自分達の帰る場所へと歩き出した。
魔王編 第二話 完
最終更新:2008年03月12日 18:21