第二十二話
でもね、そんな時こそ笑ってみせるんだっ
鮮明には思い出せない。セピア色の記憶。
あれは俺がまだ7歳くらいの頃だったと思う。
その頃の俺は、本当にダメ野郎だった。
魔術も使えず、放出も出来ず、知力も無く、腕力も無い。
回りからは”落ちこぼれ”のレッテルを貼られ、
いつも一人、森の中で泣いていた。
友達なんて、いなかった。
ある日、いつもの場所に行くと、一人の少女が立っていた。
その子は知っていた。俺の町でも有名だった。
俺と同じ、魔術も放出も出来ず、知力も腕力も無い子。
だけど俺と決定的に違う所がある。
その子は、輝いていた。
何が輝いていたのかは分からない。
ただ、当時の俺は間違いなくそういう印象を受けていた。
ふと、少女が此方を向き、ニッコリと微笑んだ。
そのときの俺の顔は多分涙ぐんでいたと思う。
俺は尋ねる。
「なんで……なの?」
何故その様な事を聞いたのかは思い出せない。
ただ、気持ちは伝わったようだ。
俺の真っ直ぐな問いに、同じく少女は真っ直ぐ答えた。
「信じられるからだよ――」
ガチャン!!
(;^д^)「ハッ!!」
セレスの男性兵士寮。
狭い一室に響くガラスの割れる音。
床に広がる飲みかけのオートポーション2に複数の瓶の破片。
先ほどまで瓶を持っていたはずの右手を細い目で睨み、
はぁーっと大きくため息をつく。
( ^д^)「こんな時に…」
両手を挙げ、背筋をクンッと伸ばす。
( ^д^)「こんな事を思い出すなんてな」
天井に向かって伸ばしていた両手をだらりと落とした。
( ^д^)「お前も来てるんだろ?」
そう、窓の方に向かって言葉を投げると、
のそのそとベットの方へ向かった。
(;^ω^)「ベェッ!!!!!」
柔らかい布団の感触。左腕が痛い。
前にもあったようななかったような展開。
どうやら此処は宿屋の様だ。
ゲート辺りで必死にもがいた辺りまでは覚えている。
が、宿屋がどうのこうのといった後はどうにも覚えていない。
こうしてベットの上にいることから、あの女が宿屋に僕を引っ張ってきたのだろう。
意識が戻ったきっかけは、この女のガサツな態度。
怪我人の僕をベットの上に放り投げやがったのだ。
でっていうといい、これだからガサツな奴は…と僕は小さく鼻で息を吐いてみせる。
とまぁ、そろそろ理由を聞きたい頃。
なんでこの女、”のうぇ”がここにいるのか。
いや、まずはこっちを先に聞こうか。
(;^ω^)「このメンバーは…?」
从*゚∀从「さーぁ?」
テーブルの上で胡坐をかくのうぇ。
(´・ω・`)「ねるねるねるねーっとっと、あ、ヤバッ。失敗かも」
入口側の部屋の角の棚からポーションらしき瓶を取り出し、それを何か別の瓶の中の液体と混ぜるぬこ姫ksk。
( ,,゚Д゚)「…てめぇで飲めよ、それ」
棚の上に座り込み、その様子を眺める夢ムラ。
そして、
(;` ′)「こ、ここは? どうなって…」
気付くのが遅れたが、僕の隣のベットで横になる天武なんとか。
从*゚∀从「天武は聞きたいことがあったから私が連れて来た。んで、一応神術で喋れるようにはしてあるよー」
( ^ω^)「聞きたいこと?」
从*゚∀从「まぁー…その話は後。で、そこの元(笑)国王さん達とは丁度ここで鉢合わせしたんだ。
なに? あんた達ショタ国に仕官したの?」
(´・ω・`)「なわけ無いでしょ、ぶち殺すぞ!」
( ^ω^)「で、なんでのうぇさんがこの町にいるんだお?」
从*゚∀从「え? それってお前が言う台詞か?」
( ^ω^)「は?」
从*゚∀从「まぁ―いいけど。私のことは梅しそちゃんやキニちゃんから何にも聴いてないのか?」
( ^ω^)「いや、聞いて無いお」
ふーむ、と唸るのうぇ。
めんどくさそうに頭をかきながら話を続けた。
从*゚∀从「三日前の夜…ブーン、お前と最後にあった日だね。その夜私は論破王国の国王VIP先生の暗殺に向かったんだ」
(;^ω^)「!!」
(;` ′)「なんだと…!?」
僕はもちろんの事。
隣で横になっていた天武も、思わず体を起こして驚きの声を上げた。
え、知らなかったの?と、僕がふと疑問に思う中、話は続いた。
从*゚∀从「勿論、キニも一緒だった。けどな、VIP先生の所までたどり着いたまでは良かったんだ、け、ど…あーやっぱ言うのやめていい?///」
なぜか照れくさそうに頭をかくのうぇ。その仕草に萌えたのは秘密だ。
いやいや、と僕と天武の声がハモると、
ふぅ、とのうぇはため息をつき面倒くさそうに話を続けた。
从;゚∀从「いやー……侵入がばれた上に、やられちゃったんだよね、私。VIP先生に。まいったまいった」
(;` ′)「なるほど、それでキニだけだったわけか」
天武の中で何かが繋がったようだ。
なんとなく予想は付いていた為、驚きは少ない。
それで?と僕は話を続けさせようとした時、天武が話を繋いだ。
(;` ′)「それにしても先生を相手にして良く生きていられたものだな。
そればかりか、こうして此処にいるということは街からも脱出できたのか」
从*゚∀从「ん、まぁな。その辺はホントに運が良かったと思う。
幸運にもVIP先生は急所を微妙に外しててさ、それで目が覚めたら王室には人いなくてー……
そうそう! なんか下の階が騒がしかったから、その騒ぎに乗じてなんとか街から脱出できたんだよ」
なるほどねっと、僕と天武が頷く。
( ^ω^)「え、じゃあその後ずっとこの町の近くにいたのかお? なんでショタに戻ってこなかったのかお?」
あぁ、と小さく返事をし、また面倒くさそうに頭をかく。
その顔からはさっきまでの薄笑いが消えうせていた。
从*゚∀从「話長くなりますけど…聞きますかい? Yes or No」
迷ったわけではないけど、なぜか一瞬間が空いた。
答えはもちろん決まっている。
( ^ω^)「アYes だお」
◎
夜風に揺られ、草原に生い茂る草が心地よい音を奏でる。
星が散り散りに輝く夜空からは、三日月がひっそりと地上を見守っていた。
数時間後には戦場になるであろう、その美しい光景を城のテラスから見守る一人の影。
川 ゚ -゚)「なんとも哀しいな」
そんな独り言をこぼし、長い紫髪を夜風に靡かせる。
雲な流れが大分早い。
それはまるで、危険を察知し、その場を離れる動物のようにも見えた。
ガチャ
静寂の中、響くドアの音。
正体は分かっている。梅しそは振り返らなかった。
(*^w^)「報告です。でっていうさんが論破王国のぬこと戦闘。勝敗はでっていうさんに上がりましたが、
ダメージは大きいようで、恐らく戦争までの全回復は望めません」
そうか、と頷く梅しそ。
(*^w^)「カバさんもそれと同様。嫁は蒼星石さんが付っきりで看病をしていますが未だ目を覚まさず…」
またそうか、と呟くと、少し沈黙した後に口を開いた。
川 ゚ -゚)「状況は最悪、か」
キニがクッと眉を寄せる。
(*^w^)「それでも、私達は諦めません。…国王。私達は最後まで国王にこの身をお預けします」
言い終えると、キニは頭を下げ、テラスを後にした。
訪れた静寂から間も無く、再びドアが開く。
( ^ー^)「国王、報告です。恐らくサンドラ、エヴァレイト、セントポーラに留まっていると思われる論破兵は、未だ動きを見せず。休息中と思われます」
川 ゚ -゚)「そうか、ご苦労。下がって良いぞ」
( ^ー^)「…失礼します」
一度も此方を向かず、何かを待っているように景色を眺める国王。
梅しそに背を向け、扉に手を掛ける。
最後に梅しそをチラッと見ると、部屋を出た。
向かう先は、男性兵士寮。
(;^д^)「いつつ…、あーいってぇ!」
静まり返った男性兵士寮で、一人騎士が叫ぶ。
それと同時に、扉がギィィと鈍い音を立てて開いた。
( ^ー^)「近所迷惑ですよ。でっていうさん」
( ^д^)「おー、カクンテ! 来てくれたのか? 聞いてくれよwww嫁と蒼星石のガキ、酷いんだぜ?wwww
カバに付っきりで俺の存在はスルーってwwwww私事を戦争に持ち込むなよwwwバルスwwwwwwwwwwww」
( ^ー^)「あんたが言えた台詞じゃないでしょうに…」
深いため息と共に、布団に腰を下ろした。
( ^д^)「にしてもどうなのよ?この状況。俺はこの様で、カバもグロッキー。ブーンと傘棚は逃走。
で、そこそこ実力もあったー……あー、鏡音リンも殺られて、戦力はガタ落ちってこれ相当やばくね?」
( ^ー^)「確かに、絶望的です……が」
( ^д^)「が?」
カクンテが膝の上で肘を立て、両の指を組みその間に顔を乗せる。
( ^ー^)「諦めてはいけません。まだ戦える者も多数いるのが事実。光はまだ残っているのです」
一瞬でっていうの顔がポカンとする。
そして、二ヤリと唇を吊り上げると目を閉じ、起こしていた顔を枕に沈めた。
( ^д^)「そーだ、な。よしっ、精一杯光り輝いてくれよ」
( ^ー^)「…カバさんはともかく。忠告を無視した貴方にはムリにでも働いてもらいますよ」
◎
ルインの宿屋前。
のうぇの長い話が終わり、僕は外に涼みに来ていた。
話の内容は簡単にまとめると、
”12年前、のうぇ達古参が多くの犠牲を払って封印した魔王をVIP先生が復活させようとしており、
その動きを監視する為にルインに留まっていた。
論破国民達が侵略へ行った後、城の中を探索し終わり、
ひと眠りしてからショタ国へ向かおうと思った時に僕達が来たらしい。
もし、魔王が復活すればこの世は終わり”
なんとも馬鹿馬鹿しい話だった。
信じれない、ではなく馬鹿馬鹿しい。
このFHで信じられない物をいくつも見てきたせいか、
今頃魔王なんていわれてもイマイチ驚きに欠ける。
ただ、なんというか。
今そんな話をされても困るっていう。
おかげで先ほどまで”ショタコン国の危機”だったのが今は”世界の危機”の変わってしまった。
ショタ国の危機を防ぐことさえ難易度Sランクだというのに、
せかいのきき? なんですかそれ、わかりません。
要は目の前の壁が高くなりすぎた感じ。
その壁を前にして思うことは絶望などではない。
もうね、なんか馬鹿馬鹿しい。
( ^ω^)「…ふぅっ」
大袈裟にため息をついてみせる。
こっちに来てからため息が多いなぁ、
なんて事を思いつつ、僕は視線を宿屋に移した。
( ^ω^)「まぁ、それでも論破王国を…VIP先生と戦うのは変わりないお。深く考えないことだお」
ところで先ほど僕は涼みに来たといったが、あれは実は嘘。
本当は部屋の空気が重くなったので逃げてきたのだ。
その空気の発生源は――、
(#゚Д゚)「……」
从#゚∀从「……」
部屋の中に静かに流れる殺伐とした空気。
そして気まずそうにカチカチと響く、瓶の音。
(;´・ω・`)「ポーションできた、ブーン呼んでこよっ」
空気に耐え切れず、逃げ出すものがまた一人。
(;` ′)「逃げおった…」
そして体が言う事を聞かず、取り残されるもの。
こうなってしまった原因は、10分前に遡る。
◎
(;` ′)「魔王……12年前といえば俺も覚えている。災害による古参の大量死、と宮殿の発見があった年だ」
从*゚∀从「ああ、古参の大量死っちゅうのはな、ありゃ私達が流した”嘘”だ」
(#゚Д゚)「!!」
夢ムラが棚から降り、静かにのうぇの元へ向かう。
从*゚∀从「生き残ったこs――」
言いかけた瞬間、のうぇの体が吹き飛んだ。
(;^ω^)「ちょ!!!」
(#゚Д゚)「嘘、だと? テメェ…」
勢いよく壁に激突したのうぇはすぐに立ち上がり、真っ直ぐに夢ムラを見た。
从 ∀从「ゲホッ…、やむを得なかったんだ。魔王の存在が広まれば、それを復活させようとする馬鹿が現れるかもしれない。
だから…だから私と生き残った仲間で、古参の死は災害による物だと……広めた」
ふざけるな、と。夢ムラは再び拳を握り締め、振りかざす。
从*゚∀从「仕方が……無かったんだ」
のうぇはそれでも、目を背けなかった。
その目は語っていた。本当にすまなかった、と。
暫しの沈黙が訪れた後、遂に夢ムラは折れる。
振りかざした拳は行き場を失い、のうぇが座っていたテーブルへと叩きつけられた。
(#゚Д゚)「ッソォ!!1」
テーブルは、拳が叩きつけられた部分を中心に、バキッと音を立てて大きく五つに割れる。
二人を除く三人は唖然としていた。
誰も理由が分からないからだ。
怒りの真実は二人だけが知る。今聞き出すのは空気が違う。
夢ムラが吠えたのを最後に、その後はひたすら沈黙が続いた。
そして現在に至る。
◎
部屋の扉が開く。
重い空気の発生源は、お互い正反対の方向を向き、扉のほうも向こうとはしない。
(;´・ω・`)「ブーン連れて来たし、ね? 夢ムラ、ポーション……」
夢ムラはあぁ、と立ち上がると、のそのそとぬこ姫の下へ向かう。
从*゚∀从「ご苦労様です、国王陛下。私の分も……」
(´・ω・`)「ねーよ、バーロー。ぶち殺すぞ」
从*゚∀从「……ああ、なんか無性に男のアナルにポーション突っ込みたくなってきた」
(´・ω・`)「僕も無性にポーション作りたくなってきたなぁ」
2時間後、僕達5人はポーションを飲み終え、各自体を休めていた。
天武のポーションは、のうぇが強制的にぬこ姫kskに作らせた。
ぬこ姫kskが作ったのは、オートポーション4というポーションの最高作。
普通のポーションにあるものを混ぜると作れるらしいが、詳しいことは不明。
当然、普通のポーションよりも傷の治癒、魔力の回復は格段に早いが、
さすがにすぐには治らなかった。
だが、2時間たった今、驚くことに左腕もほぼ完治。
この分だと他の皆もほぼ全快に近いだろう。
( ` ′)「ところで、そろそろ聞かせて欲しいな。聞きたいこととはなんだ?」
前触れも無く、天武が尋ねる。
のうぇは少し間を置き、答えた。
从*゚∀从「城にある、地下へと続く扉。アレの開け方を教えて欲しい。あそこに魔王の手がかりがあるはずなんだ」
その答えに、むっと小さく声を漏らし、考え込む。
( ` ′)「それは無理な相談だな。国王から他言することは硬く禁じられている」
从*゚∀从「あのな…相談じゃなくて命令なんだが」
(;` ′)「な……!?」
从*゚∀从「あぁん!? ブーンに負けて、見逃してもらって、私に助けられて、無理な相談?ww
wwwwwバロスwwwww金玉ついてんのか?wwwwwww」
……僕ら4人は今、ここに悪魔を見た気がした。
天武は聞こえるか聞こえないか位の声でわかった、と言うとガクッと頭を下げた。
僕等は、部屋を後にすると再び城へ向かった。
从*゚∀从「にしてもアレだな、ブーン。おまえちょっと強くなり杉じゃね?
この天武に勝っちまったし、血華繚乱とか風の魔力放出の高等技術だぞ?」
( ^ω^)「おっおっ、血華繚乱だけじゃないお? 他にもまだ2つくらい新技あるお」
从*゚∀从「ウェェー!! マジかよ!? だとよ天武さん?ww」
(;` ′)「……情けない」
(;^ω^)「いや、別に手加減したわけじゃないお? 一番有効そうだったからあえてアレをつかったわけで、その…それにまだ2つ目は……」
そんな他愛も無い会話が続く中、城に到着。
のうぇと天武を先頭に大階段脇の扉に入り、例の扉へとつづく階段を下りる。
从*゚∀从「で、あんたら二人は何用だよ?」
(#゚Д゚)「別に…、ちょっと魔王の事が気になるだけだゴルァ」
(´・ω・`)「僕は夢ムラに付いて来ただけっていう、ね?」
( ` ′)「さて、この扉だが」
天武の声と同時に、僕らは足を止める。
そこにあったのは大きな石の扉。
中央には古代文字っぽいのが刻んである、
直訳で…分からない。
( ^ω^)「これは…!」
分かる。これが普通の扉ではないことは体中で感じる。
直接触れなくても分かる。扉の表面に魔力の壁、そして薄っすらと邪気のような物も感じられる。
从*゚∀从「これだよ。色んな手で壊そうとしたけどムリだった。どうやって開けるんだ?」
フッと笑い、天武が手のひらを扉にそえる。
( ` ′)「運が良かったな、この扉は星属性の者にしか開けることができん」
从*゚∀从「ほへー、そりゃあよかった」
( ` ′)「フッ、では解印にかかる」
ふーっと一息、場に緊張が走る。
(;` ′)「論破国王、VIP先生の名の下に命ずる。幾多の星々よ、我が力となりて、眼前の邪気を滅ぼさん!」
(;` ′)「ク=オレニチーカ・ヨ・ルナー!!!」
(;^ω^)「お、おお!!(黒歴史が蘇ってきそうだお…)」
扉が七色に光る。
天武の手に、扉を覆っていた魔力が徐々に集まり、
それはやがて粒子となり、消えた。
(;` ′)「…ッはぁ!…よし、解けただろう」
从*゚∀从「さんちゅー♪ でもこれがばれたら国王に怒られるだろうなぁ?」
( ` ′)「フッ、構わん。それに俺もこの目で確かめたくなってきた。国王は一体何をしようとしているのかを、な」
从*゚∀从「いやだから魔王をだな…ま、いっか♪はやく入ろーぜー、レッツゴー♪」
のうぇはドアノブに手を掛けた、が
从*゚∀从「あれ? あーかなーいぞー?おーい」
ガチャガチャと押したり引いたりする、がビクともしない。
( ` ′)「なんだと? その先は分からんぞ。しかし…魔法壁を解いたのだからな、あとは物理的な…」
(#゚Д゚)「退け」
黙り込んでいた夢ムラが、急に前に出てきた。
(#゚Д゚)「うらぁぁああ!!!」
狭い通路に響く声と共に、魔力を込めた突きを扉に繰り出し、扉には亀裂が入った。
そして、
(´・ω・`)「ジェノサイド!」
亀裂の中心に突き出されたぬこ姫kskの剣が、怪しい光を放ち、
石の扉は中心からガラガラと音を立てて崩れた。
从*゚∀从「ひゅーう! いいもんもってるねぇ」
(´・ω・`)「いや、使い勝手悪いんだよ? これ。実戦ではホント使えないしって何言わすんじゃボケ! ぶち殺すぞ!」
( ^ω^)「二人ともかっこえぇぇえええええ」
( ,,゚Д゚)「うるせぇぞこのピザァ! 中に入るぞ」
从#゚∀从「なに!? おい、言っておくけどなぁ! 私だって女の子なんだぞ!? 確かに最近は…」
(´・ω・`)「やぁ夢ムラ。親しき仲にも礼儀ありと言う言葉があってだね、ちょっと余計な肉が」
(#,゚Д゚)「てめぇ達の事じゃねぇよぉぉぉぉおおおぉぉぁあ」
扉の向こうはまたもや階段だった。ただし、光の無い真っ暗な。
仕方なくのうぇが魔力で炎を指先に灯し、辺りを照らす。
( ^ω^)「おっ!」
気が付いたら段差がなくなり、広間に出た。
その中心にポツリと照らし出される1つの机。
それに最初に手を掛けたのはのうぇだった。
从*゚∀从「あ、あった」
引き出しを開けるとのうぇが高らかに叫んだ。
視線が机に集まる。
从;゚∀从「これだよこれ!…世界を手中に収め――――」
そこまで行った所で、のうぇの動きがピタリと止まった。
次の瞬間、
从;゚∀从「うわぁぁぁあああああああ!!!!????」
突如奇声を発し、机の中から取り出した紙…だろうか?
それを放り投げた。
のうぇは尻餅をつき、灯していた炎が消える。
パサリと、と紙が床に落ちる音。
それを見届けたぬこ姫kskがため息をつき、ライターで辺りを照らすと、
放心しているのうぇを横切り落ちた紙のほうへ向かった。
(´・ω・`)「虫かい? ったく、これだから女ってのは…ぶち殺すぞ―――」
(;` ′)「……」
(;^ω^)「……」
( ;,゚Д゚)「ぬこ姫?」
ぬこ姫kskは紙を手に取り腰を曲げたままの姿勢で静止していた。
その身を案じて夢ムラが駆け寄る。
( ;,゚Д゚)「…立ったまま気絶してやがる」
(;^ω^)(;` ′)「!!!!!!!」
ぬこ姫kskにまで訪れた異変。
”この紙になにかある”
皆がそう確信した。
やがてのうぇとぬこ姫kskは元に戻り、
5人は床に落ちた紙を囲んでいた。
( ;,゚Д゚)「何がどうなったんだ? ぬこ姫」
(´・ω・`)「…一瞬、なんていうか、死をイメージさせられたって言うのかな? やばいでしょ、コレ」
”世界を手中に収め、黄金の鎧纏いし者、不死鳥を天に放たん。そして魔王は蘇るだろう。”
その紙に書かれていたのは、如何にも魔王復活の条件。
( ^ω^)「なんつーか、ヒネリがねぇっていうかお…」
(´・ω・`)「ていうかさ、ねぇ?」
( ;,゚Д゚)「これ、どうみてもまんまVIP先生のことじゃねぇか?」
(;` ′)「黄金の鎧……宝瓶宮黄金聖衣。不死鳥はアナザーディメンション、か」
从;゚∀从「まさか…なんなんだコレは。仮にこれが魔王の復活の条件を示した物だとしても、そんな物……存在するはずが無いんだが」
(;` ′)「なぜ言いきれる?」
从;゚∀从「封印の際には”封印の剣”を使ったからさ、解印の条件なんてねーのよ。
こんな複雑な条件だったらなおさらな。しかし…」
のうぇが目を細める。
从;゚∀从「VIP先生がこの紙を拾ったのは三週間前、場所は確か”越えられない壁”付近」
( ` ′)「世界の果て…か」
从;゚∀从「で、VIP先生がその姿で名を轟かせたのが一年前」
(;^ω^)「それって!」
从;゚∀从「ああ、まるで誰かがVIP先生を動かす為に作った物の様だ。
しかもこの紙が秘めている未知の魔力、悪戯にしちゃあ過ぎてるよなぁ?」
場に重い空気が走る。
从*゚∀从「こりゃあ、ホントに出ちまうかもな。魔王」
(´・ω・`)「禿同だ。僕もそんな気がするよ」
どうやら触った者にしか分からない何かがあるらしい。
僕らは取り合えず城の外へ出た。
紙は城の地下へ残したままだ。
二人は勿論、誰もあの紙に触りたがらなかったからである。
…勿論僕も。
从*゚∀从「さて、私達四人はこれからセレスへ向かうわけだが」
と、言い。僕ら四人と天武を指で区切った。
夢ムラとぬこ姫kskをみると、やはり不満そうな顔をしていた。
(´・ω・`)「ちょっと待ってよ、僕らはお前と一緒に行動する気なんてないよ? ぶち殺すぞ」
从*゚∀从「はぁ? おまえらどうせアレだろ? 国潰された恨みを晴らす為にばよとごうけん狙ってんだろ?
だったら私達と一緒に来いよ。セレスにはごうけんの野郎も来るだろうし」
(´・ω・`)「あ、そっか。早く言えよ。ぶち殺すぞ」
从*゚∀从「ところでさ、そろそろ聞かせてもらえるよな。なんでブーンがここにいるの」
(;^ω^)「え――」
一瞬、僕の思考が固まった。
そういえばそうだった、
本来、此処にいる事を問われるべき人物は、他でもない、僕なのだ。
(´・ω・`)「ああ、こいつはね…論破襲撃の恐怖に耐え切れずエスケープ、だっけ?」
( ^ω^)「ちょ…!」
口をモゴモゴさせていたらぬこ姫kskが勝手に事情を説明しだした。
焦って止めようとしたが時既に遅し。
でも、多分僕は誰かが自分の変わりに説明してくれることを望んでいた。
つくづくヘタレだな。
そう、自虐しつつ、首をゆっくりのうぇに向ける。
険しい顔を予想していたが、案外のうぇの表情に変化はなかった。
从*゚∀从「まぁ、そんなことだろうと思ったけど」
返す言葉が、見つかりません。
とりあえず微妙な苦笑いで返してみる。
从*゚∀从「で、来るんだろ?」
その言葉で、僕の苦笑いは本当の笑いへと変わった。
拳を握り締め、僕は高らかに叫ぶ。
( ^ω^)「当然だお!!」
( ` ′)「当然ながら俺はここに残る。自分を助けた者に刃を向けるわけにもいかんし。
だからといってお前達と共に戦うわけにもいかんしな。それに…傷も完全に治っているわけではない」
( ,,゚Д゚)「俺達も、ごうけんを殺したらさっさと消えるからな」
(´・ω・`)「それじゃあ行こうかっとその前に……ポーションとってこよ」
( ,,゚Д゚)「俺もいく。ブーン、ついでにお前の分も取ってきてやるよ」
从*゚∀从「私の分はー?」
( ,,゚Д゚)「知るかゴルァ!!」
二人はさっさと宿屋に向かい、天武も城の方へ歩いていった。
立っているのに疲れたのか、のうぇは大きく息を吐いて地面に座り込む。
从*゚∀从「ま、いっか。ポーションなんて必要ねー」
(;^ω^)「すごい余裕だお」
从*゚∀从「いや、そうでもねーなー。戦力的にはまだ届かないかも知れんわ。なんせあっちにはVIP先生がなぁ…」
(;^ω^)「ちょwwww」
僕の焦った顔を見て、のうぇはにんまりと唇の端を吊り上げた。
从*゚∀从「けど、こっちにはまだ助っ人がいる。魔王が絡んでるならあの人も動いてくれるはずだ!」
魔王が絡まないと動かないということは無所属? それともまさか論破?
ダメだ、該当者なし。
( ^ω^)「? 誰だお」
从*゚∀从「そいつはお楽しみ♪」
◎
冷たい風が流れる論破王国領土、サンドラゲート。
城壁に座り込む一人の騎士。
(`・ω・´)「遂に…」
身に纏う黄金の鎧が月明かりに映える。
その腰に宿らせる一本の不死鳥。
綺麗な茶髪が夜風に靡く。
(`・ω・´)「悲願が…」
タンッっと足元を蹴り、地に舞い降りると、黄金の騎士は不死鳥を天に高々と掲げた。
その目が見つめる先は、この世のどこでも、誰でもない。
もっと、遠く。誰も知らない。もっと――、
(`・ω・´)「叶うのだぁああ!!!!」
奇声にも近いVIP先生の叫び声は、世界を覆うかの様に夜空へ響き渡った。
微妙なミスを直した、ミスだよミス
狂乱家族日記おもすれー ちか可愛いよちか
最終更新:2008年06月21日 23:29