果てしなく広がる、ぼやけた真っ暗闇の世界に僕はいた。
ポッと脳裏に浮かぶ一つの疑問。僕はどうなったのだろう。 生きているのか死んでいるのか?
いや、こうして物事を考えられると言うことは前者なのだろう。
しゃあ、魔王は?
( ^ω^)「はっ!!」
全身の筋肉が跳ね、パッと目が開く。
ああ、僕は寝ていたんだ。
意識は不思議とハッキリとしている。それなのに、未だに広がる真っ暗闇。
不思議だ、こんなに暗いのに自分の姿だけはハッキリ見えている。
肌の色、Yシャツの白、ズボンの黒。靴の茶色。
足はしっかりと地についている。歩いてみる、落ちないし、進める。
そう言えば、僕の剣”文”がない。
( ^ω^)「どこにいったんだお」
剣だけなくなっているのならどうにか納得できるが、鞘すら腰から消えている。
解けそうもない疑問に悩み続けてもどうにもならないので、僕はあてもなく歩き出した。
目の前を赤色の光が過ぎる。
と、おもったら、青い光や、黄色い光、色とりどりの光が流れ星のようにそこ等中に現れる。
下のほうでは漆黒の闇が渦巻き、どこからか、ぐにょんぐにょんという奇妙な音も聞こえてくる。
どこだったかで見たような光景だ。
瞬く間に完成した世界。その光景は混沌と呼ぶに相応しい。思わず見惚れてしまう。
「ここまで来い」
男の声が聞こえた。聞き覚えのある声だ。多分耳鳴りとか気のせいとかそういう類ではない。
聞き逃さぬよう目を閉じ、続いて流れ込んでくる男の声に意識を集中した。
「手を翳し
光を欲し
こう、呟け」
( ^ω^)「……Farland History?」
そう呟いた瞬間、目蓋の向こうから光が押し寄せ、僕を包んだ。
( ^ω^)「……また?」
ゆっくりと目を開けると、先ほどまでの混沌の世界はなかった。
再び訪れた、ほぼ真っ暗の世界。ほぼを埋める部分は、かすかな光。
それに向かって歩き出そうと足を一歩進める。すると、パッと辺りが明るくなった。
辺りを見渡すと、ここは部屋だった。
僕の部屋ともさほど変わらない、広いともいえなく狭いとも言えない普通の部屋。
そして、目の前には赤いマントに身を包んだ茶髪の少年が立っていた。
( ・∀・)「ようこそ、君は辿り着いた」
と、少年は言う。
( ・∀・)「ここは物語の終着点、君のお話はもうお終い」
この口調には、聞き覚えがある。
忘れもしない。僕が、FHに引きずり込まれた時だ。
( ^ω^)「お前が、僕を引きずり込んだのかお」
( ・∀・)「如何にも。だが引きずり込んだ、と言う言い方はやめて貰いたい」
といって、後ろにあったPCの画面を指差す。あの光、これだったのか。
そこにはこう書かれていた。
「ようこそ、君は選ばれた
URLをクリックすれば夢の国
魔法使いもいれば忍者もいる
君に一本の剣を授けよう」
( ・∀・)「僕だって無闇に人を引きずり込んだりはしない、君がここに来たのは同位の上で、だろう?」
思わず言葉を失った。
そうじゃない、と言いたかったが。飼い猫が勝手に押してうんぬんなんて言うのも尺だ。
ここはとりあえず、黙っておこう。
( ・∀・)「本題に入ろう。君は見事魔王を倒し、物語を終わらせた」
( ^ω^)「……! 本当かお」
( ・∀・)「君の最後の一撃が、魔王に止めを刺した。その際に君の剣は君の魔力を受け止めきれず、消滅してしまったがな。同時に鞘も粒子となって消えたはずだ。
ようやく物語は終焉を向かえ、丁度言い具合に光が目くらましになったのでその隙に君を異空間に転移した」
よかった、やはり魔王は無事に倒せていたんだ。しかし、
( ^ω^)「さっきから言ってるけど、物語? どういう事だお」
少し低い声で僕はフットに問う。
( ・∀・)「そうだな、どこから話したものか……」
男は椅子に腰掛け、
( ・∀・)「今から全てを話そう。だが、怒らないで聞いて欲しい」
と言って、話を始めた。
( ・∀・)「まずは自己紹介からだ。わが名はフット、FHの神なる存在」
( ^ω^)「同じようなことを有為と言う奴が言っていたお、それによくよく考えればお前は一度有為と、僕の夢の中に来てるお?」
( ・∀・)「ゔ……」
顔を歪めるフット。
少し俯くと、指をぱちんと鳴らす。するとPCの画面が歪み、人影が現れた。
( ^ω^)「……! あんたは」
((^▽^))「だからやめようと言ったんだ、フット。しかもわざわざこの僕を使って」
(;・∀・)「う、うるさい有為! そういう意味深な演出をしてみたかったのだ」
(;^ω^)「ど、どういう事…」
((^▽^))「ブーン君、おめでとう。そして、謝るべきだね。その……まぁ夢の件はホントに意味は無いんだ。
ただ僕はフットにブーン君の夢の中にお邪魔して適当に意味深なことをしろって言われただけでね……」
( ^ω^)「はぁ……」
呆れた。
なんかもう怒る気にもなれない。
フットはコホンと咳払いをし、気を取り直したのか真面目な顔に戻る。
( ・∀・)「神というのは、退屈なのだ」
( ^ω^)「いきなり言われても…」
( ・∀・)「黙って聞け。少し前に”神の試練令”が出された。神にも上が存在してな、
定期的に各自の管理する世界に試練を与えろ、と命令が下るのだ」
( ^ω^)「それってまさか…」
( ・∀・)「そう、魔王。私に出された試練の内容は、12年前に封印した魔王をFHに解き放つことだった。
何しろ自然災害程度の知れんじゃあいつらは屁でもないからな。
そうして、私は一枚の紙切れをFHに放った。君も知っているだろう?」
( ^ω^)「VIP先生が持っていた、あの魔王復活の紙だお?」
( ・∀・)「その通り、私は必然的に魔王が復活するようにあれを放った。そして結果的にVIP先生の手によって魔王は復活した」
((^▽^))「しかしフット、あの紙もちょっと不自然すぎやしなかったか?」
(;・∀・)「う、うるさい!」
( ^ω^)「お前…! そのせいで沢山の人が死んだんだお! 梅しそさんも…!」
( ・∀・)「試練もなしに、犠牲もなしに生きていこうなんておこがましい事とは思わないか?
人間とは試練を得て成長していくのだ。君らの神だってそうしているだろう? 災害など…」
((^▽^))「フット!」
(;・∀・)「ム、これは禁句だった。失礼、忘れてくれ」
( ^ω^)「……じゃあ、どうしてそんな回りくどい事をしたんだお」
( ・∀・)「例によって神の試練にもルールがあってね。君は回りくどいことなんかしなくても、
さっさと魔王を下界に放てばよかった。と言うんだろ? それはまぁルール違反というやつなのだ」
((^▽^))「今回のもギリギリだったけどね。それよりフット……わかってるよね?」
(;・∀・)「む、ああ! 勿論ルールについては詳しく話すことは出来ない」
ブーンは魔王の件については、まぁ納得はしなかったもののある程度理解した。
しかし、まだ疑問は消化しきっていない。
( ^ω^)「何で僕を、FHに引きずりこんだんだお?」
( ・∀・)「…僕はさっき、神は退屈だといったね?」
( ^ω^)「すると、要するに僕は神フット様の退屈しのぎだったと言うわけかお」
( ・∀・)「良い気分ではないだろうが、この際ハッキリ言っておく。その通りだ。
君は僕がプレイした君の物語という名の育成ゲームの主人公だったと言うわけだ。
正直、我がFHの住民達と魔王との戦いなんてまったく興味がわかなかった。
そして、退屈していたときに私は思いついたのだ。君の世界から、人間を一人此方に送りこもうと。
それで退屈は消えるだろうと思った。なぜなら君らの世界の人間は、僕の世界の人間が進化の過程では得ることの出来なかった、
アビリティ”クオリティ”を発動させられる可能性を持っているからだ」
と、フットは無表情で僕に言い放った。
それを聴いた瞬間僕の中で直線にピンと張られていた何かがプツン、と綺麗に音を立てて切れた。
顔には、笑みさえ表れていた。思わず、僕は拳を振りかざし、フットに向かって駆ける。
(#^ω^)「ざっけんじゃねぇぉぉおおおお!!!」
所変わって、セレスの町のゲート前。
戦いを終え三人の人影が町に戻ろうとしていた。
.*(‘ ‘)*「貴方達、他の人たちは!?
从;゚∀从「お、おまえら! やったんだな、魔王を倒したんだな!?」
( ^д^)「ああ、倒した。んで他のやつらも後から来る」
すごい勢いでのうぇ問い詰められたでっていうは険しい顔でそう言った。
背にはカバの姿があった。地形が解けてすぐに全身から血が噴出し、気絶してしまったので背負ってきたのだ。
.*(‘ ‘)*「本当に良く……、倒せるとは思っていなかったわ、正直」
(´・ω・`)「あらま、酷い言い方。この僕が頑張ったんだぞ。……であんた誰?」
(,,゚Д゚)「幻想郷の国王だった巫女……だ。しかし、確かに魔王はとんでもなく強かったが…、それでもあの程度の奴にVIPや轟達が殺されたとは考え難い」
.*(‘ ‘)*「……魔王は論破国王とたまうさって子との戦闘で深手を負い、当然変異を起こした結果、巨大な姿へと変わった。
今回勝てたのはそのおかげね、そうでなきゃ、とてもじゃないけど貴方達だけじゃ倒せなかった。
12年前の魔王はそれはもう、私程度じゃ一瞬で消されてしまうほどに強かったの」
( ^д^)「姉ちゃん…」
(,,゚Д゚)「ま、勝てたから良いがな。それより、その件について詳しく話してくれないか?
俺が黄金宮殿の探索後、放浪のたびに出た後一体何があったんだ?」
.*(‘ ‘)*「そうね…、そろそろ話さなk」
(雅 ひ )(シ ひ )(レ ひ )「どけどけぇぇえええええ!! 隊長のご報告だぞ」
(;,゚Д゚)「ロンッッ!!」
突如現れた天使隊の三人によって、二人の話は遮られた。
三人のよくわからないタックルで吹っ飛ばされた夢ムラは、そのまま倒れこみ、諦めたようにため息をついた。
そんな彼を申し訳なさそうに見つめながら、カクンテがゲート前に到着する。
その後ろに、キニ、傘棚、マジカ、天武、ステイの姿もあった。
( ^ー^)「やはり、周辺を探索してみましたが……ブーンさんの姿はありませんでした」
(;^д^)「ちゃ、ちゃんと探したのかよ!」
('A`)「ダメだろうな……なんつったって、一応探索専門のカクンテが探したんだもんな」
.*(;‘ ‘)*「ちょっと待って、あの子がどうしたの?」
巫女の問いに、カクンテは重たそうに口を開き、もろもろの事情を話した。
.*(;‘ ‘)*「そんな…! あの子は魔王と刺し違えたの!?」
( ^ー^)「彼の攻撃で完全に視界が奪われ、目を開けるともうそこにはブーンさんと魔王の姿はありませんでした。
しかし、一つ奇妙なことが」
.*(;‘ ‘)*「と、言うと?」
( ^ー^)「魔王の魔力の残りカスが僅かに空気中に漂っているのに対し、ブーンさんの魔力は微塵も感じられないのです」
.*(;‘ ‘)*「なんですって? ……待って」
会話を中断し、巫女は眉間に皺を寄せ考え込む。
.*(;‘ ‘)*「あなたは、あの子が魔王に止めを刺した際に発生した衝撃波であの子は消し飛んだと言うのね?」
( ^ー^)「ええ、状況的に考えて。あくまでも私の推測ですが」
.*(‘ ‘)*「実際に貴方はそれを見ていないのね、だとしたらあの子はもしや……空間転移…?」
(;^ー^)「空間転移…ですか? しかし、あの者が魔術の超高等技術である空間転移を使えるとは思えませんし、
第一状況的に無理があります。あの場面で空間転移を使う必要がない」
.*(;‘ ‘)*「そうよね……ごめんなさい、変な事を言ったわね。忘れて頂戴」
誰も言葉を発することなく、訪れる静寂。上から圧し掛かるような重い空気。
すこしして、独り言のように天武が空に向かって呟いた。
( ` ′)「俺の命を預けたまま死ぬなど許さんぞ……ブーンよ」
そして、でっていうも似合わない弱弱しい声で呟く。
( ^д^)「どこいったんだよ…、生きてるんだろ? ブーン」
ゴッ、と乾いた骨の音が静かな個室に響き渡った。
頬を押さえ無表情で、目の前の興奮しきっている男の目を真っ直ぐに見つめるフット。
その先で、振り切った右手を前に突き出したまま、興奮に息を切らすブーン。
その光景を、横から無言で見つめる有為。
(#^ω^)「はぁ、はぁ」
正直拍子抜けな気もする。まさか本当に殴れるとは思っていなかったから。
そうとわかっていて突っ込んだ僕も馬鹿だが、それは本能のせいだ、仕方が無い。
とまぁ御託を並べてみる、何はともあれ少なからずは気持ちがスッキリした気がする。
( ・∀・)「痛いな、何年ぶりだろうか。痛みなんて感覚を味わったのは。
流石は私の加護を受けているだけのことはあるな」
( ・∀・)「さて、この感動は後でじっくりと味わうとするよ。話の続きだ。
まず、さっき言ったとおり僕は物語の主人公を君らの世界から探した。勿論、君のことだ。
時期が丁度魔王復活の時だったのでね、どうだい? 僕の予想通り面白い展開になっただろう」
( ^ω^)「こちとら全然面白くねーお、テメェのオナニーのおかずになったなんて未来永劫人類最大の恥だお」
( ・∀・)「……君がFHに来る途中、僕は君が戦いの道へ進む切っ掛けとなるよう、いくつかの力を託した」
( ^ω^)「有為は三つといってた……一つは剣、二つ目はFT。もう一つがどうしても分からんお」
( ・∀・)「うむ、無理もないな。三つ目は君のクオリティを目覚めさせる為の力だ。
勿体無いことに君たちの世界の人だけではクオリティを発動させることが出来ないんだ。
体や、心が耐えられないからね。だから僕の力を少しだけ分け与えた」
( ^ω^)「………ところであの剣は、結局なんだったんだお」
( ・∀・)「君が知っている通り、あの剣の本質は神風などではない。というよりも、神風なんてアビリティ最初からついていないんだ」
( ^ω^)「……?」
( ・∀・)「あの剣の力は君のアビリティ”クオリティ”、分かりやすく言うと、君の心の強さに比例する。
ここまで言えばもう分かるだろう?」
( ^ω^)「僕の最初に思ったことが剣に反映した結果、神風がついたと言うわけだお?」
( ・∀・)「正確に言うと君が始めに強く思った事は”自分の足で歩きたい”だった。その思いを剣が読み取り、神風となった。
そもそも君は疑問に思わなかったのか? なぜ謎の剣についているアビリティが”神風”なんて
才能があれば誰でも習得できるような平凡なモノだったのか」
( ^ω^)「全く気に掛けなかったお? むしろ特別なモノだって思ってたお」
( ・∀・)「……」
ビッー! ビッー!
突然鳴り響く、機械音。発生源はフットのパソコンだった。
いつの間にか腰を下ろしていた有為は立ち上がって、パソコンの方まで移動する。
画面を見てため息を一つつくと、フットに言った。
((^▽^))「来たよ、神さん」
( ・∀・)「……思ったよりも早かったな」
( ^ω^)「なんだお、何が起こってるんだお?
( ・∀・)「そろそろだと思っていたが。君が魔王を倒したことで、僕が君を君の世界から連れ出したことが君の世界の神の奴に完全にバレた」
言いつつフットもパソコンの方へ移動し、カタカタとキーボードを打ち始める。
すると段々と僕の体が透け始めていくのが分かった。
( ^ω^)「どっちにしろ規則違反かお。けど、ようやく僕は元の世界に戻れるのかお?」
( ・∀・)「ああ、今更だが、本当にすまなかったね。まぁ私もこれから神さんによるキツイ押しおきだ」
( ^ω^)「自業自得だお」
カタカタとキーボードを必死に打ちながら、フットはハハッと笑った。
((^▽^))「僕からも謝らなきゃいけないね。すまなかった、ブーン君」
( ^ω^)「有為は謝ることないお、ちょとだけ手伝っただけだし、それもこの糞神に無理やりやらされたんだお?」
((^▽^))「あはは、西行寺幽々子様の自作フィギアを人質に取られてしまったね」
(#・∀・)「………ベキッバキッ」
( ^ω^)「それに有為には感謝してるお。僕に稽古を付けてくれたりヒントを与えてくれたりしてありがとうだお」
((^▽^))「そう言ってくれるのか……うん、どういたしまして。ってそれよりフット!!」
( ・∀・)「おっとスマナイ。消えかかっている最中になんだが、君が物語をクリアした褒美として、君の願いを一つだけかなえてやろう」
( ^ω^)「……なんでも?」
( ・∀・)「ああ、君が考え付く程度の願いなら、な」
( ^ω^)「じゃあ、お前に死んでもらいたいお」
( ・∀・)「それは無理な願いだ。神の力を超えている」
( ^ω^)「…………」
なんていうのは冗談だ。
願いなんて悩むまでもない。聞いた瞬間、いや、聞く前からずっと願っていたことだ。
こいつの前では大袈裟なリアクションは取りたくないが、僕は今とてもうれしい。
そんなわけで嬉しさ余って冗談を吐いてみたわけだが。
( ・∀・)「あと、10秒」
二人に見守られる中、僕の体はもうずいぶん透けてきている。
大きなため息を一つ。
((^▽^))「5秒だ」
思いのほか緊張してきた。
思わず興奮のあまり噛んでしまいそうだ。
ゴクンと大きく唾を飲み、僕はゆっくり、ハッキリと言葉を述べる。
( ^ω^)「僕の」
( ・∀・)「……ッ3秒!」
( ω )「願いは─────」
偉大なる、ショタコン王国の国王を─────
( ・∀・)「行ったか。さて、また退屈が繰り返されるわけか……」
((^▽^))「物語は楽しめたかい? フット」
( ・∀・)「嫌味か? 本当に悪い事をしたと思っている。願いを三つにしてやればよかったかな?」
((^▽^))「もうどうにもならないだろう。そんじゃ、僕は帰るよ」
( ・∀・)「待て、逃げる気か!?」
((^▽^))「君の責任でしょ。それじゃ、ばーい」
と言って後ろ向きで手を振り、有為はパソコンの画面の中へ入っていった。
((^▽^))「可愛そうなブーン君。そんな君に、もう一つサプライズ」
次元の割れ目、空間の狭間、といった所だろうか。
景色が高速で後ろに流れていく。向かっている先は…多分日本、僕の家。
光が走り、闇が渦巻き、おまけに変な音も聞こえる。FHに来た時とほとんど一緒だ。
只一つ違うのが、大小のモニターの様なものがそこ等中にある。
そこに映し出されているのは、人だったり、建物だったり、声も聞こえる。
推測だが、別の次元の世界なのだろう。なんとなくそんな気がする。
( ^ω^)「本当にあいつは願いを叶えてくれたのかお」
なんともモヤモヤした気分だ。誰もいないのを良いことに、僕は一人呟いてみる。
願いを叶えてくれるのはあの胡散臭い神様、フットだ。不安で仕方が無い。
それにもう一つ、モヤモヤの原因がある。
やはりなんと言っても皆とちゃんとお別れできなかった事だ。
FHでは沢山の人に世話になった。一人一人に、ちゃんとありがとうを言いたかった。
( ^ω^)「あのフット野郎……」
苛立ちも加わる。
せめて、最後に皆の姿を一目でいいから見たかったと、ブーンは思った。
「おい、あれ…!」
( ^ω^)「!?」
何処かからは分からないが、男の声がした。それれもよく知っている、どこか安心する声だ。
完全に空間の流れに身を任せた体をバッと起こし、前を見た。そこにあったのは大きなモニターだった。
(;^д^)「梅しそぉお!! おま……生きてたの!?」
( -∀-)「むにゃ……梅しそ……?」
そこには何かを指差すでっていうと、それに背負われるカバが映っていた。
二人の発する言葉に、心臓がトクントクンと高まっていく
そして次の瞬間、
川 ゚ -゚)「私は……」
画面に現れたのは、大切な人。僕の胸の中にある何かが音もなくはじけた。
( ;ω;)「梅しそさん」
思わず、届くはずのない彼女に手を伸ばす。
涙がぶわっと溢れ出し、空間の流れに置いていかれる。
从*゚∀从「こくお――――っ!!」
.*(;‘ ‘)*「よかった……本当に……」
川 ゚ -゚)「私はたしかに死んだ……だがブーンが生き返らせてくれた」
.*(;‘ ‘)*「なんですって!?」
( ^д^)「それはどういう…!? ブーンは何処なんだ?」
川 - )「彼はニホンに帰った。けどハッキリと聞こえた、確かにブーンの声だった。私を、生き返らせてくれと」
(;^д^)「???」
(;^w^)「生き返らせた…? 再生魔術、いや……一体……?」
从*゚∀从「まぁ、とりあえず良かったじゃないか国王。今回は本当ブーン様様だな」
('A`)「にしても不思議だなぁ……。なんつーか、魔王を倒すために突如現れた異世界のナイト様……ってか?」
( ` ′)「はて、異世界」
(´・ω・`)「ニホン……」
爪*゚ー゚)「ニホン……」
(*^∀^)「ニホン☆」
(,,゚Д゚)「ニホン!? 何のことだかさっぱりだゴルァ!!」
J(◔ิ∀◔ิ)し「あ、知らない感じ? ぶふwww言っちゃだめだよ嫁は蒼星石ちゃんww」
(* - )「……どうでもいい」
場は段々と活気付き、賑やかな雰囲気に染まっていった。
一方僕は、その光景をただジッと無言で見ていた。流れる涙は相変わらず流れていく。
グッと、涙を拭ったその時だった。
( ゜ω゜)「────!」
川 ゚ -゚)「────ッ」
確かに、梅しそさんと視線が重なった。
いや、彼女だけではない。気付けば皆の視線が僕に向けられていた。
皆は少しの間ポカンとすると、ニッコリと笑顔で手を振った。
僕も手を振り返す。本当に見えているのだろうか、伝わっているのだろうか。
川 - )「ありがとう……ブーン」
そう言って、梅しそさんも必死に流れ出る涙を拭う。
そして涙を拭き終えると、万遍の笑みを僕に見せつけた。
( ;ω;)「あっ……」
それを最後に、モニターが糸が切れたようにプツンと消える。
さらに速度を上げる空間の流れ。流れる涙を拭うことさえ忘れ、僕は何度もありがとうを呟いた。
複線回収し忘れないか不安
つーかプロットなんて投げ出したから複線って言うほど複線なんてほとんどないぜ
最近狂乱腐ってきたが先週ちかのパンテーラが会ったから今週も見てしまう
仕事忙しし死しししいぃぃぃぃぃぃぃいいいいいおおおおおおおおおおおおおお
最終更新:2008年07月12日 22:23