「第1話 深夜の逢引」
午前2時、国民が全員寝静まったところを見計らってイミフはこっそりと寝床を抜け出し、
イミフのベッドへと潜り込んだ。
「口裂けかわいいよ口裂け、たまらないよぉ、ハァハァ……」
息が荒くなっているのを意識しながら、イミフはぼんやりと口裂けの体をなで回しはじめた。
「いい足してるよなぁ、ガッチガチのムッチムチ、むっはーッ!」
凶暴な性衝動が沸き上がるのを感じる。
むちゃくちゃに口裂けを抱き締めたい。
服を引き裂いて、その肌に唇をつけたい。きゃしゃな二の腕をつかんで力いっぱい握りたい。
後ろから思う存分、刺し貫きたい――
高熱を出しているように顔をほてらせながら、イミフは口裂けの足に唇を押し付けた。
舌先で、ほんの少しだけ、肌を味わう。とたんに、口裂けの体がビクッと震えた。
イミフははっと顔を放し、口裂けの顔を見た。
目をギュッとかたくとじ、こぶしを握り締めて、わずかに息を荒くしている。
起きている。そう悟って、イミフは緊張し、次いで、興奮を覚え出した。
起きているのに、抵抗しないということは、無言でイミフに許しているのだ。
誘っている。
イミフの興奮は、極限に達した。
「口裂けっ!」
咳き込むように叫びながら、イミフは口裂けのきゃしゃな体を抱き上げ、抱き締めた。
骨細で、肉の薄い肩は、両腕で抱き締めると、腕が余ってしまうくらいの頼りなさだった。
それがいとおしく、イミフは思い切り腕に力を込めた。
イミフの抱擁は強すぎたが、口裂けはまゆをしかめながら、それに耐えた。
戦争直後で疲れているにもかかわらず、イミフが自分を抱き締めてくれたのが、
限りなく嬉しかった。
好きな男だから、骨がきしむほど抱かれても、体に触れられても、興奮した。
「イミフ……私のこと好きにしていいよ」
第2話へ続く
最終更新:2007年08月23日 22:04