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( ^ω^)がFHの世界に飛び込むようです 第六話

第六話 乾杯


そこだけは死の匂いが充満していた。
当たり前だ。たった一人を除いて他はみんな死んでいるのだから。
何もかもが曖昧。ここがどこかも分からない。色彩も不明。
そこで一人たたずむ男。それが持つナイフがギラリと光る。そしてこちらへ投げる。それ
は、ありえない速度でナイフが近付き──────



(;^ω^)「・・・夢かお・・・」

そこで目が覚めたブーン。
汗びっしょりである。

(;^ω^)「ああ・・・服臭いお・・・」

(´・ω・`)「おや、目が覚めたかい」

ガチャリと扉を開け登場する名無し。

(;^ω^)「あ・・・名無しさん。おはようごさいますお」

(´・ω・`)「何がおはようだ。もう昼の三時だ。丸一日寝てたんだ君は」

(;^ω^)「す、すいませんお・・・」

言いながらベットの横に座る名無し。

(´・ω・`)「さて、君を丸一日寝込ましたあの丸薬についてなんだが」

忘れもしない。言葉に出来ない痛みとかそういうものじゃなくてもっとおぞましいものが
体の中に入り込んで破壊される感覚。
それを思い出してブーンはゾッとした。

( ^ω^)「・・・はいですお」

(´・ω・`)「うん。あれはね、君の能力自体をあげるものじゃない。いうなれば君は昨
日となんら変わりはない」

うなずくブーン。

(´・ω・`)「ただ、潜在力を引き出すものだ。簡単に言えば君の限界点が上がったって
ことだ。」

(?^ω^)「限界点?」

(´・ω・`)「人には誰だって鍛えれば鍛えるほど強くなるわけじゃない。限界がある。
そのことだよ。」

(´・ω・`)「まぁ君自身の器を大きくした、と思ってもらえればいい。君の器には今ま
で水が1㍑までしか入らなかったが、あの丸薬の効果で・・・まぁ2㍑は入るようになっ
た。」

(!^ω^)「なるほどですお!限界が増えただけで能力は上がってない、そういうことで
すかお!」

(´・ω・`)「そうだ。あともう一つあの丸薬には効果がある。」

( ^ω^)「なんですかお?」

(´・ω・`)「体が危険を感じると魔力が爆発的に上がる。」

( ^ω^)「おっおっおwwwなんかすごそうですおwww」

(´・ω・`)「うん。まぁすごいが・・・」

( ^ω^)「・・・?」

名無しが少し険しい顔をする。

(´・ω・`)「君の魔力を水、せき止めている体や精神をダムとしよう。」

(;^ω^)「は、はぁ・・・魔力使ったことないですが・・・」

(´・ω・`)「なに、精神面の修行は私が引き受ける。魔力査定や属性もまた今度見てや
ろう。」

(!^ω^)「なんかすごそうですおwwwww wktk」

(´・ω・`)「うん。で、さっきの話の続きだが、ダムにその許容量を超える水がくると
どうなる?」

許容量以上の水?そりゃあダムが・・・

( ^ω^)「・・・ダムが崩壊しますお」

(´・ω・`)「そうだ。ダムの崩壊は身体の崩壊だ。自分以上の強さが一時的には出るが
後のことは分からん。死ぬかもしれんな」

(;^ω^)「そん────」

(;*゜ー゜)「ブーン君!」

ブーンの嘆息は慌ただしく参入してきた我が師によってかき消された。
リップルはブーンに近付き、

( *゜ー゜)「大丈夫?」

と聞いてきた。

( ^ω^)「大丈夫ですお!今からでも訓練出来ますお!」

(´・ω・`)「いや、それはやめといてもらいたい」

急に口を挟んだ名無しをキッと睨むリップル。

( #゜ー゜)「あなた・・・自分のしでかしたこと分かってるの?それがまだブーン君の講
師を続けられると思ってるなんて・・・」

(´・ω・`)「まぁまぁ。いいじゃないか、生きてるし。精神面を鍛えるなら僕の方が適
任だと思うんだが」

ピリピリした空気。ブーンは二人がなんで争っているのか分からない。

(´・ω・`)「それに────君は教え方が下手だ。ただ打ち合ってるだけなんて──」

その後の言葉はバットを振る轟音で消された。

(´・ω・`)「また喧嘩か・・・」

刀でバットを受け止める名無し。
・・・ブーンは、この人が喧嘩をよくする理由が分かったような気がした。
一言多い。それだけ。

( #゜ー゜)「訳も分からないブーン君にあんな丸薬を飲ませるあなたのほうがよっぽどな
の・・・!」

(;^ω^)「あ、あの、やめてくださいお!」

ブーンが叫んでシンとなる宿屋の一室。リップルが申し訳なさそうに目を伏せる。

( *゜ー゜)「ごめんなさいなの・・・ブーン君。」

( *゜ー゜)「でも・・・わたし、心配で・・・」

バットを下ろすリップル。顔は俯いたまま。
名無しはイスから立上がり、

(´・ω・`)「じゃあそろそろおいとまするよ。明日の午前8時に広場で色々と君を調べ
ようと思う。」

と言い、部屋から去っていく。扉が完全に閉じた後、

( *゜ー゜)「じゃあ・・・私は明日午後六時ロザリアの時計台で待ってるね?幻想郷に仕
官するから。」

( ^ω^)「わかりましたお!」

( *゜ー゜)「あと、安静にしててね。まだ動けるような状況じゃないし。」

リップルがベットの横に座る。
・・・体は動かそうとすれば動くが、今は全身がとにかくだるく、重い。

( *゜ー゜)「だからね、今から私が付きっきりでここにいようと思うの。」

は・・・?今、なんと?瞬間、ブーンの頭の中をイケない妄想が駆け巡る。

( *゜ー゜)「お注射しまぁす♪」

簡単に言うとこんな感じである。発展が早い。

( *゜ー゜)「でね、ブーン君、やっぱりこういう時はリンゴよね。持って来たの。皮むく
けどいる?」

( ^ω^)「(おっおっおっwwwおっきしてきたおwwでも布団被ってるから楽勝だお
ww)」

( *゜ー゜)「ちょっとブーン君?聞いてるの?」

やっと問い掛けにブーンが気付く。

( ^ω^)「なんですかお?」

( *゜ー゜)「皮むくけどいるって言ってるの?」

皮をむく・・・?まさか・・・おっきしてるのg(ry




そうこうしているうちに時刻は午後九時を回る。

( *゜ー゜)「あ、そろそろ帰ろうと思うの・・・」

( ^ω^)「あ、わかりましたお、おやすみなさいですお」

( *゜ー゜)「飲み物はここに置いておくから。」

ベットの横の台に飲み物をたくさん置いていくリップル。

( *゜ー゜)「じゃあね、ブーン君!」

去っていくリップル。扉が閉じられてからもブーンはしばらくそれをみつめていた。

( ^ω^)「・・・寝るかお」

ブーンはだるい体にムチ打って電気を消し、倒れるように眠りについた。




朝八時。もうすでに広場、目の前には名無し。
朝起きると体が元どおりになっており、疲れは吹き飛んでいた。

(´・ω・`)「さて、昨日言ったとおり君の体を調べさせて貰う」

(;^ω^)「あ、あの・・・一つ質問なんですが・・・」

(´・ω・`)「なんだい」

(;^ω^)「調べるって、その・・・どんなふうに?」

何故か顔をイヤな方向にニヤけさせていく名無し。

(´・ω・`)「なに、解剖するだけさ」

ブーンの顔からサッと血が引く。

( ^ω^)「これで帰らせていただきますね。」

(´・ω・`)「冗談だ」

やはりこの男はブラックジョークと言うか、皮肉が得意であるようである。

(´・ω・`)「まぁ簡単な質問とテストだよ。しんどいことは何もない」

( ^ω^)「それなら全然OKですお!」

(´・ω・`)「じゃあまず属性から・・・」

それからいくつもの質問が続く。
そして答えが出る。

(´・ω・`)「うん。これで終わりだよ。」

( ^ω^)「結果はどうでしたかお!」

(´・ω・`)「うん。君は・・・風属性だ。僕と同じだ」

( ^ω^)「風・・・なんかピッタリですお!」

(´・ω・`)「まぁ属性は今は関係ないがそのうち関係してくる。では次は・・・」

(´・ω・`)「魔力適合を調べさせて貰う。」

(?^ω^)「魔力適合・・・?なんですかおそれは?」

(´・ω・`)「誰にも人間向き不向きがある。魔力をかけやすいものかけにくいもの・・
・その選定さ」

(´・ω・`)「例えば僕は存在の力に魔力で干渉することが出来る。」

( ^ω^)「存在の力・・・訳分かりませんお」

(´・ω・`)「どんな物にもあるだけで“そこにある”と存在を認識出来る。簡単に言え
ばそれが存在の力さ。僕はこれを魔力でコントロールして最小にも最大にすることも出来
る。つまり気配を殺せるってことだ」

なるほど。でもそれは・・・

( ^ω^)「それって・・・スパイとかなら最強じゃないですか?」

(´・ω・`)「そうだね、でも気配を0にできるわけじゃないし、強いやつは大抵暗殺対策をしている。」

自分は絶対にこんな人に狙われないようにしよう、と思うブーン。

(´・ω・`)「まぁそういうことだ。自分が魔力をかけやすいもの、あるいは身体の場所
を調べる。まずは・・・」

またクイズかお、と思ったブーンだったが、

(´・ω・`)「脱げ」

と言われた時には寒気が全身に走った。

(;^ω^)「ま、マジですかお・・・」

(´・ω・`)「当たり前だ。全身をくまなく調べなきゃならない。」

はぁ、と溜め息をつきながら服を脱ぐブーン。上半身を裸にし、名無しに向き直る。

(´・ω・`)「・・・何やってんだ。下も脱げよ」

( ^ω^)「ちょwww」

(´・ω・`)「・・・パンツも脱げよ」

(;^ω^)「・・・」

ブーンは、人生が終わったと思った。男に見られたって・・・致命的な欠陥がブーンには
あるのだ。もはや手術が必要なほどに。

意を決してズボンとパンツを手にかけ、一気に下げる。

(´・ω・`)「・・・短小包茎・・・」

( ^ω^)「・・・」

永遠に近い静寂が流れる。

(´・ω・`)「正直スマンかった、パンツはけ」

いそいそとパンツをはくブーン。

(´・ω・`)「じゃあ調べるが、我慢しろ。」

名無しがぺたぺたと体に触る。そして、鎖骨の少し上辺りで止まり、指を立て、

(´・ω・`)「ふむ、ここか」

瞬間、ドン、と電気ショックがブーンの体に走る。

(;^ω^)「~~~~ッ!」

それをいろんなところで繰り返す。腕、足、胸、額、脇腹、背中。計七回におよぶ電気
ショックはブーンからかなりの体力を奪う。

(´・ω・`)「ふむ。まぁ一応こんなものか、結果が出たぞ」

(;^ω^)「ど、どうでしたかお・・・」

(´・ω・`)「とりあえずもっとも魔力が通るのは足、通らないのは身体上はない。」

( ^ω^)「足・・・ですかお」

(´・ω・`)「そうだな、やはり君は忍者に向くようだ。足で相手を翻弄し必殺の一撃を
当てる。極めれば君はかなり強くなる。」

( ^ω^)「それと・・・通らないものはないって、じゃあ苦手分野なしってことですか
お?」

もしそうなったらいいな、と思ったブーンだったが、

(´・ω・`)「いや、絶対にある。身体上はないと言っただろう。まぁ、それについては
・・・」

名無しが持ってきた荷物をいじり、丸っこいボールくらいの大きさの粘土のようなものを取り出す。

(´・ω・`)「これに魔力を流し込めばいい。」

(;^ω^)「こ、この粘土は?」

(´・ω・`)「これはとても魔法に弱い、特殊な生物が練り混まれた粘土だ。ゆえに魔力
を流せば激しく弱るのだが・・・」

(´・ω・`)「彼らも生きるために対策をこうじててね。流れてきた魔力を一瞬のうちに
分析して魔力の通らないものに擬態することで完全には避けれないが、ショックを和らげ
る、そんなありえないことが出来るようになった生物だ。」

(´・ω・`)「まぁ気体や鉄になったりもするから驚きだ。」


( ^ω^)「結局・・・魔力を流せばどうなるんですかお?」

(´・ω・`)「粘土の材質が完璧に変わる。それだけだ。とりあえず僕がやってみよう」

粘土に名無しが力を入れる。その瞬間。信じられないことが起こった。

(;^ω^)「これは・・・ダイヤ?」

見間違うことなき金剛石である。

(´・ω・`)「宝石による魔力行使なんかは有名だが、僕はその全てが出来ない。ダイヤ
に限らずね。なかなか不便だよ、これは」

(´・ω・`)「さて、次は君の番だ」

気付けばダイヤは元の粘土に戻っていた。不思議なものだな、と今更に感じる。
ブーンとて魔力を使ったことはあまりないが、魔力の流し方くらいはわかる。
自分の中に流れる何かを流したい方向に垂れ流せばよいのだ。

それを思い出しつつ粘土を握る。ブーンは・・・とても緊張していた。
何せ自分の弱点が今からたたき付けられようとしているのである。緊張しない方がおかし
い。

集中する。流れるもののイメージ。それを、手から粘土に流す。その瞬間─────。

粘土が、消えた。

(;^ω^)「え?え?」

説明を願うように名無しを見る。名無しは少し考えたようなフリをした後、

(´・ω・`)「簡単だ。君は気体やら空気やらに魔力が通らない。単純な魔力の放出が不
得意ということだよ。」

(´・ω・`)「しかし・・・致命的なものが苦手だね、君は。魔力による急造の手裏剣と
か出来ないってことか」

(;^ω^)「それって・・・外界に魔力を具現化させるってことが全く出来ないってこと
ですかお?ほとんど何も出来ないんじゃ・・・」

(´・ω・`)「まぁそう落ち込みなさんな。」

( ^ω^)「・・・」

自分の弱点は致命的なものだった。少なからずショックだが、そこのところをあまり重要
に受け取らないのがブーンである。

( ^ω^)「まぁなるようになりますお!」

(´・ω・`)「まぁそうだね。ではもう時間が時間だし講座を終わろうか。もう一時だ」

もうそんな時間か、とブーンは思った。

(´・ω・`)「じゃあね」

街と逆の方向に消えるように去る名無し。
ブーンは、とりあえず飯食って・・・とこれからの予定を立て始めた。




あれからブーンは飯を食ってから狩りをし、午後六時にロザリアの時計台でリップルと落
ち合い、幻想郷国の管轄下の国の仕官やらを担当する場所で午後六時半、仕官の手続きを
終わらした。

(;*゜ー゜)「ふう・・・疲れたの」

確かに、同意書や誓約書などが多数ありなかなかに疲れるものだった。

(;^ω^)「酒が飲みたいですお・・・」

( *゜ー゜)「あら、それならちょうど良かったの。幻想郷国の国王が国民を引き連れて仕
官祝いをしてくれるそうなの」

(!^ω^)「ほんとですかお!早く行きましょうお!」

この数日間の間にブーンの見知らぬ人に対する畏怖感はほとんどなくなったようである。
憶した分が見られない。
リップルに酒場を案内され入る。賑わっている酒場・・・だが。

ブーンたちが入った瞬間、一気に静まりかえった。

(;^ω^)「お・・・」

なんだこれ、と思うブーン。そんなにも異分子なのか自分たちは。と思っていると一人の
人が立ち上がる。
まんま巫女の服装である。顔立ちは凛々しく、どこか高貴さを漂わせる。

*( ‘ ‘)*「リップルさん、ブーンさん、仕官を心から祝福するわ。同志の増員に皆一同、
乾杯!」

乾杯の音頭が響き渡った。



第六話  完

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最終更新:2007年12月13日 16:12
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