KRX/XXIX Cavaliere
概要
型式番号KRX/XXIX(KRX/29とも)。
カトラーデ・オードナンス社の技術の集大成として開発された第3.5世代OA。
同社の最高傑作と称される機体であり、その圧倒的な性能から、登場当初から第4世代OAが登場するまで、史上最強のOAとして君臨した。
開発経緯
・プロジェクト始動
2070年代、世界的なOA廃絶運動が進行する中で、
オリゴ国は戦術・戦略の見直しを迫られ、軍需産業も再編成されつつあった。カトラーデ・オードナンス社も表立った活動が困難となりながらも、自社技術の粋を結集し、いずれ訪れるであろう解禁の時を目指し次世代型OAへの基盤を築くことを目指していた。
その中でカトラーデ社が得たオリゴ兵器開発課提供の「マスター・ピース」(謎のOA)の実機データが開発の大きな転機となり、従来技術を超えたあらゆる面において高い能力を持ったOAの開発に取り掛かった。
マスター・ピースは2030年にオリゴ統合技術廠が公開した次世代型OAの理想モデルとされている。しかしその実態は、次世代機考察モデルにしては明らかに異常な能力を持っていた。2040年代「ブラム・プロジェクト」でこの機体の公開されていたデータから微かにそれを感じていたカトラーデ社は、2060年代以降密かに同機体の実機を入手、その完全再現に乗り出したのであった。
・開発課題
KRX/Y-XXIXとして開発がスタートした時、本機の開発要項は以下の通りだった。
1.駆動系の進化
マッスルパッケージ?を改良し、電磁多元筋繊維の応用をさらに推進すること。
KRX/XVI アングレッフ?ではマッスルパッケージは通常の駆動方式と併用して搭載される「バイナリー方式」が採られていた。だがこれは不必要な機体重量の増加やペイロード圧迫をし、この方式自体がマッスルパッケージ自体の信用性の低さから来る苦渋の決断に近かった。
本機では軽量化と大出力化、そして機体の80%以上をマッスルパッケージで構成する事を目的としていた。
2.不可視モード搭載型ECSの実装
それまで遠景からの目視発見率の低減やレーダー反応の消去などを行っていたECS(電磁統合迷彩システム)の強化。
中でも「不可視モード」と呼ばれる視覚的に完全に透明化する技術を実装することを目的とされた。
3.操縦系統の進化
従来のセミ・マスタースレーブ方式を洗練し、パイロットの動きをさらに精密に反映。これにより、動作応答性と直感的な操作性が向上させる。また、対話型の操縦補助AIを搭載することで高い汎用性とパイロットの状況判断を補佐する。
・完成と実戦運用
完成したKRX/XXIXはE系列、A系列などいくつかのバリエーションを生み出しながら配備された。上記の要項を完全に満たした本機は第3世代機に類を見ない高水準の性能を持ち、その能力は殆ど第4世代と大差がないほどであった。
特徴
本機の特徴は圧倒的な運動性能と隠密性能、そして幅広い任務に対応できるキャパシティの広さである。
マッスルパッケージを全身いたるところに装備した為に本体の能力は跳躍や走行だけでスラスターを用いた運動性能に匹敵し、スラスター類との組み合わせで純粋に他機種に比べ跳躍高度や瞬発力において3倍近いアドバンテージを持つ。
本機はステルスOAのパイオニアとなるべく、静粛性と低発熱量に優れた設計となっている。メインスラスターは展開式という珍しい構造をとっていたり、随所に独特の構造を持つ。
歩行音や駆動音に至ってはその気になれば全くの無音で移動可能。(戦闘機動ではないが)
また駆動系において完全なマッスルパッケージ化は機体容量の大幅削減に貢献しており、高度な電子戦装備を豊富に揃えることも可能となった。
中でもECSやセミマスタースレーブ、対話型AIは運動性能を全開にした機動戦から人質救出作戦のような繊細なオペレーションを求められる任務まで極めて幅広い作戦行動を有利に進める事が出来る。
配備と運用
本機はE系列とA系列が主となってオリゴ軍やCDSに配備されることとなる。
中でもE系列は本来のキャヴァリエーレでありながら、その高すぎる操縦難度のために配備されるのは極一部の特殊部隊にのみに限られていた。
バリエーションや派生型
・E系列 本機の完全仕様。本項はこれを取り扱っているが、実際の配備数はそこまで多くない。
・A系列 本機をなるべく一般パイロットでも扱えるように調整した本格量産モデル。運動性能等が落とされる代わりに装甲性能や稼働時間が多く取られている。
・E2系列 2100年代のフォーマットに改められ、改良が施されたE系列の強化版(仮)
仕様
諸元
- 乗員:1名
- 全高:17.8m
- 最軽重量:42.0t~
- 動力:NEKリアクター(イージス方式)
- エンジン:エミリーテック SST39 RV
- 推進器:マークスマンズ・エアー社製
BUSH-306A 熱核ロケットモーター×2(背部)
BUSH-306B 熱核ロケットモーター×2(脚部)
性能
- 巡航速度:80km/h
- 最高速度:265km/h
- 最高速度(スラスター込み):290.2km/h
- 航続距離:1360km
- 最大跳躍高(脚力):62m
- 実用跳躍高(スラスター込み):120m
装備
- 武装
- NM35 クロッカ 30mm近接防御機関砲×2
- イリコン・アームズ FLM-430 96mmライフル
- エリント・アーセナル BMR-334 アンベルカー ビームライフル
- 千花山重工 SCh-S334 ビームサーベル
- SCh-1200 対戦車ダガー
- カトラーデ・オードナンス Is-s202 単分子カッター
- Is-b09 OA用手榴弾
- Is-g445 ショルダーシールド
- Is-g445b(同、大型モデル)
- S-INB12 ワイヤーガン
- マニュピレーターツールモジュール?
- オフォーズA&M AS223 137mm滑腔砲
- AE-22 182mm狙撃砲
- エリント・アーセナル HMS-721 グラトール140mm散弾砲
- ヒンドリー・エレクトロニクス SLM-723 ヴァーパッド2
┗MIM-104 パトリオット等
高速運動エネルギーミサイル
- アビオニクス
- PSI-X026 双方向型操縦補助AI
- GAB-LS 53 OA用複合センサーユニット
- EQ-03 空間航跡追跡型レーダーシステム
- 統合戦術通信管制システム JCCS5 "マザーズ・ロザリオ"(電子戦強化ユニット装備時)
- ESSLD-47 多機能無線通信トランスミッター
- 展開式ベリスコープ
- セミ・マスタースレーブ・コントロールシステム
- 戦術情報処理装置 TDDS.4723
- 全天周囲モニターシステム
┗オールビューグラスコックピットシステム
- ECS関連
- ECS(電磁統合隠蔽システム) 不可視モード搭載型 EXE-1700iv
- ECCS(対電磁迷彩センサー)EYE-0992s
主要武装解説
胸部両脇に装備された近接防御火器。
口径は30mmとOAの防御火器でよくある60mmから大きく小型化された。
しかし30mmは皆もご存知あのA-10神のアヴェンジャーと同じ口径である。
また弾頭はタングステンGVCの合金であり小型化されてもさらなる威力向上が図られており、軽装甲なOAは浴びるだけで紙風船並にズタズタにされる。
- イリコン・アームズ FLM-430 96mmライフル
イリコン・アームズ社が製造する実弾ライフル。
第3世代OAを中心によく装備されている。タングステンとGVCの合金製弾頭を液体炸薬で発射するケースレス弾を用いており、OAの火器としては小口径ながら高い威力を発揮する。また水中や真空中でも射撃可能な驚くべき汎用性を持っている。
- エリント・アーセナル BMR-334 アンベルカー ビームライフル
エリント・アーセナル社開発のビームライフル。
コアユニットにバレルやストック、Eパック等のパーツを自由に付け替えることで性能を変更できる構造を持っていて、その汎用性の高さで高い採用率を誇る。
任務に応じて様々なパターンで使用されるが、平均して57mm程の威力と最大火力は少し控えめ。
だがビームライフルというものは基本的に通常の装甲目標に対して圧倒的に有利な武器であり、ぶっちゃけオリゴのライフルの中で低い威力なだけで、
何の対策もなしに受ければ文字通り一瞬で蒸発することとなる。
千花山重工開発のビームサーベル。
OAの近接武装の中で決定版とも称されるほど高い水準でまとまった武装「ビームサーベル」オリゴの中では千花山重工とオリゴ兵器開発課の製品がとても完成度が高いとされ、この2つがよく搭載される。
mfフィールドを袋状に展開し、その中にビームを放出する事で剣状に形成する技術はかなり高いレベルであり、このようなビームの近接武装はビームライフルの登場から半世紀近く経ってのことだった。
その分威力はお墨付きであり、対ビームコーティングなしでこのビームの奔流に触れた場合は即座に弾性限界を打ち破られて装甲が一切の抵抗無く切断されてしまう。
千花山重工開発の特殊兵装。
OAが投擲して使用する風変わりな装備であるが、マッスルパッケージの高い柔軟性と瞬間的なパワーの高さ、ロケットモーターによる加速でかなり高速で飛翔する。装甲に対して簡易的な単分子カッターと運動エネルギーによって貫徹した後、仕込まれた複数の対OA用成形炸薬弾で完全破壊するもの。
対戦車と名がついているが「対(GVCと同等の装甲をもった)戦車」であり、普通の戦車相手にこんなものを投げつけたらミンチより悲惨なことになる。
また爆発のタイミングは任意で設定可能、マニピュレーターから離さなければ単分子カッターのようにも使用できる。
- カトラーデ・オードナンス Is-s202 単分子カッター
カトラーデ社(カトラーデ・アームズ・ディビジョン)で開発された対ビームコーティング装甲を主眼においた近接兵装。
駆動式の刃の刃先が
分子間に入り込むほどに鋭利になっている。
このために
装甲材質を分子単位で切断可能という、既存の実体剣では考えられない圧倒的な切断性能を誇る。
一方で刃はいくら強化されているとはいえ非常に繊細のため、専用の鞘が用意されている。それでも一度の戦闘で使用限界に達するため実質使い捨て装備である。
- カトラーデ・オードナンス Is-b09 OA用手榴弾
カトラーデ社(カトラーデ・アームズ・ディビジョン)で開発されたOAが保持して投げる手榴弾。
マッスルパッケージの有効活用方法を模索するカトラーデ社の試作装備。グレネードランチャーのような推進能力を持ったものではなく、歩兵用の手榴弾の大型版といったイメージである。
- カトラーデ・オードナンス Is-g445 ショルダーシールド
カトラーデ社(カトラーデ・アームズ・ディビジョン)で開発されたOA用の小型シールド、
同社のOAにしばしば装備される防御兵装であり、半身の射撃姿勢の時シールドが自然とバイタルエリアを防御できるように肩部に固定装備されている。
裏面には小型装備のマウントラッチやマガジンを固定できる。
特殊兵装
- ECS(電磁統合隠蔽システム) 不可視モード搭載型 EXE-1700iv
本機の目玉となる特殊装備、
機体周囲のレーダー波や可視光を偏向、相殺、偽装して被発見性を著しく下げるものである。詳しくは
ECS(電磁統合隠蔽システム?を参照。
本機は中でも別格に優れたシステム搭載しており、全身各所に設けられた「ECSレンズ」と装甲下地に蒸着された特集素材、ホログラフィック用特集ガスの活用によってあらゆる方向からの可視光をほぼ完璧に偽装可能。つまり、完全な透明化が可能である。この機能を不可視モードと呼ぶが、これが他のECSと卓越した点であり、本機の高い静粛性と低排熱量を組み合わせることで、生身の人間でさえももはやそこに居ることすら感知できないレベルとなる。
その他
その他にも本機には様々なオプションや武装が用意されている。
必要なら追記するのでコメントで教えて下さいな
登場作品
関連項目
最終更新:2025年02月06日 21:07