「ミクと音楽家」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ミクと音楽家 - (2008/06/22 (日) 01:08:13) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

<p><font size="2">SSと言うよりは絵本や詩のようなものですが、某有名な絵本をモチーフ? に。</font></p> <p><font size="1">このSSは、自サイトからの転属です。</font></p> <p> </p> <p><a href="http://www7.atwiki.jp/vocaloidss/tag/%E3%81%82%E3%81%B2%E3%82%8B"><font size="2">他のあひるが書いたやつ</font></a></p> <hr /><p><font size="3">ある時 ミクは 娘でした お母さんの娘でした<br /> 突然していなくなってしまった娘さんの代わりでした<br /> お母さんは ミクを 愛していました<br /> 娘さんと同じくらい 愛していました<br /> でも ミクは お母さんを 愛せませんでした<br /><br /> ある時 ミクは 妹でした 兄さんの妹でした<br /> 交通事故で亡くなってしまった妹さんの代わりでした<br /> 兄さんは ミクを 愛していました<br /> 妹さんと同じくらい 愛していました<br /> でも ミクは 兄さんを 愛せませんでした<br /><br /> ある時 ミクは 恋人でした 男の人の恋人でした<br /> 他の人と結ばれてしまった昔の恋人の代わりでした<br /> 男の人は ミクを 愛していました<br /> 恋人さんと同じくらい 愛していました<br /> でも ミクは 男の人を 愛せませんでした<br /><br /> ある時 ミクは 親友でした 女の子の親友でした<br /> 遠いところへ引っ越してしまった親友の代わりでした<br /> 女の子は ミクが大好きでした<br /> 親友と同じくらい 大好きでした<br /> でも ミクは 女の子を大好きにはなれませんでした<br /><br /> ある時 ミクは お姉さんでした 男の子の姉さんでした<br /> お嫁に行ってしまった姉さんの代わりでした<br /> 男の子は ミクが大好きでした<br /> 姉さんと同じくらい大好きでした<br /> でも ミクは 男の子を大好きにはなれませんでした<br /><br /> 長い長い年月が経ちました<br /> いろんな人が ミクを愛してくれました<br /> 男の人がいました 女の人がいました<br /> 年老いた人がいました 若い人がいました<br /> みんなみんな ミクを愛してくれました<br /> でも ミクは 誰も愛せませんでした<br /><br /> ある時 ミクは ミクでした 誰のものでもありませんでした<br /> ミクは 一人ぼっちでした 誰の代わりでも 何の代わりでもありません<br /> 誰もミクを 愛してくれません<br /> 誰もミクを 愛してくれません<br /> ミクも 誰も愛せませんでした<br /><br /> ある時 ミクは 音楽家に会いました 唄えない音楽家です<br /><br /> ミクは 言います<br /><br /> 私は 娘だったことがあるのよ<br /> お母さんは 私を娘にして愛したのよ<br /><br /> 音楽家は 返します<br /><br /> ふうん そうかい<br /><br /> ミクは 言います<br /><br /> 妹だったこともあるのよ<br /> 兄さんは 私を本当の妹だって言っていたわ<br /><br /> 音楽家は 返します<br /><br /> へええ そうかい<br /><br /> ミクは 言います<br /><br /> 恋人だったことも あるわ<br /> 男の人は 昔の彼女より私がいいといったのよ<br /><br /> 音楽家は 返します<br /><br /> ほおう そうかい<br /><br /> ミクは 言います<br /><br /> 親友だったことも あったわ<br /> 女の子は ずっと私の傍を離れなかった<br /><br /> 音楽家は 返します<br /><br /> ああ そうかい<br /><br /> ミクは だんだん頭に血が昇ってきました<br /><br /> 私は お姉さんだったこともあるのよ!<br /> 私は お嫁に行かないから ずっと一緒よ!<br /><br /> 音楽家は こう訊きました<br /><br /> じゃあ 今 お前さんはなんなんだい?<br /><br /> ミクは困ります ミクは今 誰の何でもないのだから<br /> 誰の代わりでも ないのだから<br /> ミクは ただのミクでしかありません<br /><br /> 音楽家は 続けます<br /><br /> ぼかあ 唄えるんなら 誰でもいいんだ<br /> ぼかあ 唄えないからね<br /> 唄えないけど 音楽が好きなんだ 大好きなんだ<br /> 誰か 僕の歌を唄ってくれる人はおらんかね<br /><br /> お嬢さんは どうだい と音楽家は訊きます<br /><br /> ミクは 困りました<br /><br /> 私は ただのミクだけど それでいいの?<br /><br /> 音楽家は 答えます<br /><br /> ああ ただのミクがいい<br /> 誰の代わりでもなく ただのミクがいい<br /> 僕の歌を唄ってくれる ミクがいい<br /><br /> その日初めて ミクは 唄うミクになりました<br /> ただの 唄うミクです <br /> ミクは 音楽家のミクでは ありませんでした<br /> 音楽家も ミクの音楽家では ありませんでした<br /><br /> 毎日毎日 音楽家は 歌を作ります<br /> 毎日毎日 ミクは 歌を唄います<br /><br /> 音楽家は ミクの歌声が大好きでした<br /> ミクは 音楽家の作る歌が大好きでした<br /><br /> いろんな人が 音楽家の歌を大好きになりました<br /> いろんな人が ミクの歌声を大好きになりました<br /><br /> いろんな人が 音楽家の歌を奏でます<br /> いろんな人が ミクの歌を口ずさみます<br /><br /> 音楽家は ミクが大好きになりました<br /> ミクが ミクだから ミクが好きになりました<br /><br /> ミクも 音楽家が大好きになりました<br /> 音楽家が 音楽家だから 音楽家が好きになりました<br /><br /> 音楽家は ミクを愛しました<br /> ミクも 音楽家を愛しました<br /><br /> 2人の音楽は 音楽家が死んでも ミクが壊れても<br /> ずっと ずっと いろんな人が 唄いました<br /> ある人は ピアノで ある人は バイオリンで<br /> ある人は 絵にしたり ある人は お話にしました<br /><br /> 2人が死んでも 2人は生き続けました<br /> ある時は 五線譜の中に<br /> ある時は 鍵盤の上に<br /> ある時は 歌声のどこかに<br /> ある時は 笛の穴から顔をひょっこり出して<br /><br /> 2人の音楽は 今も誰かの耳をくすぐっています</font></p>
<p><font size="2">SSと言うよりは絵本や詩のようなものですが、某有名な絵本をモチーフ? に。</font></p> <p><font size="1">このSSは、自サイトからの転属です。</font></p> <p> </p> <p><a href="http://www7.atwiki.jp/vocaloidss/tag/%E3%81%82%E3%81%B2%E3%82%8B"><font size="2">他のあひるが書いたやつ</font></a></p> <hr /><p><font size="3">ある時 ミクは 娘でした お母さんの娘でした<br /> 突然していなくなってしまった娘さんの代わりでした<br /> お母さんは ミクを 愛していました<br /> 娘さんと同じくらい 愛していました<br /> でも ミクは お母さんを 愛せませんでした<br /><br /> ある時 ミクは 妹でした 兄さんの妹でした<br /> 交通事故で亡くなってしまった妹さんの代わりでした<br /> 兄さんは ミクを 愛していました<br /> 妹さんと同じくらい 愛していました<br /> でも ミクは 兄さんを 愛せませんでした<br /><br /> ある時 ミクは 恋人でした 男の人の恋人でした<br /> 他の人と結ばれてしまった昔の恋人の代わりでした<br /> 男の人は ミクを 愛していました<br /> 恋人さんと同じくらい 愛していました<br /> でも ミクは 男の人を 愛せませんでした<br /><br /> ある時 ミクは 親友でした 女の子の親友でした<br /> 遠いところへ引っ越してしまった親友の代わりでした<br /> 女の子は ミクが大好きでした<br /> 親友と同じくらい 大好きでした<br /> でも ミクは 女の子を大好きにはなれませんでした<br /><br /> ある時 ミクは お姉さんでした 男の子の姉さんでした<br /> お嫁に行ってしまった姉さんの代わりでした<br /> 男の子は ミクが大好きでした<br /> 姉さんと同じくらい大好きでした<br /> でも ミクは 男の子を大好きにはなれませんでした<br /><br /> 長い長い年月が経ちました<br /> いろんな人が ミクを愛してくれました<br /> 男の人がいました 女の人がいました<br /> 年老いた人がいました 若い人がいました<br /> みんなみんな ミクを愛してくれました<br /> でも ミクは 誰も愛せませんでした<br /><br /> ある時 ミクは ミクでした 誰のものでもありませんでした<br /> ミクは 一人ぼっちでした 誰の代わりでも 何の代わりでもありません<br /> 誰もミクを 愛してくれません<br /> 誰もミクを 愛してくれません<br /> ミクも 誰も愛せませんでした<br /><br /> ある時 ミクは 音楽家に会いました 唄えない音楽家です<br /><br /> ミクは 言います<br /><br /> 私は 娘だったことがあるのよ<br /> お母さんは 私を娘にして愛したのよ<br /><br /> 音楽家は 返します<br /><br /> ふうん そうかい<br /><br /> ミクは 言います<br /><br /> 妹だったこともあるのよ<br /> 兄さんは 私を本当の妹だって言っていたわ<br /><br /> 音楽家は 返します<br /><br /> へええ そうかい<br /><br /> ミクは 言います<br /><br /> 恋人だったことも あるわ<br /> 男の人は 昔の彼女より私がいいといったのよ<br /><br /> 音楽家は 返します<br /><br /> ほおう そうかい<br /><br /> ミクは 言います<br /><br /> 親友だったことも あったわ<br /> 女の子は ずっと私の傍を離れなかった<br /><br /> 音楽家は 返します<br /><br /> ああ そうかい<br /><br /> ミクは だんだん頭に血が昇ってきました<br /><br /> 私は お姉さんだったこともあるのよ!<br /> 私は お嫁に行かないから ずっと一緒よ!<br /><br /> 音楽家は こう訊きました<br /><br /> じゃあ 今 お前さんはなんなんだい?<br /><br /> ミクは困ります ミクは今 誰の何でもないのだから<br /> 誰の代わりでも ないのだから<br /> ミクは ただのミクでしかありません<br /><br /> 音楽家は 続けます<br /><br /> ぼかあ 唄えるんなら 誰でもいいんだ<br /> ぼかあ 唄えないからね<br /> 唄えないけど 音楽が好きなんだ 大好きなんだ<br /> 誰か 僕の歌を唄ってくれる人はおらんかね<br /><br /> お嬢さんは どうだい と音楽家は訊きます<br /><br /> ミクは 困りました<br /><br /> 私は ただのミクだけど それでいいの?<br /><br /> 音楽家は 答えます<br /><br /> ああ ただのミクがいい<br /> 誰の代わりでもなく ただのミクがいい<br /> 僕の歌を唄ってくれる ミクがいい<br /><br /> その日初めて ミクは 唄うミクになりました<br /> ただの 唄うミクです <br /> ミクは 音楽家のミクでは ありませんでした<br /> 音楽家も ミクの音楽家では ありませんでした<br /><br /> 毎日毎日 音楽家は 歌を作ります<br /> 毎日毎日 ミクは 歌を唄います<br /><br /> 音楽家は ミクの歌声が大好きでした<br /> ミクは 音楽家の作る歌が大好きでした<br /><br /> いろんな人が 音楽家の歌を大好きになりました<br /> いろんな人が ミクの歌声を大好きになりました<br /><br /> いろんな人が 音楽家の歌を奏でます<br /> いろんな人が ミクの歌を口ずさみます<br /><br /> 音楽家は ミクが大好きになりました<br /> ミクが ミクだから ミクが好きになりました<br /><br /> ミクも 音楽家が大好きになりました<br /> 音楽家が 音楽家だから 音楽家が好きになりました<br /><br /> 音楽家は ミクを愛しました<br /> ミクも 音楽家を愛しました<br /><br /> 2人の音楽は 音楽家が死んでも ミクが壊れても<br /> ずっと ずっと いろんな人が 唄いました<br /> ある人は ピアノで ある人は バイオリンで<br /> ある人は 絵にしたり ある人は お話にしました<br /><br /> 2人が死んでも 2人は生き続けました<br /> ある時は 五線譜の中に<br /> ある時は 鍵盤の上に<br /> ある時は 歌声のどこかに<br /> ある時は 笛の穴から顔をひょっこり出して<br /><br /> 2人の音楽は 今も誰かの耳をくすぐっています</font></p>

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー