「ミクと音楽家」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ミクと音楽家」を以下のとおり復元します。
<p><font size="1">SSと言うよりは絵本や詩のようなものですが、某有名な絵本をモチーフ? に。</font></p>
<p><font size="1">このSSは、自サイトからの転属です。</font></p>
<p> </p>
<p><a href="http://www7.atwiki.jp/vocaloidss/tag/%E3%81%82%E3%81%B2%E3%82%8B"><font size="1">他のあひるが書いたやつ</font></a></p>
<hr /><p><font size="3">ある時 ミクは 娘でした お母さんの娘でした<br />
突然していなくなってしまった娘さんの代わりでした<br />
お母さんは ミクを 愛していました<br />
娘さんと同じくらい 愛していました<br />
でも ミクは お母さんを 愛せませんでした<br /><br />
ある時 ミクは 妹でした 兄さんの妹でした<br />
交通事故で亡くなってしまった妹さんの代わりでした<br />
兄さんは ミクを 愛していました<br />
妹さんと同じくらい 愛していました<br />
でも ミクは 兄さんを 愛せませんでした<br /><br />
ある時 ミクは 恋人でした 男の人の恋人でした<br />
他の人と結ばれてしまった昔の恋人の代わりでした<br />
男の人は ミクを 愛していました<br />
恋人さんと同じくらい 愛していました<br />
でも ミクは 男の人を 愛せませんでした<br /><br />
ある時 ミクは 親友でした 女の子の親友でした<br />
遠いところへ引っ越してしまった親友の代わりでした<br />
女の子は ミクが大好きでした<br />
親友と同じくらい 大好きでした<br />
でも ミクは 女の子を大好きにはなれませんでした<br /><br />
ある時 ミクは お姉さんでした 男の子の姉さんでした<br />
お嫁に行ってしまった姉さんの代わりでした<br />
男の子は ミクが大好きでした<br />
姉さんと同じくらい大好きでした<br />
でも ミクは 男の子を大好きにはなれませんでした<br /><br />
長い長い年月が経ちました<br />
いろんな人が ミクを愛してくれました<br />
男の人がいました 女の人がいました<br />
年老いた人がいました 若い人がいました<br />
みんなみんな ミクを愛してくれました<br />
でも ミクは 誰も愛せませんでした<br /><br />
ある時 ミクは ミクでした 誰のものでもありませんでした<br />
ミクは 一人ぼっちでした 誰の代わりでも 何の代わりでもありません<br />
誰もミクを 愛してくれません<br />
誰もミクを 愛してくれません<br />
ミクも 誰も愛せませんでした<br /><br />
ある時 ミクは 音楽家に会いました 唄えない音楽家です<br /><br />
ミクは 言います<br /><br />
私は 娘だったことがあるのよ<br />
お母さんは 私を娘にして愛したのよ<br /><br />
音楽家は 返します<br /><br />
ふうん そうかい<br /><br />
ミクは 言います<br /><br />
妹だったこともあるのよ<br />
兄さんは 私を本当の妹だって言っていたわ<br /><br />
音楽家は 返します<br /><br />
へええ そうかい<br /><br />
ミクは 言います<br /><br />
恋人だったことも あるわ<br />
男の人は 昔の彼女より私がいいといったのよ<br /><br />
音楽家は 返します<br /><br />
ほおう そうかい<br /><br />
ミクは 言います<br /><br />
親友だったことも あったわ<br />
女の子は ずっと私の傍を離れなかった<br /><br />
音楽家は 返します<br /><br />
ああ そうかい<br /><br />
ミクは だんだん頭に血が昇ってきました<br /><br />
私は お姉さんだったこともあるのよ!<br />
私は お嫁に行かないから ずっと一緒よ!<br /><br />
音楽家は こう訊きました<br /><br />
じゃあ 今 お前さんはなんなんだい?<br /><br />
ミクは困ります ミクは今 誰の何でもないのだから<br />
誰の代わりでも ないのだから<br />
ミクは ただのミクでしかありません<br /><br />
音楽家は 続けます<br /><br />
ぼかあ 唄えるんなら 誰でもいいんだ<br />
ぼかあ 唄えないからね<br />
唄えないけど 音楽が好きなんだ 大好きなんだ<br />
誰か 僕の歌を唄ってくれる人はおらんかね<br /><br />
お嬢さんは どうだい と音楽家は訊きます<br /><br />
ミクは 困りました<br /><br />
私は ただのミクだけど それでいいの?<br /><br />
音楽家は 答えます<br /><br />
ああ ただのミクがいい<br />
誰の代わりでもなく ただのミクがいい<br />
僕の歌を唄ってくれる ミクがいい<br /><br />
その日初めて ミクは 唄うミクになりました<br />
ただの 唄うミクです <br />
ミクは 音楽家のミクでは ありませんでした<br />
音楽家も ミクの音楽家では ありませんでした<br /><br />
毎日毎日 音楽家は 歌を作ります<br />
毎日毎日 ミクは 歌を唄います<br /><br />
音楽家は ミクの歌声が大好きでした<br />
ミクは 音楽家の作る歌が大好きでした<br /><br />
いろんな人が 音楽家の歌を大好きになりました<br />
いろんな人が ミクの歌声を大好きになりました<br /><br />
いろんな人が 音楽家の歌を奏でます<br />
いろんな人が ミクの歌を口ずさみます<br /><br />
音楽家は ミクが大好きになりました<br />
ミクが ミクだから ミクが好きになりました<br /><br />
ミクも 音楽家が大好きになりました<br />
音楽家が 音楽家だから 音楽家が好きになりました<br /><br />
音楽家は ミクを愛しました<br />
ミクも 音楽家を愛しました<br /><br />
2人の音楽は 音楽家が死んでも ミクが壊れても<br />
ずっと ずっと いろんな人が 唄いました<br />
ある人は ピアノで ある人は バイオリンで<br />
ある人は 絵にしたり ある人は お話にしました<br /><br />
2人が死んでも 2人は生き続けました<br />
ある時は 五線譜の中に<br />
ある時は 鍵盤の上に<br />
ある時は 歌声のどこかに<br />
ある時は 笛の穴から顔をひょっこり出して<br /><br />
2人の音楽は 今も誰かの耳をくすぐっています</font></p>

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