エビエス - ８４ｇの幸せ

彼の名はエビエス、苗字は不明、名前のスペルも不明、顔も不明、シャモンすらも霞むほどの正体不明野郎だ。
どうして顔すら分からないか？　それは彼の身に纏っているピアスだ。
金色の指輪にも似たただ丸いだけの無個性なピアス、そんなピアスでも体中を埋め尽くすほど付ければ充分な個性だ。
分かっていることは、彼は灸焔３兄弟とコネクションがあり、そしてデュエルスタイルから付いた仇名が｢四界の王｣であるだけだ。

ある夏の一コマ。
　　　ウォンビック「……どうかしたか？　ホーティック？」
　　　ホーティック「蚊がいるみたいで…痒いんですよ、ウォンビックさんは？」
　　　ウォンビック「……俺の皮膚に対して蚊の針を刺すとは、ツマヨウジでカボチャに穴を開けるようなものだ。」
　　　神次郎「ふははははは！　この蚊達も味が分かるようだな、この私の高貴な血ばかりを吸い取っていく！　痒い！　痒いぃいい！」
　　　シャモン「…あ、う、あ……フードに入った、にゃっ！？　ふぁっ！？　この！　てりゃあああああ！」
コロコロコロ(転がりまわるシャモン)
　　　エビエス「大変ですね皆さんも。」
　　　神次郎「…その様子からするとお前は吸われていないのか…よっぽど血がマズイと見えるなァ！？」
　　　エビエス「バカ言わないで下さい、ただピアスで針を刺す場所が無いだけでしょう…それに蚊は食事のために血を吸っているわけではありません。」
　　　クロック「あぁー、埒があかねぇ、蚊取り線香付けるぞー。」
ガタガタッ！(突然椅子から転げ落ちるエビエス。)
　　　ホーティック「どうかしましたか？」
　　　エビエス「い、いえ、なんにも……。」
(座りなおすエビエス)
　　　神次郎「よし！　この部屋全体に蚊取り線香を行き渡らせるぞ！　全部燃やせ！」
ゴダダダダだダン(椅子から転げ落ちてその上でシャモンを潰しそうになるも辛うじて回避したエビエス。)
　　　クロック「あぁー…もしかしてエビエス、お前…蚊取り線香が嫌いか？」
　　　エビエス「そ、そんなばばばばばばばば…」
　　　神次郎「滅ぶがいい虫どもよ！　この私の点火した蚊取り線香で死ねる事を誇りあｑｗせｄｒｆｔｇｙふじｋぉｐァ！？」
(エビエスのドロップキックを食らって倒れる神)
　　　ウォンビック「……そこまで嫌いなら、まずは口で言えエビエス、俺達は仲間だ、武力ではなく投票で決定する……
　　　　　　　　　　それに、仲間がそこまで嫌がっているのに無理に蚊取り線香を付ける奴もいないだろう？」
　　　クロック「あぁー、まあ痒いだけ…だしな？」
　　　ホーティック「そうですね、嫌いなら嫌いといってくれれば良かったのに。」
　　　エビエス「み、みなさん…。」
　　　シャモン「それじゃ投票ね、蚊取り線香を付けたくないひと！」
ウォンビック：付けたくない。
エビエス：付けたくない。
シャモン：痒い
ホーティック：痒い
クロック：痒い
神次郎：意識が無い。

　　　クロック＆シャモン＆ホーティック『点火ッ！』
　　　エビエス「おまえらあああああ！」

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