Tensley Wines(2011年11月訪問)
うっかり間違えて
Carina Cellarsのカウンターで始めてしまったテイスティングを終え、向かったのは同じ部屋の反対側にあったTensleyのカウンター。客は誰もいなくて、本当にここで間違いないのか不安なくらいだった。
年配のおばちゃんが1人で店番をしていて、以下のワインを飲ませてくれた。
Lea CHARDONNAY Sta. Rita Hills 2010 ($32)
GRENACHE Santa Barbara County 2010 ($32)
SYRAH Tierra Alta Vineyard 2010 ($38)
SYRAH Colson Canyon Vineyard 2010 ($38)
Détente(ボトル価格不明)
"Lea"は、Joey Tensleyさんの細君Jenniferさんが手がけるブランドで、ロゼとピノ・ノワールにフォーカスしている。シャルドネはこの2010がファーストヴィンテージらしい。おばちゃんによると、これは使い始めて2~3年目のオーク樽を使っているのだそう。シャープな酸が持ち味のステンレス・スチール系とは違って、柔らかな風味だが、さりとて濃厚な樽香がするわけではない。キツすぎる樽香が苦手な私には好ましかった。
最後に飲んだDétenteというのは、フランスのジゴンダスで生産されたグルナッシュとTensleyのシラーを半々の割合でブレンドしたものらしい。国を超えてのブレンドであるから、米国の法律により、エチケットにはヴィンテージが記載できないのだとか。ただ、自分が試飲したものは2008年のものだとおばちゃんが教えてくれた。甘く嫌味のない香りと、フレッシュな味で美味しい。このときはメモをとっていなかったのでボトル価格は不明だが、ワイナリーのホームページで調べてみたところ2009年モノは45ドル。
で、肝心のシラーについて。Tierra Altaのシラーは甘く深い香り、スパイシーで甘い味、バニラ風味のフィニッシュ…Colson Canyonのシラーはそれよりスパイシーな香りがして、舌触りが滑らか、果実味が豊か…というようなことが、当時のメモに書いてある。しかし正直なところ、いずれのワインもハッとするほどうまいという印象は残らなかった。楽しみにしていたTensleyのシラーだったが、むしろ直前にテイスティングしたCarina Cellarsのワイン群の方が印象的だった。まあ、おばちゃんが言っていたとおり、2010年ヴィンテージはまだ飲むには早すぎたのだろう。古いヴィンテージが売り切れなのでは仕方ない。
さて全てを飲み終え、テイスティング料をお支払い。値段を尋ねたら、5ドルとのこと。これは安い!期待が大きかっただけにシラーのお味にちょっと拍子抜けしていたが、一気に気分が回復した。2011年のサンタバーバラに、5ドルで飲めるテイスティングルームは中々ない。
ところで、対応をしてくれたおばちゃんは、こちらの試飲に合わせて自分でも飲んでいた。吐き出しもせずに結構な量を飲んでいたと思う。あんな店番のやり方でいいのかなー本当に。
それと、おばちゃんは「最近ロバート・パーカーがTensleyに点数をつけていないのは、Tensley夫妻が彼にテイスティング用のワインを送るのをやめたから」と言っていたが、それも何かの間違いじゃないかなーと思う。パーカー氏は、ワイナリーからの利益供与は受けず、試飲するワインは全て自腹で購入しているというのが売りだったハズ。
最終更新:2013年05月06日 09:41