ワイナリー訪問その82
Napa > Inglenook(イングルヌック)


Inglenook(2012年3月訪問)

 Cardinaleでのテイスティングを終え、夕方4時が間近に迫っていた。4時にテイスティングルームが閉まってしまうワイナリーは割と多い。4時以降もまだやっているワイナリーの中で、是非訪れたかったここへ車を向けた。

 元々は1880年にInglenookの名で設立されたこのワイナリー、1975年にあの有名な映画監督のフランシス・コッポラさんが買い取ったものの、Inglenookという名前を使う権利までは手に入らず、Niebaum-Coppolaという名前で再スタートすることになったそうだ。その後Rubicon Estateという名前に変え、さらに2011年になってついにInglenookという名前を使う権利を買い取って、今に至るらしい。(そういうわけで、ちょっと古いガイドブックには「Rubicon Estate(ルビコン エステート)」という名前で紹介されている。)

 ちなみに、セントヘレナハイウェイ沿いに見受けられた目印は、冒頭の写真にある小さな看板だけだったので、入口を発見するのに少々手間取った。


 敷地全体が綺麗に整備されていて、建物も立派で、なんとも豪奢な雰囲気。それに、Coppola監督が映画に使った小道具などを展示した博物館のような建物があった。どこでテイスティングをしたら良いのかわからなかったので、博物館の受付で「ワインのテイスティングをしたいのですが、どこに行ったらいいですか?」と尋ねてみた。そのとき、行くように指示されたのが、下の写真の場所。


 なんともオシャレなこのお店(?)では、ワインがグラスで注文できるほか、ちょっとしたおつまみやコーヒー等も頼める。なんというか、カフェとバーの中間のような場所だ。ちなみに、どうやらワイナリーのツアー&テイスティングに参加するには時間が遅すぎたため、今回ワインを飲むにはここに行くしかなかったようだ。

 カウンターに座り、3種類を25ドルで飲めるというメニューがあったので、それを注文した。その3種類というのは以下。それぞれ別のグラスでたっぷりと出してくれるので、ゆっくりと味わえた。

2007 Captain’s Reserve Cabernet Sauvignon ($48)
 シックでエレガントな香り。口当たりは甘くなめらかでスムーズだが、味に厚みがあった。アフターはやわらかくフェードアウトする感じ。

2009 Edizione Pennino Zinfandel ($45)
 トロピカルに爆ぜた香りで、どういうわけだか花火のような焦げた感じの香りも感じた。口の中では甘くて、アフターははんなりとした印象。

2008 CASK Cabernet Sauvignon ($65)
 Captain’s Reserveに比べるとやや甘さの混じった香り。やはり口の中では甘いのだが、アフターが長く、そこで立ち上ってくる苦味があり、口の中の摩擦が強まるような感じがした。

 CASKと、メニューに載っていた”Rubicon Estate” ($175)が、どういう風に違うのかと尋ねたところ、Rubicon Estateも別のグラスで出してくれた。ラッキー!

2008 Rubicon Estate ($175)
 鮮やかな紫色で、樽の香りが豊か。口に含むとまずスムーズな甘さが感じられ、それから他の味(酸、苦、渋、旨)もバランス良く感じられた。ちょっと、シラーにありがちなクセを感じた。

 テイスティングをしている間、妻と子どもたちは芝生の庭を歩き回って遊んでいられたらしい。実に良い訪問だった。


↑博物館の階段の踊り場にあったステンドグラス


↑映画で使われた品らしい


ワイナリーのWebサイトはこちら:http://www.inglenook.com/flash.php

最終更新:2013年05月19日 23:40