Demetria Estate(2012年4月訪問)
この頃から、サンタバーバラ郡の、テイスティングするのに予約が必要なワイナリーを巡り始めた。その中でも最初に訪問したのがここDemetriaだった。
Foxen Canyon Road沿いに最初の門があるが、この入口は
Zaca Mesa(の畑)と共用している。Zaca Mesaの方は壁にドカーンとでかい文字があるのに対して、Demetriaの方は慎ましやかな看板なので、探すつもりで来ないと見過ごしてしまうかも知れない。ちなみに、門を共用しているとはいえ、DemetriaとZaca Mesaとの間に資本関係等は全く無いようだ。
門扉が閉まっていたのでインターフォンで中の人を呼び出し、予約した客である旨を伝える。すると遠隔操作で開けてくれて、第2の門を開けるための暗証番号を教えてもらえた。なんだかRPGみたいだ。
畑のわきをくねくねと続く道を5分ほど進むと、第2の門に到着。ここで先ほどの暗証番号を入力する。
ゲートが開き、またしばらく進むと、ようやく建物に辿り着いた。自分たちのすぐ後ろから、観光客を10人くらい乗せたバスがやってくる。その後も、リムジンが入れ代わり立ち代わり現れる。どうやらここはツアー業者御用達のワイナリーのようだ。
建物の左側に、小さな門のついた低い壁があって、その向こう側から賑やかな声が聞こえる。どうやらそちらに目指す場所があるようだ。
小さな門を抜けると、青々と草の茂った広場を眺め下す気分の良いロケーション。遠く丘の斜面には、葡萄畑も見える。そんな場所に、テラス席がいくつも並べられていた。朝一番で予約しているつもりだったが、既に2組ほどの客がそこでテイスティングしていた。
ワイナリーのスタッフが何人か立ち働いていたが、スタッフ達がこちらに声をかけてくるときの2人称は決まって”my friend”である。”How’s it going, my friend?”という具合。気さくー。
さて、ワインだ。テイスティングは$15で、飲んだのは以下。
2009 Cuvee Papou ($28)
2011 Riesling ($25)
2009 Pinot Noir Santa Maria Valley ($40)
2009 Syrah ($32)
2009 Syrah “North Slope” ←オマケ
2009 Cuvee Constantine ($43)
2011 Grenache Rose ←オマケ
ここのテイスティングは、おかわり式のテイスティングだが着席形式というちょっと珍しいスタイル。こちらが飲み終わった頃に、スタッフがやってきて次のワインを注いでくれる。テーブルにスピットバケツが無かったので、全部飲んでしまうことにした。
印象的だったのはRiesling。無濾過なのだそうで、ちょっと白く濁っていた。これがもう、まんまリンゴなのである。つまり、リンゴを皮ごとかじったときのような爽やかな酸味と香りが感じられるのである。目隠しして飲んで林檎酒だと言われれば信じてしまうに違いない。おいしい。
そして、どういうわけかここのワインは、シラーやグルナッシュでできたものからもリンゴの風味が感じられるのだった。最後のロゼも、無濾過で、やはり青リンゴのような爽やかな香りがあって、長く続く酸味と仄かな甘さがあいまってリンゴの印象。うまい。
予約を取らなければならなかったし、場所がちょっとわかりにくいし、$15という料金はサンタバーバラの平均的なテイスティング料金よりお高いが、このワイナリーでの体験は実に素晴らしかった。ワインの味が自分の好みにハマッたこともあるが、天気の良い日に気分の良い景色を眺めながらゆったり座ってテイスティングさせてもらえたのが大きい。
↑広場に下りてゆくこともできた
最終更新:2013年05月21日 00:12