天邪鬼効果


パロロワを進行する際に働く作用の一つ。パロロワの法則の一種と言い換えてもよい。
パロロワのSS内のイベントは、原則としてスレ住人の予想を(往々にして悪意のある方向に)裏切るよう進むことを表した法則。

パロロワに限らずフィクションにおいては、受け手が予想しなかった(予想できなかった)ような方向に進み、かつドラマチックで伏線も密かながら十二分に張られ、整合性を兼ね備えた展開が一般的に素晴らしい展開の一つとされる。

パロロワにおいてもそれは原則変わりはないが、この命名の通りパロロワでは少々話は複雑である。
2chパロロワの半数以上はリレー小説であり、よって以前の書き手が作り出した状況を、形はどうであれ継承することが必然的に重要事項となる。よって、フラグなどの概念が発達しているのはごく自然なことである。

もしここに天邪鬼効果が作用すると、このフラグの推移状況に変動が起こる。
例えばスレ住人によって「○○(キャラ名)には是非とも××(○○に対抗しているキャラ名)に勝って欲しい」などという応援レスがなされると、高確率でその次のSSでは○○が××に敗れ去る展開が描写される。
またもう一つ例示を行うと、「○○が××とやり合ったら、○○が勝つに決まってるじゃん」などという予想レスがなされると、やはり高確率で次のSSでは××に強運が味方し、明らかに格上の○○に勝つ。
特に、○○が対主催キャラで、××がマーダーであれば、この天邪鬼効果が強烈に作用する。

また、これ以外にもSSを通じて何らかのフラグが立った際にも、天邪鬼効果は作用する。
例えばある書き手がSSを通してあるフラグを立てた場合、その書き手が描写や展開を工夫して、そのフラグが折られないように鉄壁の構成を敷いてSSを投下した場合、他の書き手達によってそのフラグを守る防壁は集中砲火を浴び、最終的にはフラグ本体が無残にもへし折られることになる。
特にそのフラグを劇中で強調するほど、フラグを守るための構成が強固であるほど、そのフラグがへし折られる可能性は加速度的に上昇していく。特にこの庇護されたフラグが脱出フラグや首輪解除フラグのような、対主催キャラを利するようなフラグであれば、折られる確率は100%と言っていいほどの高確率になる。

このように、天邪鬼効果は特にある書き手や読み手が何らかの展開に固執した際、強く効果を発揮する。
これは無論特定の書き手や読み手、そしてそれらの派閥がパロロワ企画を私物化することを防ぐ自浄作用としての側面もあるが、同時に皮肉屋の多い2ちゃんねらーの性格の発露という意味合いもある。天邪鬼効果は特に対主催に不利になるように作用する事例の方が多いことが、それを証明している。

もちろん天邪鬼効果はロワ企画の自浄作用としてある程度必要とされているが、この天邪鬼効果を逆手に取り牽制をかけるという工作手法もある。

例えば○○というキャラに死んでもらった方が都合のいい書き手は、○○というキャラをやたらと賛美するようなレスを行い、天邪鬼効果を喚起するような働きかけをすることもできるし、もしくは鉄壁の構成で固めあからさまに防護したフラグ自体を、スレの世論を陽動するためのダミーとして活用し、ダミーのフラグが攻撃されている隙に、さりげなく立てたもう一つの本命フラグを通しにいく、などである。

ただしこの手の工作は露見すればスレ住人からは確実に指弾され、書き手間の信用を失わせる卑劣な行為であり、よほど腹芸に自信のある書き手でなければ、行う書き手にとってもそのパロロワ企画にとっても危険な行いである。
何より工作が露見すればほぼ間違いなく、牽制をかけた○○やダミーのフラグに作用していた天邪鬼効果が、「人を呪わば穴二つ」の論理で、その書き手の守りたかったフラグやキャラに威力を倍化させて襲いかかる。

パロロワにおいて書き手間の馴れ合いは確かに望ましいものではないが、他の書き手を自分のための踏み台や道具とみなすような利己的な考えもまた論外の極論である。そのような態度はパロロワの不文律である「ロワ企画の私物化禁止」に根本から違反しており、行えば徹底的に叩かれる行為であることを書き手は肝に銘じなければならない。
無論、露見しなければ大丈夫なのは動かしがたい事実ではあるが。



最終更新:2007年06月06日 04:47