黒部のそっち側

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amano

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山行記録

山行名  黒部のそっち側

日時   2006/7/25~2006/8/1   5泊6日+スライド1日+予備日1日

メンバー C.L. 天野(3年) S.L. 佐藤(3) 会計・装備 峰村(3) 気象・食料 原田(1) 古賀(1) 梅原(1) 吉田(1)

計画の変更について

林道閉鎖のため、1日スライド。また、入山1日目で佐藤の体調が良くないので、2日目は停滞をして天野、原田が佐藤を下ろした。

残雪の影響で真砂沢ロッジが営業していなかったことと、内蔵助谷から黒部ダムへの道が開通していなかったので、剱岳はピストンとし、室堂へ下山した。

日程

前々日(7/24) つくば~富山駅

つくば〈TX〉池袋駅〈高速バス〉19:40富山駅 (23:40就寝)

前日(7/25) 富山駅~折立

富山駅12:00〈タクシー〉13:15折立(19:00就寝)

1日目(7/26) 折立~太郎平

4:00起床5:35---7:00三角点---7:35 2011m 7:53---9:04太郎平小屋9:40---10:00幕営地(18:30就寝)

2日目(7/27) 佐藤下山のため停滞

4:00 起床6:30---7:30 2011m 7:45---818三角点---9:35折立10:30---11:38三角点13:50---12:19 2011m 12:25---14:00幕営地

3日目(7/28) 太郎平~スゴ乗越小屋

3:30起床4:52---5:22薬師平5:30---6:08薬師小屋6:15---7:10薬師岳7:30---8:32北薬師岳8:45---9:32 2700m付近9:58---11:06スゴ乗越小屋

4日目(7/29) スゴ乗越小屋~五色ヶ原

3:30起床4:50---5:48 2300m(2431手前)6:00---6:50越中沢岳手前コル7:07---8:20 2570m8:40---10:42鳶山手前2530m10:58---11:45五色ヶ原幕営地

5日目(7/30) 五色ヶ原~剱沢小屋

3:30起床4:50---5:25獅子岳手前コル5:40---6:44獅子岳7:10---8:19富山大岳立山研究所前8:52---9:57雄山10:25---10:41大汝山11:05---12:10別山手前2740m---14:00剱沢幕営地

6日目(7/31) 剱岳ピストン

3:30起床5:15---5:42剣山荘5:46---6:56一服剱7:24---8:47剱岳山頂9:50---11:25一服剱手前コル12:30---12:25剱沢幕営地

7日目(8/1) 剱沢幕営地~室堂

4:30起床6:15---7:51雷鳥沢キャンプ場---8:45みくりが池温泉---11:15室堂ターミナル

詳細

前々日(7/24) つくば~富山駅

TXに乗って池袋へ。途中電車が混み、一年生とはぐれる。チケットの関係で、バスの発車まで2時間ほど池袋で暇をつぶす。雨。バスターミナルの近くには、コンビニ、百均、すき屋などがあって便利だ。

バスは3列シートで、予想以上に快適だった。青春ドリーム号のようなものかと思ったが、広くてリクライニング可能。7人で行ったので、一気にスタンプがたまり、池袋-富山間の高速バスの無料券が1枚もらえた。悠二郎さんにでも売ろうという話になったが、後々使うことになってしまった。

富山駅では夜ご飯をスーパーで刺身でも勝って食おうという話になったが、ほとんどの店が20:00閉店で使えなかったので、駅の8番ラーメンにて夕食。うまい。エアコン効き過ぎ。

コンビ二で朝飯とラジオを買い、天図をとって駅前の巨大地下通路で駅寝。

前日(7/25) 富山駅~折立

佐藤、のどが痛い。予定では、朝一の折立行き登山バスに乗る予定だったが、有峰林道が雨のため封鎖となっていて、バスが出なかった。(80mm/24hで封鎖)9時ころには雨がやんでいたので、再開を待ってジャンボタクシーを手配しておく。その間にスーパーで買い物。

林道が開通したため12:00タクシーに乗り折立へ。7人以上であればタクシーのほうが安い。

赤木沢ぶりの張り放題折立キャンプ場。日陰が無く暑い。水場は雨の影響か濁っている。テントを張って就寝。

1日目(7/26) 折立~太郎平

下部は樹林帯、上部は草原の道。3回目ともなると飽きる。コースタイムでは5:20だけど、そんなにかからない。縦走装備でゆっくりペースだったが、4時間とか、そんなもん。上のほうに雲がかかっていて薬師岳は見えない。

幕営地にはすごくきれいなトイレが完成していた。そういえば赤城沢に来たときに、工事のおっちゃんがいっぱいいた。

佐藤の体調が良くならないので、次の日におろすことにする。

2日目(7/27) 佐藤下山のため停滞

やはり佐藤の体調が良くないことと、明日以降はエスケープルートが無いこと、天気も悪くなりそうなので、天野と原田で佐藤を下ろす。峰村、古賀、梅原、吉田はテン場で留守番。天野・原田が18:00までに帰ってこなければ、小屋から留守対に連絡して次の日下山することを確認し、佐藤・天野・原田は出発。雨。

荷物が少ないことと、人数も少ないのですぐに折立に着く。下山はストックがあると楽だ。1時間ほどでバスが来たので佐藤を送り、天野と原田は出発した。

原田のペースでがんがん登る。雨。小屋で二泊目の受付をしてテン場へ。みんな昼寝をしていると思ったけど起きていた。トランプしたり寝たり天図をとったり小屋へ遊びに行ったりしていたらしい。

3日目 (7/28) 太郎平~スゴ乗越小屋

天気は雨。

薬師平への登りは急な沢沿いの道だ。水が流れていればまるで沢登りのよう。登山道は時々沢沿いから外れるので、ペンキを良くみないといけない。2、3回間違えた。薬師平には大きなケルンがあり、ベンチもある。きっと眺めがいいだろうが、ガスっていて何にも見えなかった。ちょっと休憩を取る。

ここから薬師山荘へはすぐだった。薬師岳山荘から薬師岳への道は富士山みたい。広い尾根にジグザグ登山道がついている。ここは昔、愛知大学の山岳部が遭難しているようだ。西からの風が強い。

薬師岳山頂はガス。風が強い。何にも見えなかったので、証拠写真をとって風の無いところで休憩。

北薬師へは岩々。ガスが無ければ、薬師岳の圏谷群がみえるんだろうなぁ。間山から下ったあたりでは、きれいなお花畑が広がっているんだろうなぁ。スゴ小屋手前2400mあたりで樹林帯に入ってから意外と長い。足元がどろどろになった。

4日目 (7/29) スゴ乗越小屋~五色ヶ原

スゴ乗越小屋を出てすぐのコルが右斜面に崩落していて、ちょっと怖いので一人ずつ通過した。また、スゴの頭手前のコルで、この山行初めての雪渓が現れる。斜度も急ではなく、出口も見えるのでそのまますすむ。

越中沢岳直下のトラバースは斜度が急で岩場も少しあり、休憩しにくかったし寒くて体が冷えるといやなので鳶山まで歩いたら、あとでSLにぶーぶー言われた。越中沢岳下りの2500m付近で登山道はハイマツの中に入っていくあたりがわかりにくい。地形図に磁北線を引いてしっかりコンパスを使えば、すぐに間違いに気づく。

ずっとガスっていたが、11:20頃、鳶山下降中にいきなりガスが消えた。上ノ廊下と対岸の針ノ木らしき山が見え、興奮してツクツークと叫びまくった。長期組みに聞こえないかなぁ。

五色ヶ原は広い台地になっていて、木道が敷かれている。雲ひとつない青空とまでは行かないが、久しぶりに見る太陽に興奮。テント、服、靴、靴下、マット、ザックなどを干しまくる。ずっと雨で精神的にきつくなってきていたので、もし今日五色ヶ原で晴れなければ、小屋の人に泣きついてでも乾燥室を借りようと思っていたから、マジで助かった。太陽万歳!!

審査の段階で、五色ヶ原から黒部に下りるルートをエスケープルートに入れるかどうかという話が出ていたが、五色ヶ原小屋のおっちゃんに聞くと、室堂に行くルートのほうが3時間ほど早く、また黒部ダム沿いのトラバース道は沢の高巻きなどが多くてたいへんだということで、エスケープルートのは向いていないそうだ。



5日目 (7/30) 五色ヶ原~剱沢小屋

朝から晴れ!五色ヶ原を出ると右手に立山カルデラを見ながらすすむ。

獅子岳を登っているときに気づいたが、立山周辺は山の名前がかっこいい。鳶、鷲、獅子、鬼、龍王で、立山を過ぎると剱。RPGみたいだ。獅子岳の登りはざれていて、途中にハシゴがあるけど、登りなのでなんてことはない。下りだとどうかは忘れた。その後雪渓をトラバースするが、しっかり踏まれていて問題は無かった。

鬼、龍王をまくと、富山大の研究所の建物があった。ここからウケるほど人が増える。立山雄山へ登る登山道は、小学生からじいちゃんばあちゃんまでいて渋滞。ほぼ空身。一方うちらは80Lほどのザックがパンパン。山頂も人人人・・・。とっとこ大汝に向かう。

大汝は雄山ほど人はいなかったけど、立山三山縦走おばちゃん軍団がいる。別山の北側へ行くまで続く。

天気がよく元気だったので、一応真砂岳も登ったが、何にも無かった。別にいかなくてもいいと思う。

別山から剱沢キャンプ場に直接降りる予定だったけど、剱御前小屋まで行ってしまった。

6日目 (7/31) 剱沢小屋~剱岳ピストン

吉田は足の靴擦れがひどくなっていたので、剱岳をあきらめることにした。来年文登研にいくといいと思う。ピストンなのでアタック装備になり、吉田を置いて出発。幸い天気がよく、鎖もぬれていなかったので無事に山頂に着いた。鎖はビチビチに張ってあるのでガシガシつかんでいけばよい。なしでも登れるくらいなので。

山頂で関西大のパーティーと一緒になった。剱沢キャンプ場をバックに写真を撮って下山。

カニのヨコバイは、足が見つかればなんてことはないが、環付でこぶを作ったロングスリングを鎖に引っ掛けておくと、それを頼りにおりやすいと思う。今回はせっかく持ってったけど、1年生にはスリングがなにかがわからなくて使えなかったようだ。自分の説明不足。

7日目 (8/1) 剱沢~室堂

雷鳥沢の下りは、雪渓があったけどみんなもうなれていてダーッシュだった。あとは地獄めぐりをしてミクリガ池温泉に入って、トロリーバス、ロープウェーで黒部ダムへ。



反省

古賀

マメができていたので、しっかりテーピングしておけばよかった

前の人と近すぎると歩きにくく、頭突きをしまくった。

前半は霧だらけで、展望が無くつらかったが、剱がはれてよかった。

3泊目以降は、テント生活のリズムができてきて楽になった。

原田

右ひざが痛くなってしまった。サポーターとかストックとかで対処していきたい。

立山・剱が晴れなかったらつらいだけだった。晴れてよかった。

吉田

薬師の下りでメガネが曇って足元が見えず怖かった。

剱にいけなくて残念。

梅原

前半は景色が全く見えず、経験値稼ぎだったけど、剱が晴れてよかった。一服剱までがキツかった。疲れがたまっていたけど、そこを越えたらよかった。

山になれて感覚が麻痺していくのがわかった。虫を手で触ったり。

峰村

なんだかんだで約1年もの山のブランクがあり、バテバテで申し訳なかった。千恵がいなくなり、途中からSLになったけど、地形図も一部持っておらず悪かった。

1年生のテンションが途中から上がってきて良かった。ずっと天気悪いときはもうやめちゃうんじゃないかと思った。

剱は登れてよかった。1年生はいっぱい山に行ってくれ。

天野

前半はずっと天気悪くて、1年生の山のイメージが大富豪だけになってしまうとこだったが、何とか晴れてよかった。でも、薬師の展望が無かったことが非常に残念。初日からスライドしたり、予備日を使ったりで、1年生にはいい経験になったと思う。けど、やっぱり体調が悪い人は入山させないこと。今回はすぐ帰れたけど、山で病気の回復は見込めないと思ってください。

はじめの3日ぐらいはテント生活にもなれてなくて、いろいろ大変だったけど、剱につく頃には自分で考えて動けるようになっていてよかった。歩き方もうまくなったし。あとは荷物の整理が遅いのと、朝の出発までが遅いかな。



天気がよければ、ずっと展望もよく、行動時間も短く、すごいいいルートだと思うから、ぜひ行ってもらいたい。今年は残雪でダムまでいけなかったが、ダムまでいけたら最高だ。もっと南から入ってもいいかも。

剱のピストンは、ガスっていたら1年生がいるときはやめたほうがいい。鎖もぬれてすべるから。あと荷物を軽く。

剱沢雪渓を下るときは、事前に雪渓歩行の練習をするといい。剣山荘の近くの安全な雪渓で。リーダーは雪渓の歩行技術の勉強をしておくこと。歩いてはいけないところを歩くと死にます。

剱沢雪渓では例年長次郎谷出合下部大岩付近に滝があるので踏み抜きに注意。

折立~太郎平~薬師岳および、立山周辺(室堂側)は、コースタイムが長めに取ってあった。体力があれば、一日目にスゴまで言ってもいいと思う。

北アルプスは稜線がずっと続いていてどこを歩くかがはっきり見えるんだろうが、ガスっているときはそうも行かないので、しっかりコンパスの使い方を学んでください。
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