JUSTICE
mmtiさんの第2作目!
1作目は本人の希望により削除されてしまったので悪しからず。
それにしてもタイトルがクールですね(黙
JUSTICE No.1 The person who was robbed of a heart
時は西暦二千七百五十年。
何処かの国境の海で、激しい爆発音が鳴り響いた。
男達の唸り声や悲鳴、そして液体が飛び散る音が、重なり合う。
「隊長!B班、C班の両チームが全滅!残りのD班、E班も、かなりの負傷者が出たと連絡がありました!」
「おのれ・・、人間共!貴様等に好き勝手はさせんぞ!我々、獣人族が受けた痛みや苦しみを味わさせてくれる!」
獣人族の隊長は、散弾銃を持って敵の隊に突っ込む。
敵の隊は、散弾銃をまともに喰らい、次々と倒れていった。
「ここは退いて、作戦を立て直す!A班は、B班、C班の救護に当たれ!D班、E班は、直ちに避難するように伝えろ!」
隊員は了解の合図を送り、その場を離れたが、数分後に再び戻ってきた。隊員の体は、恐怖に脅えるように震えていた。
「どうした!?早く、救護に行け!」
「隊長!巨大な生物が、この船に近づいてきます!!」
隊長は周りに敵がいないか確認した後、隊員の後を追った。
「ほら、あの生物です!もはや、人間族と争ってる場合ではありません!このままでは、ここにいる全員に被害がおよびます!」
隊長の視界に入ってきたのは、見た事も聞いた事も無い巨大な生物であった。大きさは約数十メートルはあり、大きな翼を生やしていて、鋭い牙や爪を持っていた。
生物の体は、朱色で染まっている部分があった。おそらく、既に何人かが、この生物の犠牲者となってしまったのだろう。
「銃が全く効かないなんて・・!なんて頑丈な皮膚なんだ!!」
獣人族と人間族は、今は争う事を忘れ、互いに協力しあって、目の前の生物に立ち向かうが、全く歯が立たない。
「駄目だ!全員、海へ飛び込めー!!」
両族が海へ飛び込んだ後、生物は船を破壊し、唸り声を上げている。小さな波が出来るほどの声を連呼し続けていた。
一方、両族は必死に泳いでいた。しかし、時間帯は夜。あまりの海水の冷たさに、上手く泳げない者が続出している。
そして逃げ遅れた者は、生物の餌と化していく。
「逃げろ!出来るだけ離れるんだー!!」
だが、無事逃げれた者も、力尽きて死んでいった。
あの恐怖の事件から、既に七百五十年が経つ・・
人間族と獣人族は共に争いを止め、世界を二つに分けた。両族は互いに信頼を深め合い、平穏な時代になったと思われた。
しかし、ある種族だけはその平穏な時代を憎みながら生きていた。
その種族の名は・・
JUSTICE
No.1 The person who was robbed of a heart
[心を奪われた者]
五月十五日に、謎の生物が見つかったとの情報が入った。場所は五月雨山の中腹に位置する所。目撃者は登山中に変な音がしたので、音がする方へ行ってみると、そこには謎の生物が獣人族を食っていたと発言している。殺されたのは、有名な登山グループの隊長、クラム・プレス氏(46)だったという事が、調査団の調査で確認された。最近、この五月雨山では謎の生物に出会った、襲われたなどの情報が多くなり、現在は封鎖中である。
「五月雨山に、謎の人食い生物現れる・・か」
一人の男が、煙草を吸いながら新聞を読んでいる。
犬型の獣人で、黒のスーツを着ていた。
彼の名は、ガル・クラウス。近くの警察署で働く警察官だ。
「あっ、もうこんな時間か。もう少しゆっくりしていきたいんだけどな」
男はテーブルの上の皿に置いてあるホットドックを食べた後、数秒間あくびをしながら玄関の扉を開けた。
騒がしい都会のビルの屋上で二人の男が話していた。
一人は蝙蝠型の獣人。もう一人は人間で、コートを着ている。
「例の作戦は無事成功した。五月雨山は封鎖されたぜ。しかし、あんたも物好きだな。あんな山に何故こだわるんだ?」
蝙蝠型の獣人は煙草を吸いながら問いかける。
「お前みたいな口が軽い奴に答える必要は無い。お前の事だ。すぐ他の連中に話すだろうからな」
「ちぇっ・・おもしろくねーな。でも、お楽しみは最後にとっておいた方が面白そーだし、別にいいや」
「早く引き返すぞ。卵はしっかり落としたんだろうな?」
「大丈夫ですって。ちゃんと落としましたよ。こんな都会のど真ん中だ。たちまち、街中は大混乱間違いなしですよ」
コートの男は軽く笑うと、蝙蝠型の獣人と共に飛び去った。
蝙蝠型の獣人が落とした卵は、公園の湖の中に落ち、かすかな水しぶきを上げた。もちろん、誰も気付いていない。
薄暗い湖の底。卵の殻が、少しずつ破れていった。
そして殻は完全に破れ、中から謎の生物が生まれた。
謎の生物は物凄い早さで成長し、だんだんと大きくなっていく。
「ねーママー、彼処に何か浮かんでるよー」
公園で散歩をしていた子供が、母親に話しかけた。
母親はそれを見た瞬間、驚きのあまり腰を抜かしてしまった。
近くにいた他の人々も、それを見た瞬間に大急ぎで逃げ始めた。
それは当然だ。目の前に見た事も無い生物がいるのだから。
「な、なんだありゃー!?化け物だー!!」
騒ぎは公園を越え、街中に広まった。
人々は人気歌手のコンサートで声援を送る時ぐらいの高い声を連呼しながら、街中を走っている。
近くの駅のほとんど誰もいない電車は、すぐに満員電車へと化していく。タクシーを呼ぶ者、自分の車や自転車で逃げる者、とにかく走って逃げる者、街中は一気に大混乱となった。
「おいおい・・、今日はやけに騒がしいな」
ガルは今現在の状況が、全く理解出来なかった。
「あんたも早く逃げた方がいい!公園で謎の巨大な生物が出てきて、大暴れしてるんだってよ!こんなにいたら、あの生物に食われちまうぞ!!」
目の前を通った人は、その場で走りながら言っていた。
「謎の巨大生物・・?まさか、今朝の新聞に載ってたあの人食い生物と関係がある って事か?・・へっ、おもしろくなってきたじゃねーか」
ガルは、他の人々とは全く正反対の公園側へと走っていった。
謎の生物は、公園の木を次々と倒していた。
木に止まっていた鳥達は急に驚き、飛び出すが謎の生物の触手によって捕らえられ、口の中に放り投げられていく。
謎の生物は湖の中から揚がると、更なる餌を求めて街の方へと進んでいった。
そして、謎の生物は目の前に一匹の餌を見つけた。黒スーツを身に
まとっている犬型の獣人、そう、ガルだ。
「見つけたぜ、化け物。俺を食えるもんなら、食ってみろ!」
ガルは触手の攻撃を上手く避けながら、近くに落ちていたコンクリートの破片を持ち上げると、触手へと投げつける。コンクリートの破片は触手に見事命中し、触手は契れた。契れた部分からは大量の血が溢れ出す。
「子供ん頃、喧嘩で負けた事は一度もねーんだよ!」
ガルは謎の生物が苦しんでいる隙に、連続で破片を投げていく。
そして酒屋に入ると、沢山の酒を持ちだし、触手に向かって酒を蒔いていった。続いてスーツのポケットからライターを取り出す。
「ついでにこれでも喰らいやがれ!」
ライターの火は酒に引火し、たちまち大炎上を起こした。
謎の生物は奇声を上げ、その場で暴れ回る。
しかし、謎の生物はそれだけでは倒せなかった。
「ちぃ・・、しぶとい奴だな。じゃあ次は・・」
ガルが次の攻撃を繰り出そうとした。その時、突然空中から何かが
目にも止まらない速さで落ちてきた。砂埃が一気にガルに襲いかかり、ガルは一、二度咳をする。
「な・・、何だぁ!?何が起きたんだ!!?」
砂埃が晴れたと同時に見えたのは、人間族だった。白髪で、腰には見たこともない刀がベルトで止められており、深緑色のマントを身にまとっている。
「見つけたぞ。お前を始末する」
白髪の男は空中へ思いっきりジャンプをすると、腰に差してある刀で謎の生物を一直線に切り裂いた。謎の生物は体が真っ二つに裂け、血を吹き出して倒れた。ガルは口を開けたまま、唖然としていた。白髪の男は、血が付いた刀を布で丁寧に拭いている。
「お前、人間族だろ?何しに、こっちの大陸に来たんだ?」
ガルが問いかけると、白髪の男は刀を拭きながら答える。
「俺の名はノヴァ。俺の役目は、心を奪われた生物、「ロード」を全て始末する事だ」
二人の戦いは、突然な出会いによって始まった。
To be continued...
JUSTICE No.2 The justice that cannot forgive
心を奪われ、兵器化する生物を殺すのが正義なのか?
本当は戦いたくない、戦う事しか出来ない者を殺すのが正義の為なのだろうか?
JUSTICE No.2 The justice that cannot forgive
[許せない正義]
夜の海岸付近の道路で、一人の男が煙草を吸っている。
「あの糞野郎、何が正義の為だ。ふざけんじゃねぇ」
その男、ガル・クラウスは石を蹴りながら歩いていた。
時は数時間前の事。突然現れた生物、ロードを倒した直後である。
「心を奪われた生物?元々は心があったって事か?」
ガルの問いに、白髪の男、ノヴァは冷静に答える。
「そうだ。奴等はある機械の原料となる心を抜き取られた犠牲者達だ。心を抜かれた者は、変わりに偽りの心を植え付けられる。その偽りの心には、その心を抜き取った者を操る能力があり、奴等はロードを道具のようにしか見なくなる。そのロード達を倒すのが、俺の役目だ。邪魔はしないで欲しい」
「だったら、その抜かれた心を取り戻せば、そいつらの心も元に戻るんじゃあないのか?何で殺す必要があるんだよ!」
「その方が奴等、ロードにとって一番良い事だからだ。心が戻ったからって、もう自分の体は元に戻らないんだ。その時、その心が戻った奴はどんなに苦しむだろうな。だったら、いっそ殺した方が奴等の為になるんじゃあないのか?」
ノヴァの答えに、ガルの眉毛が動く。そして、ノヴァの服の襟元を掴んで叫んだ。
「そんな偽りの心の中でも、必死にその心と戦い続ける奴を殺すのか!?殺したくないと思ってる奴を殺すのが正義なのか!?」
「そうだ。俺等に危害を加える奴等を殺して何が悪い?これも立派な正義の為だと俺は思うが?」
ガルはノヴァの顔面を思いっ切り殴った。
「最悪な奴だなお前は・・!何が正義の為だ!ふざけんじゃねぇ!
二度と俺の顔の前に、現れんじゃねぇぞ!」
ガルは近くの瓦礫を蹴飛ばしながらその場を去っていった。
ノヴァはガルが去ったのを確認した後、ポケットからトランシーバーを取り出した。
「指揮官。ロードを始末しました。直ちに本部へ戻ります・・と、言いたい所なんですが、その前に少し道草食って良いですか?」
「あの男、次に会ったら骨折ってやる」
ガルはノヴァの悪口などを連呼していた。もちろん、誰も聞いてない。と、その時ガルの背後から人が来る気配がした。ガルは後ろを振り向いた途端に拳を強く握り締めた。今一番会いたくない、白髪の男、ノヴァであったからである。
「何しに来た?二度と俺の顔の前に顔出すんじゃねぇって、言っただろうが。もう一度顔面殴ってやろうか?」
「落ち着けよ。警察官であろう男が、そんな暴力振るっても良いのか?何自分で問題起こそうとしてんだ?」
ノヴァはガルの服装を見て話しかける。
「なあ、心を奪う奴等って何処にいるんだ?」
「聞いてどうする?わざわざ敵地に入り込んで死のうとでも思ってんのか?馬鹿げてる」
「困ってる奴や悲しんでる奴は放っておけない主義なんでね」
ノヴァは少しの間頭を下げ、黙り込む。
「・・知りたければ、一つだけその情報を得る方法がある」
「どんな方法だ?心を奪われた奴等を救う為なら、俺は何だってやってやる。早く教えてくれ」
「俺達の組織に入れ、ガル・クラウス!本当に心を奪われた奴等を救いたいんだったらな!」
命懸けの戦いを告げる歯車は、長い時を経て動き出す。
To be continued...
最終更新:2006年07月01日 18:27