この日のMTGは以下の三名の自己の興味を持った作家や事物について
の発表がありました。
それに8×8の展示の
下村千成 の講評をあわせて行う。
李さんは、韓国の大学に在籍中、海外に出向き1ヶ月ほどの日程で行われるプログラムについて語る。
これは、現地の作家のアトリエや展覧会などを見てまわるプログラムで、
2002はロンドン、2005はNYと二カ国での見たものとそこでの経験が
自分にとって大切なものとなっている。
この体験の中で、李さんが興味を抱いた幾人かの作家とその作品を紹介したが、NYでの体験で自分にとって特に大切になっているのが、
クリストとジャンヌ・クロードのアトリエを見学した際に感じた事であるという。
現地で直接、クリストのデッサンを見たが、それは本で見たものよりも
強く、そのもの自身の力、アウラのようなものを感じたという。それまで李さんは、エスキースくらいのものだという認識でしかなかったと言っていた。
作品自身が持つ「力」について少し考える事になったと述べていた。
また、当時李さんは、作家としての進路や行き方について迷う事もあったというが、クリスト制作から感じた「自分のしたいことは時間がどれほどかかっても、必ず実行する」そういった忍耐といえるような作家の姿勢に感化を受け、励まされたという。
秋本さんは、高3までは進学クラスに属していたというが、それが
学校でオーストラリアに行ったときに、シドニーオリンピックの
スタジアムでの装飾が、日本ではありえない固定観念を覆すようなものであったという、その経験が、美術の方向へ進むきっかけの一つになったという。
彼女は「相反するもの」 例えば、怖いけど綺麗 というような2つの
性質、多義的な性質を持つものに興味があると述べていた。
そういった中、死と再生という2つの要素から、儀式、祈願、呪術、
遺跡、祭り、といった幾つかのキーワードを挙げながら、幾つかの
写真を提示していた。
髄くんは、まだ大学に入学する前のことであるが、たまたまテレビで見たアンゼルム・キーファーの作品が、自己の制作に影響を与えていたという。
ここで感じた、「狂気」という性質は、今の自分の表現活動に再び
関わり合っているのではないか。というのが彼の主張だった。
心理学で用いられる図式やエウリピデスといったギリシャ詩人の言論
などを引っ張り出しながら、自分の表現について援用していた。
ただ、まだ自分のものになっていない傾向がみられ、これらの要素を
腑に入る様に構成できれば、狂気という性質と、そこでの作品が、行為として見えてくるのだろうと感じた。
下村さんは「image of line | line of image」というタイトルのもと、
幾つかの鏡を加工したものを用いて、展示を行っていた。
彼女はデモクリトス(古代ギリシアの哲学者)の「万物はアトムである」
という言葉を一つのキーワードに、「点」とその集合である「線」について考察したものを、鏡を素材として用いる事で取りあげている。
その理由として、「砂」という粒状のものを「点」という考え方に置き換え、それを制作方法であるサンドブラスターで吹きつけ縦長に穴を開ける
ことを「線」として捉えるという。
「線」を造形する というのが興味の一つとしてそこにあるということであった。
この一連の制作はインスタレーションとして行われていたが、今回
8×8という空間に収めるためか、オブジェとしての性質が強く出た
印象の作品に感じられ、今までの展開からは若干異質で違和感を感じさせるものとなっていた。
●ここ最近、年末、年始と天気の良い日は外のベランダに机を
広げ、そこで本を読む事がマイブームとなっています。
「エコ減税」という「消費誘起」と「環境保護」の二項の関係について考えさせられるネーミングの政策ですが、私も「エコ」と「勉強」をつなげて、「エコ勉強」しようとのいうのが今回の狙いです。
この時期は3時半くらいになると、寒くて室内に戻るのですが、
正午前後は、最高に気持ちよく、そして暖かいのです。
暖房も照明もいりません。ただし、近所の人からは、変な人だと思われるかもしれません。
記入 桐生眞輔
最終更新:2010年01月24日 04:17