この展示では展示スペース中央にある柱の裏側に蛍光灯を設置した。外から見ると何もない空間にただ明滅する光が投げかけられているだけである。
コンピュータからは蛍光灯が一定のリズムで明滅するようにコンピュータからデジタル信号が送られている。しかし、結果として表出する光の明滅は完全に不規則なものである。これは蛍光灯がアナログな機器であることに起因する。つまり、蛍光灯は一種のバグにより、制御不能状態になっている。ここでは命令を送る側と受ける側の間に明らかな差異が生じており、知覚できない複雑な電気、信号の流れが存在する。
本作品は「無」と「存在」の間にある曖昧な状態の提示である。
最終更新:2010年06月29日 00:47