私が写真の作品を制作し始めたきっかけは沢山あるが、その中でも最も直接的なのは、カメラを手に入れた事だ。
当たり前ながら、写真はカメラがなければ撮る事が出来ない。
私はある日たまたま友人に木製の大型カメラ(8×10インチカメラ)をのぞかせてもらった。
黒いかぶり布の中に頭をつっこむと、そこの大きな焦点ガラスには光がキラキラとゆらめき、世界が逆さまになって映っていた。
カメラの中で像が写る事の、これ以上分解しようが無い単純な仕組みの虜になった。
27歳の春だった。
それ以来、写真の写る仕組みにこだわった作品をずっと作り続けている。→
光ー呼吸シリーズ
カメラオブスキュラやピンホールの原初性を作品にするProjectも行ってきたが、最近は特に写る過程をコントロールすること、
つまり、カメラというメカニズムそのものを工夫する作品を制作している。
2003年から制作している360度ピンホールカメラ(超絶アナログ)を紹介してみよう
最終更新:2006年06月17日 14:44