「其が燃え出づば、時が創られる。時を呼び覚まし、永遠をも呼ぶのだ…」
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◆◆◆ 竜が呼ぶ永遠 ◆◆◆
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◆◆◆ 竜が呼ぶ永遠 ◆◆◆
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第一話 巨竜
竜は言う。
「何故此処へ来た」
この世界ではさして珍しくない竜族。
しかし、この竜は他の竜とはまるで違い、恐ろしく巨大で、威厳がある。
その言葉にも、姿や風格同様、威厳がある。
「何でって…」
竜の問いに言葉を詰まらせる青年。
彼は大切な友人の病気を治すため、竜の鱗を採りに来た。
友人の命は長くない。一刻を争うのだ。
何も考えず、ろくに準備もせず、竜の巣へ入った。
今日がどんな日なのか忘れて。
「今日のわしの目に入り、無事でいられると思ったか。
死にたくなければ、今直ぐわしの目から消えろ!」
そう。今日は年に一度の竜呪の日。
この日は、世界中の竜族が、我を忘れて暴走する。
並の竜ならまだしも、この巨竜が暴れだしたら、人間など一溜まりもない。
「今わしが冷静でいられるのは、竜呪の力が一時的に弱まっているからだ。
直ぐにわしは平常心を失う。
もしお前を殺せば、人間どもはわしを討伐しにくるだろう。
お前が今直ぐに此処を去れば、全ては丸く収まる。
子供ではないだろう。聞き分けるのだ」
青年は、内心怖かった。
いつ自分が死ぬか分からない状況だからだ。
しかし、彼はその場を去るどころか、こう言い放った。
「親友が…親友が死にそうなんだ!
もう時間がない。一握りでいいから、あんたの鱗を分けてくれ!」
青年の瞳に込められた強固な意思。
それを見た巨竜は、黙って自分の鱗に手を伸ばした。
しかし。
「う、うぐ…!」
巨竜が突然呻き出した。
その顔が、見る見る内に狂気に染まっていく。
「何故此処へ来た」
この世界ではさして珍しくない竜族。
しかし、この竜は他の竜とはまるで違い、恐ろしく巨大で、威厳がある。
その言葉にも、姿や風格同様、威厳がある。
「何でって…」
竜の問いに言葉を詰まらせる青年。
彼は大切な友人の病気を治すため、竜の鱗を採りに来た。
友人の命は長くない。一刻を争うのだ。
何も考えず、ろくに準備もせず、竜の巣へ入った。
今日がどんな日なのか忘れて。
「今日のわしの目に入り、無事でいられると思ったか。
死にたくなければ、今直ぐわしの目から消えろ!」
そう。今日は年に一度の竜呪の日。
この日は、世界中の竜族が、我を忘れて暴走する。
並の竜ならまだしも、この巨竜が暴れだしたら、人間など一溜まりもない。
「今わしが冷静でいられるのは、竜呪の力が一時的に弱まっているからだ。
直ぐにわしは平常心を失う。
もしお前を殺せば、人間どもはわしを討伐しにくるだろう。
お前が今直ぐに此処を去れば、全ては丸く収まる。
子供ではないだろう。聞き分けるのだ」
青年は、内心怖かった。
いつ自分が死ぬか分からない状況だからだ。
しかし、彼はその場を去るどころか、こう言い放った。
「親友が…親友が死にそうなんだ!
もう時間がない。一握りでいいから、あんたの鱗を分けてくれ!」
青年の瞳に込められた強固な意思。
それを見た巨竜は、黙って自分の鱗に手を伸ばした。
しかし。
「う、うぐ…!」
巨竜が突然呻き出した。
その顔が、見る見る内に狂気に染まっていく。