篠原一『市民の政治学』にちょっと物言いをつけておく。
まず、定常化社会、ウォーラーステインと来た時点でお腹いっぱい。
べックの「リスク社会」という概念も個人的にはあまり好きではない。
共同体が健在だった前近代にはリスクはなかったんですか?と問いたくなる。
子供を5人産んで3人死ぬのが当たり前だった時代とか、
飢饉があれば村一つ全滅していた時代より市場経済が発達した現代の方が安全じゃないかと。
まぁ近代においてリスクはチャンスでもある、という文脈はわかりますが。
ポピュリズム批判も世の中が右傾化してきてから言い出すのは姑息な感じ。
香山リカのプチナショナリズム批判を引用してくるのもショボイ。
オルテガやフロムなどのポピュリズム批判はもともと保守派が援用してたのに。
アドルノなんかはまぁ左翼だけど、大衆批判という文脈では保守っぽいでしょ。
ハーバーマスではまだちょっと保守っぽいのでもう少し左が良いと言ってるだけの感じ。