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ぼくらはみんな生きている

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・ ぼくらはみんな生きている
坪倉優介著 幻冬社文庫

 18歳の時、交通事故によってすべての記憶をなくした青年が12年かけて独立していった記録です。
 目覚めた時には、両親や友達のことはもちろん、自分の名前を含めたすべてを忘れていました。それだけでなく目にするすべての物がはじめてみるもので、なにがなんだかわかりません。食べ物を口に入れられても、噛むことすら覚えていないのです。
 希望に満ちた大学生活をはじめたばかりで、不意に赤ちゃんに戻ってしまった青年。共に過ごしてきたご家族のお気持ち、ご苦労は大変なことだったろうと思います。
 一章ごとに挟まれるお母様の記録にもそのことが想像されます。
 はげまされ、思い悩みながら、12年かけて自分を再構築していった過程をやさしく素直な文体で描いています。
 解説で原田宗典さんが「友情とか愛情とかさ、そういうのはどうなったの?やっぱり記憶を失うのと一緒に、すっかり失ってしまったのかな?」と問いかけます。
 その答えはぜひ、この本を読んでください。

(2003-06-20)
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