「こんにちは。
私は、都 綾子(みやこ あやこ)。
あなたの先生よ。」
都「……うそ。
KEY92いえ、キイクニ、くん?
なんでこんな所にいるの?」
青「いろいろ、具体的に言えばゲーム3本分くらいの
事があったんです。」
都「なあにそれ?
ふふ、でも、よかった。
先生ね、飛ばされちゃったの。
心残りはあなた達の事だったけど……。
そうか、君だけでも無事が確認できて、
よかったわ。
……こんなに嬉しい事はないもの。」(PC青の厚志)
都先生の瞳は、どこか悲しげだ…。
「…この島は、魂を安らがせるには、
ちょうどいい所ね。」
都先生は、遠くを見て、もっと遠くを思っている。
都先生は、遠くを見て、もっと遠くを思っている。
なにか、心残りでも?
「いえ、先生には、そういうのはないわ。
先生にあるのは後悔だけ。
それと少しの、祈りね。」
こっちみてー
都先生は、どこか悲しそうに、少し笑った。
「ごめんない。(方言?)
先生、ぼんやりさんだから。」
「この島には、なんにも無いでしょ。
でも、だからこそ、時間は沢山あるわ。
反省する時間も、後悔する時間も。
そして多分、癒される時間も……。」
先生も癒されているの?
「客観的に見れば、そうかもしれないわね。
私は、あんまり癒されたくはないけれど。」
なるほど
「ええ。」
「私は、この島のみんなが好きよ。
みんな、汚れてないから。」
授業中ふと顔をあげると窓の外の校庭で
都先生が犬をひっくり返してお腹を触ってる。
ああ…、いいなぁ。
「校庭に犬がいたから、日向干しにして蚤を
取ってたら、あっという間に一日が終わったわ。
馬鹿みたいね。私。」
その割に機嫌は、悪くなさそうだ。
「…顔が、赤いわよ。
こっちにいらっしゃい。
熱かもしれないわ。
…恥ずかしがってないで。
こう見えても、私は医師なのよ?
…、うん、やっぱり少し熱があるみたい。
今日は、早めに帰ってお休みなさい。」
「先生ね、最近あちこちに往診に出かけてるの。
この島にもお医者はいるけど、専門医は、
あんまりいないから。
私の専門?
そうね、内臓……かしら。」
「最近、私を頼ってくる島民が増えたわ。
ほら、軍には優先的に医薬品、
廻されているから。
…嫌なものね、軍隊というものは。
殺しあいをするから、医薬品を多く使うのは
わかるけど……。
ごめんなさい。
あなた達の事を言った訳じゃないの。」
「先生、駄目ね。
傷つけたくない人ばかり、いつも傷つけてる…。」
「先生ね、この間、この島のみんなが好きって
言ったでしょ。
あれは、嘘。
本当は大嫌い。
私は汚れているから。
無垢なものを見せつけられると、悲しくなるから。
ごめんなさい。
みんなが悪いわけじゃないのよ。」
「あなたは、不思議な人ね。
まるで、風のよう。
どんな事を話しても、表情一つ変えないから
つい話しすぎちゃうわ。」
「先生ね、生きていてはいけないのよ。
悪い事に加担しちゃったから。
私も、いいかげん早く死ねばいいと思ってるけど、
まだ、面倒みないといけない子が、一人、
残ってるから……。」
「ごめんなさい。
今日は眠くて。
あんまり眠れなかったの。
前までは薬を使っていたんだけど、ほら、
島からの脱出に伴って、不眠症の症状を訴える
人が多くなったから…。
先生の分は、無くなっちゃった。」
「睡眠薬が切れるとね、夢を見るの。
それで、眠りたくなくなるの。」
悪夢ですか
「悪夢だったら、どんなに良かった事か。
見るのは、楽しい夢なのよ。
みんなから、先生、先生って、慕われる夢。
あの頃を思い出すだけで、死にたくなる。」
うーん
「あら、○○さん?
どうしたの、具合が悪いの?」
なんでもないです
お話しに来ただけです
「……なにか、相談かしら。
先生もちょうど相談があったんだけど。」
PC「先生に悩み事なんてあるんですか?」
「……あら、悩み事のない人間なんてないわ。
良い所だけの人間もね。」
女先生は、笑って、あなたの頬に触れた。
手は、とても冷たい。
「……私たちが悩んだり、喜んだり、悲しんだり
しているその時には、他のどんな人たちも、
同じようにしているのよ。
(ヒロイン)さんも、(友人)さんも、(仲間1)さんも、(仲間2)さんも
私や、大迫先生も、みんな、みんな
そうしているのよ。
自分が嬉しいと思う事は、きっとみんなも
嬉しいと思うわ。
その逆もきっとそう。」
女先生は、少しだけ悲しそうに微笑んだ。
「これはとても大切な事なのよ、
どんな授業よりもね。
…だけど、人間はみんな、
すぐに忘れてしまうの。
…これさえ覚えておけば、どんな戦いも
どんな争いも終わらせる事ができるのにね。
もっとも、…先生も人の事はあまり
言えないけどね。
でも、…これだけは覚えておいてね。
たとえ、どんな事があっても。
…幸せな人生というものは、自分と他人との
違いはないと言う事を、何回再確認できたかで
決まるのよ。
…だから、先生は今、少しだけ幸せよ。
一人の生徒が、先生と同じように悩んでいて、
友達と同じようにお話にきてくれたんですもの。」
女先生は、あなたの額に自分の額をくっつけるか
という位に近づいた。
「それは沢山の悲しみと、死ぬという事で、
初めて人間が手に入れたものなの。
高い授業料よね。」
PC「…何かの宗教ですか。」
「いいえ、これは民主主義と言う名の
誰もが知ってる当たり前の事よ。
あなたは、もっと別の名前を知っているかも
しれないわね。
…私たちが、命を賭けて守るべきものよ。
…この大切なものを、世界からなくさない為に。
いつか、迷っている人が居た時に、手を差し
伸べる事が出来るようにね。」
PC「………。」
「…あなたに話していたら、不思議ね。
先生の悩みは、無くなっちゃった。」
女先生は、にっこり笑った。
「ありがとう、○○さん。」
「先生の話、聞いてくれる?」
はい
「女先生ね、昔、軍の研究所、ラボにいたの。
戦争に勝つための新型戦車の実験を、
そこではやってたわ。
人間を、実験台にしてね……。
みんな、いい子だったわ。
私に、懐いていた。
私は……。」
女先生は、絶句している。
「なんてひどい事を、私はしたんだろう。
私はどんな権利があって、人にあんな事を
できるんだろう。同じ人なのに…。
同じ、人だったのに…。」
いいえ
「大迫先生、私の事好き、だよね。」
そりゃもう/ばればれだよね
「こんな私でも好きになってくれる…。
うれしいけど、でも私にはそんな資格はないわ。」
「……。
先生ね。結婚しようかと、思うの。
私には資格がないって言ったら、その人が、
幸せになるために結婚するわけじゃないって。
……。
馬鹿だよね。
…ありがとう。
みんな、あなたのおかげね。
どれだけ感謝しても、したりないくらい。」
「女先生の配属先、決まったわ。
今度は北海道。
男先生も、一緒よ。
……。
先生、頑張るね。」
結婚式、ここで挙げたかったわ…。
父島守備隊、生き残りの証言。
……島を離れるその日。
貴方は女先生と二人で、学校の戸締りをして、
そして二人並んで、長い坂を下りていきました。
「結婚式、この島でやりたかったんだけどね…。
残念だわ。」
見たかったなあ/そうですね
「…今度はいつ、ここに戻ってこれるのかしら。
1年後なのか、10年後なのか……。」
元気出してください/すぐに戻れますって
「……そうね。
ごめんね。
こういう時、先生が元気付けて
あげなきゃいけないのに。
あなたに、元気付けてもらってる。」
女先生は、なにか言いたそうにしていたが、
結局言ったのは、別の事だった。
「どっちが先生だかわからないわ。
ふふ。
まあ、修行の余地が、たくさんあるって
思うことにするわ。
行きましょう○○君orさん。
男先生や、みんなが、待ってるわ。」
最終更新:2009年04月28日 00:46