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個体間変動モデルの構築 - (2006/04/07 (金) 05:31:01) の編集履歴(バックアップ)


たとえば,(吸収相のない)2-コンパートメントモデルを考える.推定すべき PK パラメータは CL,Vcentral,Q,Vperipheral の 4 つである.原理的にはこれら 4 つのパラメータすべてに個体間変動(個人差)は存在するはずである.しかし,それらすべてが実際に推定できるとは限らない.どの PK パラメータの個体間変動を推定することが可能かを得られているデータに基づいて検討する必要がある.

上記2-コンパートメントモデルの場合でいうと,個体間変動パラメータの推定可能性に関しては以下の組み合わせが考えられる(もちろん,例外はありうる).

  1. CL のみの個体間変動を推定可能
  2. CL と Vcentral のみの個体間変動を推定可能
  3. CL,Vcentral,Q のみ,あるいは CL,Vcentral,Vperipheral のみの個体間変動を推定可能
  4. CL,Vcentral,Q,Vperipheral すべての個体間変動を推定可能の個体間変動を推定可能

上記のほかの組み合わせも論理的には考えられるが,薬物動態学的観点からは現実的ではないので検討する必要はほぼないであろう.たとえば,血漿中濃度データのみに基づいて CL と Vperipheral の個体差のみを推定できるということはまずありえない.

なお,上記の組み合わせそれぞれについて,各 PK パラメータの個体間変動間に相関がありうるか (推定可能か) の検討も必要である.例えば,上記 2. の場合でいうならば,CL と Vcentral の間に相関があるか(それが推定可能か)検討することになる.
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