あがく(自動)(規一)[足掻]①前足にて地を掻く。(馬にいふ)【※[#「足へん+宛」、第3水準1-92-36]】②手足をうごかす、もがく。(人にいふ)
あかくさ(名)[赤草]①ははきぎ。②蓼の類、形小く、野邊又は路傍に生じ、穗を出して、紅なる花を開くもの。【野蓼】
あかぐま(名)[赤熊]熊の一種、長、八九尺に至る、毛、茶褐色にして長く、つきのわ無し、性甚だ猛し、多く北海道に棲む、土人、其幼なるより畜ひて祭事に供す。【※[#「魅」の「未」に代えて「隹」、第4水準2-93-32]】
あかくりげ(名)[赤栗毛]馬の毛色の、栗毛に赤みあるもの。
あかげ(名)[赤毛]①髮の毛の赤みたるもの。②馬の毛色の名、赤くして黄を帶びたるもの。【※[#「馬+華」、第3水準1-94-18]】
あかこ(名)[赤子]蟲の名、溝などに生ず、甚だ小くして赤し、捕りて金魚の餌とす。【小紅蟲】
あかご(名)[赤子]生れて程歴ぬ小兒の稱。
あかごけ(名)[赤苔]苔の類、濕地に生ず、甚だ細かく、泥土に似て、色赤く紫なり。【紫衣】
あかごめ(名)[赤米]①米の微紅《うすあか》き班《ふ》あるもの。②陳米《ひち?まい》の赤みたるもの。③だいたうまい。
あかざ(名)【藜】〔若葉の赤き故の名か〕一年草の名、葉は互生して、三角にして長みあり、周にきざみありて厚し、若葉は紅にして後に緑となる、莖高さ三四尺、亞紀、穗をなして粒の如き花を開く、色緑なり、莖を乾して杖とす。一名、あかあかざ。又、一種、若葉の時、白くして灰をまきたる如きものを「あをあかざ」、又「しろあかざ」と云ふ。【灰※[#「くさかんむり/櫂のつくり」、第3水準1-91-33]】又、「のあかざ」あり、其條に注す。
あかし(名)【明】ともしび。あかり。「御あかし」【燈】【燭】
あかし(名)【明】明《あか》すこと。たしかなるしるし。證據。【證】
あかし(形一)【赤】①赤《あか》の色したり。②あきらかなり。あかるし。(燈など)【明】
あかしだま(名)[明石玉]擬製《まがひ》の珊瑚珠、播州明石より産ず。
あかしちぢみ(名)[明石縮]絹絲と綿絲とにて織れる縮布《ちゞみ》、播州明石郡に産ず、夏の服とす。
あかじみ(名)[垢染]垢の染《そ》みたる汚《よごれ》。
あかじむ(自動)(規一)[垢染]垢に染《そ》みて汚《よご》る。
あかす(他動)(規一)[明]經《へ》過《すご》す。送る。「夜をあかす」年をあかす」【過了】【送】
あかす(他動)(規一)【明】①あきらかにす。②秘したるを顯はす。「心をあかす」③疑はしきを糺しあきらむ。【證明】
あかずな(名)[赤砂]「こんがうしや」に同じ。
あかずみ(名)[赤墨]「しゆずみ」に同じ。
あかぜみ(名)[赤蝉]「あきぜみ」に同じ。
あかそ(名)[赤麻]「からむし」の一種、形、「のまを」に似て小く、莖赤く、葉の大さニ三寸にして對生す。
あがた(名)[縣]〔上《あが》り田の義と云ふ〕①上古、諸國にある朝廷御領の地。②後に縣主《あがたぬし》の治むる一區の地の稱。(後に大抵、郡となれり)③國司の官人の其任國を指していふ語。「あがた果てて」あがた召《めし》」④轉じて、田舍《ゐなか》。「あがたありき」
あかだいこん(名)[赤大根]「だいこん」の一種、形、常の如くにして、葉、根、花、の紅なるもの。【紅蘿蔔】
あがたぬし(名)[縣主]①上世、縣《あがた》を治むる職、世襲なり。②後に姓《かばね?》の名。
あかだひ(名)[赤鯛]鯛《たひ》の條を見よ。
あかだい→あかだひ
あかだま(名)[赤玉]①色赤き玉。②{琥珀。
あがち}(名)分《あが》つこと。わかち。【領】
あかぢさ(名)[赤苣]「さんごしゆな」に同じ。
あがつ}(他動)(規一)分《わか》ちてあてわたす。【頒】
あかつき(名)【曉】〔明時《あかとき》の轉〕夜の明くる頃。あけがた。よあけ。
あかつきげ(名)[赤◯毛]馬の毛色に、「つきげ」に赤みあるもの。【赭黄馬】
あかづく(自動)(規一)[垢付]垢、物につく。あかじむ。よごる。
あかつち(名)[赤土]①古言、はに。黄赤にして粘ある土、黄土《こうど》などに製す、山地所在に出ず。【埴】②{たいしやせき。③烟草の一種、常陸の多賀郡太田の邊より産するもの、氣烈し。一名、あかまひ。
あかとき}(名)【曉】〔明時《あかとき》の義〕「あかつき」に同じ。
あかとんぼ(名)[赤蜻蛉]古名、あかゑんば、「とんぼ」の一種、形小し、其中に春出づるは大く、秋なるは小し、身、翅、共に朱なり。又、形大くして、身は朱に翅は褐色なるあり。又、甚だ小くして、五分許なるもあり。【赤卒】
アカとり(名)〔閼伽の條を見合はすべし〕舟の中の漏水《あか》をかいだす器。【※[#「戸の旧字+斗」]斗】
あかな(名)[赤菜]菜の一種、近江の日野に産す、形、「あぶらな」に似て、色紫に、根も亦紫紅なり。【紫菘】
あがなひ(名)【贖】あがなふこと。あがなふ物。
あがない→あがなひ
あがなふ(他動)(規一)【贖】①物を罪の代りに出し、請ひて其罪を消す。②代りとして、物を出す。うめあはせをなす。③請け出す。(質物など)
あがなう→あがなふ
あかなまづ(名)[赤鯰]①「なまづ」の色赤きもの。②「ぎぎ」の類にて、身の長さニ三寸あり、鰭に刺《とげ》ありて螫《さ》すもの。
あかにし(名)[赤螺]①古名、あき。螺の類、形、「さざえ」に似て長く、外面に角刺《とげ》なく、紫黒にして、裏赤し、肉食ふべし。【紅螺】②‡俗に吝嗇なる人を罵りて呼《よ》ぶ語。
あかぬける‡(自動)(規四變)[垢拔]①垢、脱《ぬ》けて淨し。(肌に)②「しろうとけ」を脱出《ぬけい》づ。
?あかね(名)[赤根]蔓草の名、山野に多し、春、舊根より生ず、莖、方《かく》にして、中空く、葉と共に刺あり、葉は四片一節に生じ、◯の葉に似て鋸齒《きざみ》なし、秋の初、蔓の梢、葉の節に、穗をなして四瓣の白花多く綴る、大さ一分許なり、實は山椒の如し。此根、細條多く簇りて黄赤なり、採りて赤色を染むる料とす、又、藥用ともして茜根《さいこん》といふ。【茜草】
あかねさす(枕)[赤根刺]〔赤氣差《あかげさ》す、或は赤丹差《あかにさ》すの轉〕日《ひ》、又は、晝《ひる》の枕詞。
あかねぶり(名)[垢※[#「舌+低のつくり」、第3水準1-90-58]]①浴室《ふろば》に生ずる蟲の名。②ゐもり。
あかねもめん(名)[茜木綿]「あかね」にて染めたる綿布、多く、蘇芳《すはう》にても染む。
あかのたにん(名)全く血縁《ちすぢ》なき他人。
あかのまんま(名)[赤飯]①小兒の語、「あづきめし」に同じ。②野蓼《あかぐさ》の一名。
?あかばうず(名)[赤坊主]◯の類、「あかぼふし」に同じ。
あかぼうず→あかばうず
あかはだ(名)[赤肌]〔明肌《あかはだ》の義〕①肌の皮の剥《む》けたること。②あかはだか。すはだか。
あかはだか(名)【赤裸】〔明《あか》裸の義〕①衣を脱《ぬ》ぎて肌《はだへ》をあらはなること。あかはだ。すはだか。②「はだかむぎ」の一名
あかはぢ(名)[赤恥]〔明恥《あかはぢ》の義〕現《あら》はなる恥。
あかばち(名)[赤蜂]蜂の一種、腰細く、翅、黄赤にして、身に黒と黄赤との斑《ふ》あるもの。
あかばな(名)[赤花]草の名、莖、高さ一尺許、葉は「うつぼぐさ」に似て、狹く鋸齒ありて、對生し、夏に至りて、色、深紫に變ず、花の大さ、ニ分餘、四瓣にして、色紅なり。【柳葉菜】
あかばむ(自動)(規一)[赤]赤みつく。次第に赤くなる。あかむ。あかまる。あからむ。
あかはら(名)[赤腹]①鳥の名、状、「つぐみ」に似て、頭、黒く、背と翅とは蒼灰にして、胸と腹とは赤し、聲、短くして、囀《さへず》らず、能く群をなす。【※[#「即/鳥」、第4水準2-94-18]】②「ゐもり」の一名。③「うぐひ」の一名。
あかひき(名)[赤蟇]①蟇《ひき》の赤みあるもの。②あかがへる。
あかひげ(名)[赤髭]①髭の色赤きもの。②‡轉じて、西洋人を嘲り呼ぶ語。③鳥の名、「てうせんごま」の一名。
あかひゆ(名)[赤※[#「くさかんむり/見」、第3水準1-90-89]]※[#「くさかんむり/見」、第3水準1-90-89]《ひゆ》の一種、莖葉の色、紫赤なるもの。訛りて、あかひよう。又古へ染料に用ゐたり、故に、一名、しやうえんじ。
あがふ}(他動)(規一)【贖】「あがなふ」に同じ。
あがう→あがふ
あかぼうふり(名)「ぼうふりむし」の色赤いもの。
あかぼ
あかぼし(名)[赤星]金星《きんせい》の條を見よ。
あかほじほ(名)[赤穗鹽]播州の海邊の各郡に産ずる鹽、赤穗を最とし、鹽中の上品とす。
あこおじお→あかほじほ
あかぼふし(名)[赤法師]小麥の芒《のぎ》なきもの。あかばうず。【火燒麥】
あかぼうし→あかばふし
あかほん(名)[赤本]古く、「くさざうし」を呼びたる語、そのころの表紙、皆、色の赤きを用ゐたりしが故なり。
あかまいし(名)[赤間石]長州の厚狹郡豐浦郡に産ずる石の名、赤間が關より四方へ出す、硯として佳品とし、色の紫赤なるを上とす。
あかます(名)[赤鱒]①べにます。②魚の名、「はたじろ」の類、赤き斑あり。
あかまつ(名)[赤松]「まつ」の條を見よ。
あかまひ(名)[赤舞]烟草の名、「あかつち」を見よ。
あかまい→あかまひ
あかまる(自動)(規一)「あかばむ」に同じ。
あかみ(名)[赤身]①杉などの材木の中心の色赤き處、朽ちがたきを貴ぶ。周《めくり》なる白き處を「しろみ」、又は「しらた」といふ、朽ち易ければ劣る。②肉の色赤き部。
あかみそ(名)[赤味噌]味噌の色赤きもの、白大豆《しろまめ》にて製す。
あかみばしる(自動)(規一)「あかばむ」に同じ。
かみわたる(自動)(規一)[赤亙]すべて赤くなる。
あかむ(自動)(規一)「あかばむ」に同じ。
あかむ(他動)(規ニ)[赤]赤くなす。「顏をあかむ」
あがむ(他動)(規ニ)[崇]〔上《あが》むの義〕尊きものとあつかふ。たふとびうやまふ。
あかばう‡(名)[赤坊]「あかご」に同じ。(東京語)
あかぼう→あかばう
あかんべい‡(名)「あかめ」の訛。(東京)
あかめ}(名)[赤女]鯛《たひ》の古言。
あかめ(名)[あかめ]①下※[#「目+匡」、第3水準1-88-81]《したまぶた》を指にて引きひろげ赤くして、小兒を威す戲。轉じて事を否み卻くる意をも示す。訛りて「あかんべい」。又、目赤《めあかう》。めかかう。(其條を見合はすべし)②魚の名、いせごひ。
あかめがしは(名)[赤芽柏]一名、あかがしは。樹の名、山野に多し、高さニ丈餘に至る、葉は三又にして、大さ三四寸より五六寸に至り、鋸齒あり、互生す、莖赤く、芽も甚だ赤し、夏、穗をなして、黄白色の花群がり開く、實の大さニ三分なり。樹の古名を「あづさ」といひ、弓の材とす、又、支那にては、材を版木とす。【梓】
あかめがしわ→あかめがしは
あかめだひ(名)[赤目鯛]小魚の名、「めばる」に似て、目、口、大く、全身に紅と緑との斑《ふ》あり。
あかめだい→あかめだひ
あかめる‡(動)[赤]あかむ(他動)の訛。
あがめる‡(動)【崇】「あがむ」の訛。
あかもがさ}(名)[赤疱瘡]「はしか」の古名。
あがもの}(名)[贖物]身の禍を贖ひ祓ふ物。(「かたしろ」の條を見合すべし)
最終更新:2010年12月18日 15:23