あから~あき

あから}(名)〔顏赤《あから》かになる義〕酒《さけ》の古言。
あからかに(副)[赤]赤みありて麗はしく。(顏色などに)

あからがほ(名)[赤顏]赤ばみたる顏色。
あからがお→あからがほ
あからさまに}(副)①たちまち。俄に。【※[#「倏」の「犬」に代えて「火」、第4水準2-1-57]忽】②かりそめに。ついちょっと。「仁和寺よりあからさまに京へ御幸ありて」
あからさまに(副)〔明状にの義か〕うちあけて。かくすことなく。あらはに。明白に。【赤地】
あからぶ(自動)(規三)[赤]あからむ。あかばむ。
あからむ(自動)(規一)[赤]赤く色づく。あかくなる。あかばむ。
あからむ‡(他動)(規ニ)[赤]赤くなす。あかむ。
あかり(名)[明]①光より發して物を明に見する象。「日のあかり」燈のあかり」②證據。あかし。「あかりが立つ」
あがり(名)【上】①あがること。のぼること。②上達すること。(學藝に)【上達】③高直になること。(價に)【騰貴】④成り果《は》つること。成就。(工事《しごと》に)【成就】
あがりくち(名)[上口]階段などに上るべき所。
あかりさき(名)[明先]明りのさしくる前。「あかりさきに立塞がる」
あかりざしき(名)[揚座敷]あがりやを見よ。
あかりしやうじ(名)[明障子]細く方《かく》なる木を格子に組みて骨とし、紙ひとへを貼りて、明りを透し、又、風を防ぐ障子。今略して專ら障子とのみいふ。(障子《しやうじ》の條を見合すべし)【亮隔】
あかりしようじ、あかりしょうじ→あかりしやうじ
あがりだん(名)[上段]高きに登る段。階《はしご》の足を踏みかくる處。【階】
あかりとり(名)[明取]日の光を差込まする處。(窓など)【仰窓】
あかりば(名)[上塲]舟より岸に上るべき處。
あがりや(名)[揚屋]徳川氏の制に、身分ある罪人《つみびと》の牢。其上等なるを揚座敷《あがりざしき》と云ふ。
あかる}(自動)(規一)[明]あかるくなる。夜明く。
あかる}(自動)(規一)[赤]赤くなる。あからむ。「醉ひて顏あかる」【※[#「酉+它」、第4水準2-90-34]】
あかる‡(自動)(規一)[明]おのづから開く。【開】
あがる(自動)(規一)【上】①上へ行く。高きに至る。昇《のぼ》る。【揚】②貴《たか》くなる。高直になる。増す。(價に)【騰貴】③善きに進む。昇進す。貴《たふと》くなる。「役目があがる」位があがる」【進】④巧なるに進む。上達す。熟練す。(學術に)【熟達】⑤成る。成就す。できる。「仕事があがる」色があがる」【成就】⑥收まる。「雨があがる」乳があがる」【收】⑦死ぬ。(魚にいふ。陸に上るの意、鳥の「おつる」に對す)【魚死】⑧まゐる。參上す。(宮中、殿中、官衙《やくしょ》へ)⑨沒收となる。とりあげとなる。「役があがる」扶持があがる」【沒官】⑩甚だ古くあり。「あがりたる世」【上古】⑪供物《そなへもの》となる。「供物《くもつ》があがる」燈明があがる」年貢があがる」【供】
あがる(他動)(規一)〔上《あが》るの轉〕くらふの敬語。
あがる}(自動)(規ニ)【別】わかる。放《はな》る。
あがるし(形一)[明]①光りて善く見ゆ。暗からず。あきらかなり。【光明】②善く解《げ》し得られてあり。「法律にあかるい」【通明】
あかるみ(名)[明]あかるき處。あかるき方。【明處】
あかゑ(名)[赤繪]やきものに、赤色の釉《くすり》にてかきたる※[#「書」の「日」に代えて「凵<田」、6-3-7]。
あかゑむば(名)あかとんぼに同じ。
あかを(名)[赤魚]〔「あかうを」の約〕形、略、鯛に似て、厚く濶く、大なるはニ三尺に至る、頭大く、口廣く、眼も大くして、鬼の面の如し、尾に岐《また》なく、鱗細かく、全身淡赤くして、丹色の斑あり、肉白く、味淡し。
あこお→あかを
あき(名)【秋】一年四時の第三に當るもの、夏の次、冬の前、徃時は、凡そ七月、八月、九月、今は凡そ八月九月十月なり。
あき}(名)【商】あきなひ。
あき}(名)あかにしの古名。
あき(名)[明]①明きたる處。ひま。すきま。【隙】②明きたる時。いとま。ひま。「工事《しごと》のあき」【間暇】③空《から》なること。人の住まぬこと。「あき屋」あき店」【空】
あき(名)【厭】厭《あ》くこと。倦むこと。「あきが出る」あきが來る」
あぎ(名)【※[#「月+咢」、第3水準1-90-51]】〔明《あき》の轉か〕口の中の上下の骨。あぎと。あご。
あぎ(名)【阿魏】〔印度邊の語ならんか〕舶來藥品の名、植物の脂《やに》にて、樹に採ると、草に採ると、の二種ありと云。
あきうど(名)【商人】〔商人《あきびと》の音便〕商賣《あきなひ》を生業《なりはひ》とする人。あきびと。あきんど。
あきかぜ(名)【秋風】①秋の時節に吹く風。②秋を厭《あき》の意に寄せて、男女の情のはなるること。(漢の班?※[#「女+捷のつくり」、第4水準2-5-61]※[#「女+予」、第3水準1-15-77]の故事にて、秋の扇は捨てらるる物としていふ)
あきくさ(名)【秋草】秋に咲く草花を總べいふ語。
あきぐみ(名)[秋茱萸]草の名、高さ丈餘に至る、葉は互生し、「なつぐみ」より小く狹く、面、深緑にして、背、白く光あり、枝も同じ、春の末、花を開く、「なつぎみ」より小し、實、秋に熟す、大さ「なんてん」の如く、赤くして白き點あり、食ふべし。【野櫻桃一種】
あきさ(名)[秋沙]鳥の名、状、「こがも」に似て、頭と背とは灰色にして、腹白く、觜、細く尖り、脚と共に赤し、秋來り春去る。あいさ。あひがも。【※[#「刀」の「ノ」が横向き、第3水準1-14-58]鴨一種】
あきじひ(名)[明盲]あきめくら。
あきじい→あきじひ
あきぜみ(名)[秋蝉]蝉の一種、形、大くして、翅、赤褐にして透きとほらず、秋の半に、晩に當りて多く鳴く。あかぜみ。あぶらぜみ。【※[#「虫+乍」、第4水準2-87-38]蜩】
あきたじやうのすけ(名)[秋田城介]古へ、出羽國の秋田城を守る官、出羽の介たる者、これを兼ぬ。
あきたじようのすけ、あきたじょうのすけ→あきたじやうのすけ
あきたぶき(名)[秋田蕗]羽後國の秋田郡鹿角郡等に産ずる蕗、最も大くして、高さ七八尺に及び、葉の圍み丈餘ありて、傘の如し。
あきたる(自動)(規一)【飽足】十分に飽く。滿足す。
あきち(名)[明地]家居の無き地所。【空地】
あきつ(名)[秋津]〔秋之蟲《あきつむし》の略か〕とんぼに同じ。
あぎと(名)【※[#「月+咢」、第3水準1-90-51]】〔※[#「月+咢」、第3水準1-90-51]門《あぎと》の義〕①あぎに同じ。②えらに同じ。
あぎとふ}(自動)(規一)〔※[#「月+咢」、第3水準1-90-51]《あぎと》をはたらかす〕①水の上に浮みて泡を吹く。(魚に云)【※[#「口+僉」、第4水準2-4-39]※[#「口+禺」、第3水準1-15-9]】②かたことに物言ふ。(小兒に)【※[#「口+兒」、7-2-7]嘔】
あぎとう→あぎとふ
あきなひ(名)【商】あきなふこと。しやうばい。
あきない→あきなひ
あきなふ(他動)(規一)【商】〔商《あき》、行《な》ふの意〕賤《やす》く買ひて貴《たか》く賣る。うりかひする。商賣《しやうばい》す。賣買《ばいばい》す。
あきなう→あきなふ
あきのかた(名)[明方]歳徳神《としとくじん》の條を見よ。
あきはつ(自動)(規ニ)[厭果]全く厭《あ》く。
あきびと}(名)【商人】あきうどに同じ。
あきふたげ(名)[秋二毛]鹿の毛色にいふ語、行縢《むかばき》などに用ゐるにいふ、秋に至りて、古毛長く、新毛短く、生《は》へ交りたる、其古毛をむしり去れるもの、色、夏毛より濃し。
あきんど(名)【商人】あきうどに同じ。
あきんどやど(名)[商人宿]旅《たび》の商人を宿《やど》す旅店《はたごや》。
あきめくら(名)[明盲]盲目《めくら》の一種、眼の状、常に變ることなくて物の見えぬもの。あきじひ。【青盲】
あきもの}(名)[商物]商ひにする品物。
あきもも(名)[秋桃]秋に熟する桃の實、味、殊に美なれば名あり。
あきや(名)[明家]人の住まぬ家。【空家】
あぎやう(名)[阿行]五十音圖《ごじふおんづ》の第一の行《ぎやう》。
あぎよう、あぎょう→あぎやう
あきらかに(副)【明】①くもりなく。あかるく。はきと。②疑ひなく。能く解《げ》し得て。「意味をあからかに知らる」
あきらけし(形一)【明】①あきらかにてあり。はきとしたり。②思ひ迷ふことなし。能く解《げ》せらる。
あきらむ(他動)(規二)[明]あきらかに究め知る。「理をあきらむ」【辨】【諦】
あきらむ(自動)(規二)〔明《あき》らめて止む意〕念を絶つ。おもひきる。【絶念】
あきらめ(名)絶念《あきら》むること。思ひを絶つこと。おもひきり。「あきらめが早い」【絶念】
あきらめる‡(動)あきらむの訛。
あきる‡(自動)(規四)厭《あ》くの訛。
あきる(自動)(規二)[呆]物事の思ひの外なるに遇ひて心を失ふ。【惘】【瞠若】
あきれ(名)あきるること。あきれたること。
あきれる‡(動)呆《あき》るの訛。
最終更新:2010年12月25日 23:18
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。