笹本稜平
作風
笹本名義のデビュー作『時の渚』 けあし は私立探偵を主人公にした人情ミステリーだったが、第2作の『天空への回廊』 あし は、一転してエベレストを舞台にした正統派の冒険小説。以後、『フォックス・ストーン』 けあし、『太平洋の薔薇』 けあし、『グリズリー』 けあしろ、『極点飛行』 けあしろ などへと続く作品群で、スケールの大きい冒険・謀略小説を構築する作家として注目を集めた。
その後は、奥多摩の駐在所に勤務する元刑事を主人公に、『時の渚』に通じるペーソスを漂わせた『駐在刑事』 けあし、硬骨漢のマル暴刑事を主人公にした警察小説『不正侵入』 け、あるいはユーモア・ハードボイルドの『恋する組長』 けあし で新たな切り口を覗かせ、作家としての間口を広げた。『越境捜査』、『素行調査官』では、警察小説・ハードボイルドの書き手としてさらに深化した境地をみせている。また『還るべき場所』けあし、『未踏峰』 けあしろ では、ヒマラヤを舞台にピュアな山岳小説で気を吐いている。
山小屋の人々を描いた連作短編集『春を背負って』が、『劒岳 点の記』の木村大作監督により映画化された。主演は松山ケンイチ。2013年4月にクランクインし、2014年6月14日に全国東宝系で公開[17][18][19]。
檜垣耀二シリーズ
フォックス・ストーン(2003年5月 文藝春秋 / 2005年8月 文春文庫)
マングースの尻尾(2006年2月 徳間書店 / 2009年4月 徳間文庫)
『サハラ』(2008年4月)
越境捜査シリーズ
素行調査官シリーズ
駐在刑事シリーズ
駐在刑事(2006年7月 講談社 / 2009年9月 講談社文庫) けあし
尾根を渡る風 駐在刑事(2013年11月 講談社 / 2016年10月 講談社文庫) けあし
所轄魂シリーズ
組織犯罪対策部マネロン室シリーズ
名無しの探偵シリーズ
恋する組長(2007年5月 光文社 / 2010年3月 光文社文庫)けあし
ボス・イズ・バック(2015年10月 光文社 / 2017年12月 光文社文庫)
ソロシリーズ
『ソロ SOLO』 笹本稜平 県立 7Fサ 市立913サ 六913サ(2017年8月)
『K2 復活のソロ』(2019年6月)
『希望の峰 マカルー西壁』(2020年7月) 県立 7Fササ 市立913サ 六913サ
その他
暗号―BACK‐DOOR(2000年9月 光文社カッパ・ノベルス) - 阿由葉 稜(あゆば りょう)名義
【改題】ビッグブラザーを撃て!(2003年9月 光文社文庫) - 笹本稜平名義
時の渚(2001年5月 文藝春秋 / 2004年4月 文春文庫)
天空への回廊(2002年3月 光文社 / 2004年7月 光文社文庫)
太平洋の薔薇(2003年8月 中央公論新社【上下】 / 2006年3月 光文社文庫【上下】 / 2014年2月 小学館文庫 【上下】)
グリズリー(2004年8月 徳間書店 / 2007年2月 徳間文庫)
極点飛行(2005年6月 光文社 / 2008年2月 光文社文庫)
不正侵入(2006年11月 光文社 / 2009年7月 光文社文庫)
許さざる者(2007年12月 幻冬舎)
【改題】偽りの血(2010年10月 幻冬舎文庫)
還るべき場所(2008年6月 文藝春秋 / 2011年6月 文春文庫)
未踏峰(2009年10月 祥伝社 / 2012年5月 祥伝社文庫)
『特異家出人』(2010年8月)
春を背負って(2011年5月 文藝春秋 / 2014年3月 文春文庫)
南極風(2012年10月 祥伝社 / 2015年5月 祥伝社文庫)
『遺産 THE LEGACY』(2013年10月)
その峰の彼方(2014年1月 文藝春秋 / 2016年12月 文春文庫)
分水嶺(2014年10月 祥伝社 / 2017年8月 祥伝社文庫)
『大岩壁』(2016年5月)
指揮権発動(2019年1月 KADOKAWA) けあしろ
サンズイ(2019年10月 光文社) けあしろ
『山岳捜査』(2020年1月)
公安狼(2020年3月 徳間書店) けあしろ
最終更新:2021年08月24日 21:19