諸兵科連合―各ユニットのシステムの基本と使い方
- その軍で使用可能な幅広い兵器と装備について考え、それぞれに最も良い戦術を決定しようとするのは圧倒的容量になってしまうだろう。これを単純化するため、どの兵器も単独では用いられないゆえにより通常戦術はより大きな領域で分析される。現在の合衆国軍ドクトリンはSPWAWのとも関係のある6つの「戦場管制システム」について議論を行っており、兵器をグルーピングすることになれるであろう。(NBC兵器もまた戦場管制システムであるがSPWAWとは関係のない事項である。)
- 個々の運用戦術を考えるにあたって考慮する必要のある3つの領域が存在する。すなわち、機動力・火力・防護である。これは戦車の設計の3つの原則ともよく似ている。すなわち、速度、火力、装甲である。これらの要素の間には相関関係がある。ある場合では防護(死傷者を出して)と火力(射撃せずに移動する)を犠牲にして勝利ヘクスを奪取すべく迅速に移動しなければならないし、またほかの場合ではこの妥協は違ったものになるだろう。一般的に筆者としては防護の優先を推奨します。すなわち、慎重に移動し、監視を行い、自軍兵力を温存するのである。なぜなら大抵のシナリオは焦らなくても作戦目標を達成できるほどには長いからである。現実では部隊が突破あるいは部隊をより戦闘に適した地域へ迂回させるために積極的に移動する必要があったりするが、それは戦場が固定されたSPWAWの範囲外のことである。緊要地形や戦略的勝利ヘクスを敵にとられる前に早急に移動して確保することも必要になってくるだろう。
- しばしば使う用語二つ
- 統合:これは空間、ユニットの種類(大まかには歩兵・装甲・砲兵)を組み合わせてある種類の強みでほかの種類の弱みを穴埋めすることを意味する。統合はユニットを相互に支援射撃を行えるように物理的に配置することによって大まかには達成される。
- 同調:これは時間、さまざまなユニットを動かし、敵への複合効果を継続させることを意味する。例えば砲兵の弾幕は地上軍ユニットの進撃の前から開始され、地上軍ユニットが防御側の射撃化に入るまで防御側を制圧する十分な時間があるように時間計画が組まれていなくてはならず、弾幕は攻撃側を制圧してしまわないよう適切な時刻に移動されなければならない。攻撃を行う地上軍は、砲兵が砲撃を停止し対砲兵射撃を避けるため移動を開始しなければならなくなる前に防御側を攻撃すべく適切な時刻に移動を開始しなければならない。
機動
- 機動は戦闘力と戦争の原則の双方に含まれる要素であり、このガイドの他の箇所でも議論されている。機動とは敵側面・後方からの射撃を行ってこれを不利な位置におく敵に対する運動である。軌道によって自軍は敵を壊滅させたり直接・間接射撃を行ってその運動を妨害したり敵の砲火を避ける能力を得る。機動とは戦場を無計画に駆け回ったりおいしそうな目標を見えた端から手あたり次第に追いかけまわして射撃することではない。
- 戦闘を始める前にMETT-T要素を確認し、どこで・いつ・どんな理由で戦力を機動させたいかの計画を立てねばならない。あるときには勝利ヘクスあるいは敵戦力目がけての機動を行わなければならないが、あるときは敵の射撃(直接・間接)を避ける為に移動する必要が出てくる。進撃してくる敵部隊を射撃しようと高地の頂点にいる部隊は砲兵に制圧されたり煙幕で視界を遮られたりする可能性が高いため、こちら側が(別の地点への)機動を強いられることとなる。機動を行う際は機動・火力・防護の利用のバランスを保つようにせよ。移動する部隊は防護が低くなったり(歩兵は射撃に対してより脆弱になる)火力が低下したり(車両は効果的に射撃ができなくなる)する。これらが必要な場合、監視、すなわち一部の戦力のみを移動させることを用いることを考慮せよ。
- 機動を行う際には常に最悪に備えよ。自分の部隊を犠牲にしたくないなら、機動はふいに遭遇したりそれから離脱する敵部隊を打ち負かすのに十分な兵力で行わなくてはならない。間違いなくそれはいくつかのケースで必要になるであろう。ユニット数個が煙幕弾を発射すると部隊を後退させるのに十分な厚いが寿命の短い煙幕を生成することができる。
- ユニットのグループたる諸兵科連合で機動せよ。各ユニットの移動力の違いに留意せよ。足の遅いユニットを足の速いユニットの前からスタートさせたり足の速いユニットの速度を落としたりすることも必要となるかもしれない。もし自軍の装甲戦力を最大戦力で機動させた場合、歩兵が随伴できずに不意の待ち伏せにあったり足回りが故障して動かなくなったりするかもしれないのだ。
- 自軍部隊が敵軍部隊より弱い場合などは特に非直接的な接近行路を考慮せよ。敵は作戦目標への明らかな接近行路には射撃に適した土地を準備している。少数のユニット、出来れば強力な少数のユニットを敵前線に機動させて敵の注意をひきつけ、こちらにかかりきりにしている間に、主力部隊を隠蔽された迂回路で作戦目標へと移動させるのだ。勝利ヘクスのアイコンがこちらの国旗に変われば敵は回頭して逆襲に出てくるはずだ。今やこちらには防護された陣地から敵の暴露され、移動中のユニットを射撃できるという有利を得、もともとの部隊は脆弱な背面装甲を撃つことができるのである。もちろん敵が警戒の原則に注意を払っていればそれを防ぐための警戒線を張っているであろう。しかし、その警戒線が作戦目標にあまりに近いときはこちらがその警戒線に接触しても対処する十分な時間を得られないであろう。
監視の例:
IV号戦車は歩兵小隊の前進を監視している。
このIV号戦車は歩兵部隊に射撃を行ってきそうな地点を監視できている。この場合では高地頂上と北の森林線である。
加えて、機関銃班(+で記されている)も同様の監視範囲を提供している。
どのように監視を行えばいいか:
Tomanbeg (Matrix Veteran Member # 776) 2001/7/23 18:14
Tommiのレスより:どんなふうにユニットを「監視態勢」つまり別のユニットが前進している間これを援護するにするのかなってことです。援護部ユニットが臨機射撃できるかは全然確かじゃないので臨機射撃はこれについてはかなり頼りにならない気がします。
僕の言いたいことをよりはっきりさせるため例をあげます:僕は戦車2台を敵陣地に向けて注意深く移動させようとしています。僕はこのうちの1台を数ヘクス移動させてもう1台は移動させずに停止させて移動した最初の戦車を援護します。僕の考えは「飛び石式」に前進して敵がその頭を出したときに援護している戦車がこれを射撃するようにすることです。案の定敵戦車が建物の陰から現れ先に射撃して、前進していた戦車を吹っ飛ばしました。援護を行っている戦車は臨機射撃しません。こちらのターンで敵戦車に射撃しましたが僕の射撃は外れ、敵戦車が臨機射撃をしてきてこっちのもう一方の戦車を撃破しました本当にありがとうございました
臨機射撃の法則ってあるんでしょうか?CPはいざという時に臨機射撃できるのにこっちはできたとしても間違ったユニットでしか臨機射撃をできないように見えるのは僕が何か間違ったことをしているためのようです…ああ、ちょっと大げさでした。でもこれはこのゲームの他のどの部分よりも頭に血が上ってしまうところなんです。そして誤解しないでほしいのですが、僕はSPWAWが大好きです。なんかこれについてはうまく言い表せていないようにみえるかな。どうでしょうか?
こちら側の躍進を3ターンに分けて行おう。まず0ターン目で「監視部隊」を位置につけ、あるいはもっといいのはすでについている状態だね、その主砲を射撃禁止に切り替えておこう。可能なら偵察を行おうとする区域に砲兵でいくらか砲撃を行っておこう。(これで待ち伏せしているあらゆるユニットの交戦距離が明らかになるだろう。)そして躍進部隊を1度に1ヘクスづつ、射撃を受けるまで動かそう。もしこちらがツイていて待ち伏せしている敵が的を外した場合、こちらにはいくつかのオプションがある。
- 監視ユニットで射撃を行う。どこに監視部隊を置くか、どのように躍進部隊を移動させるかに気を付けていれば簡単にキルをとれるはずだ。
- 監視ユニットから煙幕を発射し、待ち伏せしている敵部隊と躍進部隊の間の視線(LOS)を切る。
- 三番目のユニットを動かして待ち伏せ部隊からの射撃を誘発させる。
- 躍進部隊が煙幕を張る
- 視線(LOS)をチェックして躍進部隊を待ち伏せ部隊の視線範囲から出せるかどうか見る。
こちらとしてやめておきたいことは待ち伏せ部隊に第二射を抑圧のない状態で行わせてしまうことだ。このやり方は時間がかかる。12ターンのゲームでこれをやるのはできない。もし君のやってることがユニットを数ヘクス動かして、次のユニットを最初のユニットを追い抜かせて数ヘクス動かして、最初のユニットを再び動かして、ということなら、それは躍進監視じゃない。それは敵の的になってやることだ。
あちらが前進、こちらが前進という「躍進」はこのゲームシステムにおいて正しくやるには3ターンかかることになる。
- 第1ターンで監視部隊は位置につく。この移動は1ヘクス以上であっては決してならない。(さもなければ監視部隊は発見される可能性がある。1ヘクスでも多いこともある。それは戦争の運次第だ)
- 第2ターンで躍進部隊が前進を開始する。前もって手筈をつけ、ヘクスを数えよ。そして開平地でターン終了を迎えてはならない。もし開平地でターンを終える必要があるときはそうならないようにしよう。煙幕を張るなり建物に火をつけるなり、何らかの隠蔽を得るべく何かしよう。
- 第3ターンでは次の監視部隊をその次の陣地の隣に移動させ、それ以外の自軍戦力を前線に集結させよう。
躍進の規模は地形と監視部隊の交戦距離によって決定される。ここでの交戦距離とは主砲の有効距離であり、最大交戦距離を意味するものではない。交戦距離設定とどこに自軍ユニットを配置するかでどのユニットが臨機射撃をしてどのユニットが臨機射撃をしないのかを決定しよう。主砲の使用を禁止するのは良い考えになるときもあるが、災厄をもたらす可能性もある。君の上げた例ではもしこちらが停止していて移動している目標に射撃した場合こちらの命中率は移動していかなる目標を射撃したときよりもかなり良くなっているだろう。移動しながら移動している目標に対して射撃するのは弾薬の無駄だ。停止して状態で移動している目標に対して射撃した場合は、特に停止した側が第2射を放った時停止した側に有利になる。移動しながら停止している目標に射撃した場合は射撃側が目標の抑圧値をあげられない限り(停止している目標の)臨機射撃が境界線となる。停止した状態で停止している目標に射撃した場合、より高い練度のユニットが境界線となる。ただしユニットの片方がキングティガーだったりする場合は別である。この場合は逃げ、あとで側面射撃を持って挑むことになる。
Larry Holt (Matrix Veteran Member # 33) 2001/7/24 15:17
素晴らしい戦術だよ、Tomanbeg!自分がちょっと補足できるところがあるとすれば:
- この場合なら私は最大有効射程距離として命中率50%距離を選ぶ。制度の数値を見てこれを4で割れば初弾命中率50%距離を得られる。(SPIIIはゲーム内で1ヘクスが200mにあたり、SPWAWはそれに由来したゲームである。)
- 開平地に出ざるを得ないがそこでターン終了を迎えるのは避けたい。潜在的な敵キルゾーンに乗り出す前に(前、横、後に移動して)遮蔽を得られるだけのMPを持っていなければならず、撃たれた時にはもし最近はあまり射撃を受けていなくてもMPをいくらか失うことになるのを考慮する必要がある。これはおそらく開平地の端まで移動する必要があり、次のターンになってMPが満タンになるまではここに乗り込んではいけないということを意味する。MPの減少の法則については以下にある。
- こちらの複数の躍進ユニットが複数ある場合はこれらを交互に動かして臨機射撃を使う防御側部隊が一つのターンにそれぞれに射撃することで一つの目標をロック(その命中率が増加する)できないようにすることができる。
火力支援
- 火力支援とは地上の目標に対する武装した航空機による攻撃と陸海の間接射撃システム(そしてゲーム内にあれば電子戦システム)の集団的かつ組織的な運用のことである。SPWAWにおいて火力支援は砲兵・航空機ユニット・海軍ユニットによって演じられる。
- 火力支援とは射撃の統合と同調であり、敵の戦力・戦闘機能・設備を遅滞・妨害・撃破する効果である。これらは非常に大きな言葉であり、これを細分化して火力支援を計画する際にはどの要素が考察されるべきかを考えよう。
- 統合:間接射撃は戦闘を計画する時に機動と直接射撃を含めることでこれら二つと統合される。機動部隊が攻撃の困難な防御部隊と衝突した場合、間接射撃は防御側の抑圧値を上げるあるいはその目を潰すことができる。これに基づき、作戦目標(高地の頂上、川の渡渉点)へのこちら側からの接近路を見下ろす地域、作戦目標、そして敵側(敵予備が進撃してくるところ)からの作戦目標への接近路に間接射撃を計画せよ。加えて、盤外ユニットはSPWAWマニュアルによれば25%~33%の時間は連絡が取れなくなること、そして盤内ユニットは時々移動させて敵の間接射撃/航空機に攻撃を受けるのを防ぐことを忘れるな。
- 同期は統合と似ているが、大まかな計画というよりタイミングと戦果に関係している。間接射撃は行われるまでに遅延時間があるので、機動計画を案出し、間接射撃のためにあらかじめ準備しておかねばならない。また射撃による望む効果を保証できるにはかなりの時間がかかることが予想されるので機動部隊が目標の部隊の前にその姿を暴露する前に砲撃を始める必要がある。
- 遅滞・妨害・撃破:これらは火力支援が成し遂げうる効果である。どれが本当に達成したいことなのかをしっかりと考えよ。撃破したい全ての標的を撃破できるほどの砲があることなど絶対にありえない。だが、正しく計画を行えばこれらすべてを撃破する必要などない。前線に移動している敵ユニットは道路や橋、林の切れ目等に砲撃要請を行うことで遅滞でき、敵ユニットは時すでに遅しとなるまで投入できないだろう。こちらの機動ルートにいないユニットはは軽く砲撃してこれを妨害するだけでも良い。これは重砲撃を加えてこれを撃破するというよりこちらへの効果的な射撃を行えないようにするためのものである。
- 敵ユニット、戦闘機能、施設:敵ユニットについては自明である。戦闘機能はこの記事にであげられたシステムに加えて兵站と指揮統制のことである。敵のこれらの使用を防ぐためには敵のユニット全てを撃破しなければならない場合もあるが、指摘されていたように砲兵はしばしば補給不足になるため間接的なアプローチの方がよいことが多い。敵の砲兵の使用を止めるためにはマップ中を追い回してみたり、敵後方の煙が発生しているヘクス全てを自軍の火力支援ユニットを使って砲撃してみたり、敵のFOを直接射撃で撃破する場合もあるだろう。これで敵の火力支援の全てをとめられはしないだろうが、これを十分なまでに無効化することはできるだろう
- 敵に対する効果的な火力を生み出すには有機的な支援射撃がインテリジェンスや兵站、戦闘指揮(我が軍の指揮官が大切な時にすでに命令点を使い果たした状態になっていないか?自軍のFOと連絡が途切れたりしていないか?)のような他の戦闘機能と協調することが必要になる。この種の協調のためには進撃計画が必要だ。これについての解説はMETT-Tの項を参照せよ。
- インテリジェンスと地形の分析はゲームが始まる前の事前砲撃要請をするにあたっての情報を提供してくれる。偵察は火力支援と統合されて事前砲撃要請と射撃の効果をより強固なものにしなけらばならない(その射撃が単なる妨害のためであったり、欺瞞であったり、何に命中しようとしなかろうと構わない場合は除く)
- 砲兵の支援を受けるときは通常大きければ大きいほど良いが、常にそういうわけではない。見えない敵部隊に対して進撃する必要がある場合(これは進撃戦あるいは攻撃戦シナリオでしばしばある状況である)は砲兵による弾幕の前進の後ろについて行くことが好ましい。If you have large shells (about 105 mm and larger) you risk damaging your own armored vehicles if your fires fall short and onto your units. Artillery of about 75 mm and mortars can often be targeted directly on your own armored units (depending upon their specific vehicles of course) and they will suppress the pesky ability of infantry and ATGs to pop up and kill you with a close assault or one shot while often remaining unspotted.
偵察
- このゲームにおいて偵察とは敵ユニットの位置を探り出すことを意味する。他にも巧妙な偵察技術(無線方向探知等)や人による偵察(戦場で発見した民間人に質問する)などがあるが、これらはこのゲームでのシミュレーション範囲外である。
- 偵察にはあらゆるユニットが使用可能であるが、敵の発見には偵察能力を持ったユニットが最も好ましい。SPWAWのマニュアル、pp62によれば、「…偵察歩兵部隊は25%の敵発見能力のボーナスを受け、偵察車両は通常の敵発見能力への50%のペナルティを受けなくなる。」これらの偵察ユニットはOOBエディタにおいてspecial abilitiesが1であることによって定義づけられる。
- 偵察ユニットを使う上において一つ考えておくべきことはこれが主戦闘ユニットよりも脆弱であることだ。装甲車には特別偵察ボーナスがあるものの、これらが本物の戦車がもっているようなスモークディスチャージャーや分厚い装甲を持っていることはほとんどない。これは偵察ユニットを早期のうちに使用して主力と激突する前に敵陣前縁の位置を突き止め、その後これらを翼部へと移動させ側面からの攻撃・浸透等を警戒させるということを示しているだろう。偵察ユニットが側面/後方に移動したらそこからはより強力で生残性の高い主力ユニットで監視によって敵を発見するのである。部隊を躍進移動させるにあたっては、躍進部隊が限定された偵察能力を提供する。すなわち、敵ユニットを(直接これを発見する、あるいはこちらを撃たせることによって)確認し、監視部隊に応射を行わせるのである。敵ユニットを射撃誘引で発見するのは直接これを発見することよりは明らかに好ましくないのであるがこれが唯一の選択となるときも存在するのである。このような状況では砲兵の弾幕に追随して前進すると敵ユニットが制圧されて効率的な射撃を行う能力が低下することにより躍進部隊の生存率が上がる。
- 偵察ユニットを戦わせることは避けよ。その特別偵察能力は貴重なものであるからだ。射撃戦の中に引きずり込まれて誘われるままにおいしそうな目標へと射撃するのは簡単だろうが、戦場で耳と目を失う覚悟はしているのだろうか?双方の主力が激突し決定的に戦闘が開始されてしまえば、偵察の必要性は低下するであろう(だが側面においてはまだ必要である)。この場合は足の速い偵察ユニットを用いて敵後方の非装甲ユニットを狩ることを考えたくなるだろう。
- 偵察ユニットをこれに追随するより強力な非偵察ユニットで守れ。これらのユニットは援護射撃を行って偵察ユニットの後退を支援できるのだ。戦車の煙幕弾は特にこの任務に役立つであろう。これらの部隊は偵察ユニットほどすばやく移動することができないであろうが、偵察ユニットが防護のある地形から防護のある地形へと躍進移動している間に全速力で(あるいは故障の可能性を考慮して移動させたいだけの速さで)まっすぐ前進することは可能である。
- 足の速い偵察ユニットを退却・防御できるだけの十分な移動ポイント(MP)なしに開平地に取り残すのには注意せよ。もし敵から撃たれればSPWAWマニュアル59ページの法則に従ってMPは減少する。
- fired on in last two turns: 50% speed, 67% vehicles of normal
- このことはあるユニットが非難するのに十分なMPを持っているように見えても結局開平地で立ち往生してしまうかもしれないという可能性を示唆している。
- 歩兵ユニットを毎ターン1ヘクスずつ移動させるのはSPWAWマニュアル58ページによると警戒移動と呼ばれる。警戒移動は通常の移動より被発見率を20%、敵射撃への脆弱性を25%低下させる
- 一名、あるいは二名からなる偵察班は敵視界内で車両から降車する場合以外は通常非常に発見されにくい。これらを偵察車両で輸送する際は車両を森林帯や高地頂上の手前で停め、偵察班を降車させこれを警戒移動させ敵側に何が見えるかを探させよ。
- 偵察部隊の例としては装甲車1台、2名編成の偵察班いくつか、これらを輸送するための偵察車両、加えて援護用の戦車あるいは重火器搭載のハーフトラックというものが考えられるであろう。
これが軍務経験者による素晴らしい偵察チュートリアルだ
Vejgaard (Matrix Veteran Member # 3806)
その通り、偵察というのはまさにこれでしかない(少なくともヨーロッパではね。合衆国軍の偵察ドクトリンは違う):見つからずに見つけることだ!!!
これはつまり、可能な限り早く敵と接触を得ようと自軍の装甲車を「突っ込ませて」はいけないってことだ。仮にそうした場合、装甲車は惨めにやられるだけだろう。素早く移動することで適切な火器管制や距離測定器を持たないユニットが射撃を命中させるのはやや難しくなるけれども、それだけのことだ。2ポンド対戦車砲には標的が高速で移動することによって発生する「マイナス」を打ち消すだけのこちらに照準を合わせる十分な時間があるはずだ。また高速で移動すればより簡単に発見されてしまうだろう。
- 偵察を成功させるカギは敵に見つけられる前に敵を発見することだ。これによって自軍を敵部隊の配置に従って配置することができる。
- 二次的な目標として偵察部隊は敵偵察部隊に対する前衛部隊としても使うことができる。敵に自軍の部隊配置を闇のままにしておくんだ。
- 三番目に偵察部隊は敵の弱い抵抗を突破することにも使うことができる。これによって自軍部隊の主力の砲兵・歩兵・装甲部隊を配置する必要なく進撃路を開くことができる。
これら3つのオプションを一度に追及することも理論的には可能だ。だけど、偵察部隊をあまりに薄く分散してしまわないように注意しよう。さもなくばこのうちのどれも遂には達成できないということになってしまう。
さて、これらをどのように行うか:
まず、偵察を行うグループ、理想としては装甲車/軽戦車、高速の非装甲装輪車両、歩兵部隊/斥候班(機械化・自動車化/通常)そして間接射撃・煙幕展開能力を持つ部隊のバランスのとれた混合部隊を構成することが好ましい。ただ、少ない兵力で我慢しなければならないことも、もしくはこの要素のどれか一つをなくさなければならない場合もあるかもしれない。これらのユニット全てが「偵察/エリート偵察」ユニットに分類されていることが好ましいだろう。
攻勢局面における偵察のカギは地形の利点をフルに活用して注意深く前進し、自軍ユニットを戦場の大部分を見られる/監視できる地点に配置することである。開平地では装甲車/戦車を先行させ、錯雑地形では(時間が許すなら)歩兵を先行させて前進しよう。注意すべきは偵察ユニットは全て非常に脆弱であることであり、一方の部隊を前進させ、もう一方の部隊で移動している部隊を監視する「躍進」を行って前進する必要が出てくるだろう。もし時間が非常に重要になってくる場合はより大胆に移動する必要が出てくるが、なおも監視ユニットと、これらが見える範囲にユニットを配置することを忘れてはいけない。
敵と接触をとれた時には以下二つのうちどちらかが発生する:敵を発見するか、敵がこちらに砲火を開くかだ!もし敵を発見した場合はユニットを一つ(歩兵が望ましい、なぜなら発見されにくいからである)発見した敵ユニットに視線が通るように残して、この敵部隊の迂回を開始しよう。今、敵ユニットが単独でそこにいるのかどうか確かめる必要が発生し、もし近くに支援部隊がいた場合、もしそうだったならいかなる形態においても、敵ユニットが塹壕化しているかどうか、これがより大きい防御/攻撃部隊の一部かどうかを確かめる必要も出てくる。その敵ユニットが孤立して脆弱あるいは支援のない(つまり敵の偵察ユニットであった場合)通常リスクを冒してこれを押しつぶして前進することが可能である。これがより大きな部隊の一部であった場合は偵察部隊がまさにその敵を見つけるという任務を果たしたということだ。もし敵ユニットがこちらとの接触を得て砲火を開いた場合、こちらは差し迫った困難の中にあることとなるだろう!もしこちらのユニットが最初の射撃でやられなかった場合、こちらは戦うのか逃げるのかを決断する必要がある。戦う場合は自軍ユニットに射撃してきた敵部隊を射撃させ、願わくば一撃でこれを撃破/撤退状態にせよ。もし歩兵で偵察を行っていて、一気に動けないまでに抑圧値が上がったしまった場合、戦う以外の選択肢はない。もし自軍ユニットが煙幕を使用可能な場合は即座にこれを展開せよ。こちらのユニットは来た道を後戻りし、先ほど射撃して来た敵ユニットがこちらを撃てないと確証できる場所まで後退せよ。こちらの間接射撃部隊はここでの活動を開始し、煙幕弾・榴弾の間接射撃の使用によって望みのないまでに釘付けにされたユニットを救出させよ。こちらの監視部隊も活動を開始し、敵に対して抑圧を与え、あるいは煙幕を張れ。自軍ユニットを救出した後は敵陣を押し込んで前進し更なる敵を発見/敵陣を押し込んでの更なる前進を行うか、別のルートを見つけるかを決定する必要がある。
こちらの第一の目標が敵を発見し、その兵力と編成内容を確かめることであることを忘れてはいけない。これらの部隊の任務は戦うことでも(そうせざるを得ないこともあるが)敵を撃破することでもないのだ。強力な敵部隊を撃破する任務はこちらの「実」戦部隊にとっておかれるべきものであり、その間に偵察部隊は続けて敵後方へと浸透し、機会が訪れた時は砲兵・支援部隊・司令部を攻撃せよ。防勢局面においては偵察部隊を高機動力の予備部隊としておくか、あるいは主防御の前面において散兵線とすることができる。
もしこちらがしっかりとした防御線を構築し、かつどの地点を敵が攻撃してくるかある程度分かっている場合、偵察部隊を予備としておくことがもっとも役に立つ。偵察部隊はその機動力を用いて危険な地点に移動し、戦線の穴をふさぐのを援助したり(これは偵察部隊が戦闘することを要求される数少ない例のひとつだ)、あるいは自軍後方の部隊を敵の空挺降下/浸透突破から守るのにこれを用いることもできる。もし敵の主力部隊の位置がわからず、こちらの防御が固定されていなかったり高機動力だったりした場合はこれを散兵として用いるのが最も役に立つ。これで偵察部隊は敵の配置についての情報を提供できるようになり、さらには孤立した敵(偵察)ユニットを掃討し、これによって敵戦力を弱体化させて敵の耳と目を奪うのだ。おそらくは敵部隊が集結している地点に間接射撃を直撃させ、敵をさらに弱体化させその進撃速度を落とすことすら可能だ。偵察部隊が稼いだ情報と時間を以て、主力部隊を移動させて敵を迎撃する(自軍の機動力が高い場合)、あるいは自軍ユニットを固定して敵主力に対して防御を行う(特定の地域の保持を望む場合)ことができ、さらに自軍部隊が許すなら理論的にはその双方を行うことも可能だ。偵察部隊によって効率的な防御が可能になったら、すぐさま偵察部隊は予備として移動されなければならない。これは偵察部隊が前線での戦闘に非常に適していない、決定的な戦果を挙げるための人員も粘り強く戦闘する力もない(余程の好運でない限りは)からである。
これが偵察ユニットをヨーロッパ流に使うための総合ガイドだ。私のわかる範囲では、偵察部隊が何か見つけるかもしれないと期待し、かつスピードのみがこれを守るものと信じてただ偵察部隊を突っ込ませるだけだった方が多いようだ。次に多いのは偵察ユニットを元来不向きな主戦闘部隊として使用してきた方だ。私は自分のMCNAを持っていないので残念ながらここでは何らの洞察も披露できない。
私のちっぽけなガイドが皆さんの偵察部隊を適切な場所に配置する助けになればうれしい。私自身デンマーク軍で機械化偵察部隊として軍務を務めた経験があるので、偵察についていくらかは知っているということはできるだろう。私の古巣の部隊のモットーにはこうある:Dominus Nocte「我々が夜を支配する」
適切な偵察は常に皆さんの戦闘計画の大きな部分を占めるはずだ。(ティガー戦車マシマシでマップを全速力で突っ切るかという計画ならまた話は別だが)我々が予期できるものの最初のヒントはキャンペーン/シナリオのブリーフィングのミリタリー・インテリジェンスの報告にある。これはまず最初に取り組まなければならないものである。AIに対して、適切な偵察は好ましいものであり、しばしば決定的なものとなるが、率直に言うが、AIは森林の中では移動と位置取りに関して最も素早いものではなく、こちらはちょっとしたミスで済ませることができるであろう。だがカスタムシナリオでの(おそらくは遭遇戦となる)対人戦では偵察がまさに重要になる。これは敵が自分と同じだけ狡猾な可能性が高いからだ。これらの状況の中では「偵察戦」に打ち勝ち、敵の移動を観察できるようにしながら敵はこちら側について完全な闇の中に陥れられるようになることを確かにする必要がある。対人戦でも敵に偵察部隊がない場合、敵はしばしばより注意深くなりがこちら側に主導権が移り、たとえ敵がこちらに前進し続けていてもこちらの偵察部隊が敵のいち、兵力、進撃軸の情報を得、敵部隊を待ち伏せする元を計画できるようになる。だがもう一度、偵察は補足であって全てではなく、偵察それ自体では戦闘に勝てないが、適切な偵察によって勝利の確率はより高くなる。だが、繰り返しになるが、敵を決定的に打ち負かすのは装甲と歩兵からなる主力部隊のみであるが、偵察は通常そうする時間と場所を選ぶことを可能としてくれるであろう。
PFC (soon to be, as of Oct 2001, Sergeant) Rune "Vejgaard" Iversen
最終更新:2014年07月07日 11:19