ロードスイッチャー

ロードスイッチャーは、入換と本線走行両用の機関車のこと。米国で主に使われる。現在北米で活躍する貨物用機関車はほとんどがこのロードスイッチャーである。

概要

ロードスイッチャーは、本線走行性能を重視しているが入換作業も行うことができる機関車である。これはもともと本線から直接工場への引き込み線が多数存在し、またマニフェストトレインが主流なアメリカにおいて、工場引き込み線やヤードで貨車を連結しつつ、かつ本線を高速で走行し次の引き込み線やヤードへ向かうことができる機関車として開発された。
これらは入換を容易にするために前後の視認性を確保しており、前後両方に同等の性能を発揮できるようでなければならない。また本線を走行するために本線用機関車の牽引力および高速走行性能と冷却能力を持ち、高速運転に特化した台車でなければならないのである。

構造

上記の理由から、ロードスイッチャーは機関車のサイドにランボードを持つフードユニットが大半を占める。いままでのキャブユニットでは片側運転台かつ車体が全幅を占めるものであったために後退時は運転位置の交代もしくは身を乗り出して後方確認しなければならなかったが、ロードスイッチャーは運転台は一か所で、フードの横を見通すようにすることで後方視認性も確保している。これらはスイッチャーの面影を強く残すものであるが、基本的に前方向へ進むことを基本としているため前方視認性が重視されている。また車体は非常に大型で強固なもので、両側にフードを設けているため衝突安全性能も高い。
初期は2000馬力程度のものであったが、時代とともに馬力は向上し、1960年代には3000馬力が登場、その後も出力は向上し6000馬力級の機関車が登場する時代となった。現在は排気ガス規制などにより4400馬力程度が主流である。

歴史

最初に成功したロードスイッチャーは1941年より製造され始めたAlco RS-1である。初期はスイッチャーで一般的であった平軸受で製造されていたがすぐにローラーベアリング軸受に改造され、高速走行性能が向上した。その後各社がRS-1に続きロードスイッチャーを展開、有名なのはEMDが製造したGP7である。このGP7はロードスイッチャーの基礎スタイルを築き、背の高いハイフードを前後両側に持つ。
1960年代までにロードスイッチャー群はキャブユニットを重量級貨物列車から置き換えた。そして現在に至るまで貨物列車の牽引はこれらロードスイッチャーが行い続けている。


初期のロードスイッチャーであるRS-3(左)

ロードスイッチャーの代表格EMD SD45

最大のロードスイッチャーEMD DDA40X

現代のロードスイッチャーEMD SD70MAC

関連項目

最終更新:2017年02月16日 23:04