FD-zug Königssee(ケーニヒスゼー)とは西ドイツ国鉄によって運行されていた休暇旅行者向け遠距離急行列車
愛称の由来
ケーニヒスゼー(ケーニヒス湖)は南ドイツ、バイエルン州とオーストリア国境の近くに位置する湖。
ドイツ語で「王の湖」を意味する。ドイツで最も美しい湖と言われ人気が高い。かのヒトラーも別荘「ベルクホーフ」を構えたことで知られる。
運行区間
北ドイツのハンブルク=アルトナ駅からブレーメン、ハノーファー、フルダ、ヴュルツブルクを経由してドイツ中央部を縦断し、南ドイツのミュンヘンより三方向に分かれ、ケーニヒス湖近くのベルヒテスガーデン、オーストリア国内のクラーゲンフルト、ツェル・アム・ゼーを結ぶ
概要
1983年にIC特急料金のかからない遠距離急行
FD-zugの一列車として運行を開始した。FD-zugは列車の性格上、ICの運用で使用される特急型客車の余剰車を集めて組成された編成が多く、ケーニヒスゼーも登場時は同様の編成を組んでいた。1980年代後半に入るとFD-zugは徐々に減少傾向に転じるが、ケーニヒスゼーはそのまま運行が続けらている。
1988年にはルート上のフルダ~ヴュルツブルク間にドイツ最初のNBS(高速新線)が開通し、ケーニヒスゼーはNBS経由での運転となった。そのため客車も高速線対応車による運転となり、FD-zugで唯一200km/hでNBSを走行し、当時最新鋭の特急型客車を使用した列車として有名になった。ICに匹敵する列車ながら、急行列車であるため料金が割安であったことも人気を呼んだ。
しかしその後もIC網の拡大に伴ってFD-zugは減少を続け、ケーニヒスゼーは1992年を最後にFD-zugとしての運転を終了した。
列車愛称はその後もICに使用されている。
編成の特徴
高速新線経由になってからのケーニヒスゼーは、専用塗装を纏った客車による美しい編成の列車として有名であった。
牽引機は当時の新標準塗装である「Orientrot」を纏った新鋭機BR120型
電気機関車が使用された。
気密幌を装備した新鋭の特急用客車が用意され、同格の列車であるIRと同じ青系の塗装が採用された。この客車はケーニヒスゼーでのみ用いられた。編成内には子供用のプレイルーム「Kinderland」区画をもつ2等車が1両組成された。また食堂車も当時最新鋭の設備をもつWRmz137.1「Bord Restaurant」が使用された。この車両はICの赤系塗装であり、編成内のアクセントともなった。
模型について
FLEISCHMANNとMINITRIXから客車が発売されている。FLEISCHMANNは単品のみ。MINITRIXは単品ケース×10両1編成、それをご丁寧にも実際に存在した上下2編成分の20両を箱詰めにした恐ろしく使い勝手の悪いセットを発売してしまった。多くの場合はバラ売りにされている模様。なお、MINITRIXには「Bord Restaurant」のラインナップが無いようで、普通の「Restaurant」がセットになっている。どちらの製品もまとまった編成として入手するのは困難。
関連項目
最終更新:2017年03月30日 01:09