台鉄 TEMU1000「太魯閣自強號」

基本情報
編成 4M4T
運用会社 台湾鉄路管理局
製造所 日立製作所笠戸事業所
性能諸元
編成定員 制御付随車:36
動力車:52
無動力車:48
軌間 1,067 mm
電気方式 交流 25,000V 60Hz
(架空電車線方式)
全長 20,000mm

TEMU1000「太魯閣自強號」は台湾鉄路管理局の保有する特急列車である。
2007年5月8日より樹林~知本間の縦貫線、宜蘭線、北廻線、台東線、南廻線で運行されている。
台鉄宜蘭線は曲線区間が多く、新北市と宜蘭県を結ぶ高速道路のトンネルが開通に伴って自動車移動の時間が大幅短縮されたことで、高速道路との旅客獲得競争において不利な状況に追い込まれる懸念があった。このため台鉄は北宜直線鉄路を計画し所要時間の大幅短縮を狙ったが、2006年に環境アセスメントをクリアできず、計画は頓挫されてしまった。そこで北宜直線鉄路が環境アセスメントをクリアし開通するまでの間、先行して曲線を高速で通過できる振り子式列車を導入し、宜蘭線区間の運行時間を大幅短縮することにした。
台鉄が以前導入した韓国ロテム製のE1000型プッシュプル式電車は故障発生率が高く、また状況の改善にロテム側が非協力的である点が問題だった。このため、今回は韓国メーカーの入札資格を停止し、最終的には日立製作所が設計・製作したJR九州885系電車を原型としたTEMU1000型電車の導入となり、穏便な車両調達が可能となった。
この車両は、885系電車と同様に計画最高速度150km/h、営業最高速度130km/hとなっている。振り子式車両で最大傾斜角は5度となっており、曲線区間は25km/h速く通過することが可能である。これにより所要時間を大幅に短縮し、高速バスとの競争力強化という要求に応えている。
西部幹線での試運転時に台北~高雄間を3時間15分で走破し、それまでEMU300型が保有していた同区間の最速記録3時間47分を大幅に塗り替えたが、保有車両数に限りがあること、東部幹線の速達化を重視していた交通部の判断で営業運転での投入は見送られた。
当初は台湾初の振り子式車両であることから「乗り物酔いするのでは」という懸念があったが、運行開始以後は快適性と速達性で、高い利用率を誇っている。

名称について

列車名称は伝統的な自強、莒光、復興といった政治的な命名を採用せず、一般公募によって選定された。2006年1月17日に学生が命名した「タロコ/TAROKO」が選ばれた。理由は沿線の有名なタロコ国家公園の英語と、原住民語の「Taroko」を採用し、英語や日本語で表記が容易である点が評価された。
しかし、台鉄は太魯閣列車の独立での車両名称を認めず、「自強號太魯閣列車」として正式に公表した。時刻表には太魯閣列車も「自強號」として表記され、太魯閣列車のマークのみ付く形となる。

模型について

台湾の模型メーカー、鉄支路模型から発売されている。8両編成のセットで、ボディマウント式のカプラーを装備している。なお連結、切り離しには少し硬いので注意して取り扱ってもらいたい。
メーカ名 品番 製品名 軌間 縮尺 購入場所・サイト 状態 金額
鉄支路模型 VM3007 太魯閣號電聯車 9mm 1/150 ぽち秋葉原1号店 中古 32,400円
最終更新:2017年04月06日 21:19