自強號は、台湾鉄路管理局(以下:台鉄)の特急に相当する種別である。
自強とは、1971年に台湾の中華民国国民政府が国際連合を離脱した際のスローガンである「莊敬自強 處變不驚」(恭しく自らを強め、状況の変化に驚くことなかれ)に由来する。
概要
1978年4月25日、台鉄は縦貫線の高級列車「観光號」の運行を、車輌の老朽化を原因として中止とした。代わりに、イギリス製のEMU100型電車を投入、暫定的に「
莒光號」として運行した。1978年8月15日から、これを「自強號」として運行するようになった。
列車の運行、営業内容
支線である内湾線、集集線、平渓線以外の全旅客営業路線で運行されている。最も主要な運行区間は台湾の主要都市が並ぶ西部幹線である。
車種は多様であるであるが、わずかな例外を除いて、基本的には同じ金額である。2006年初頭における自強號の運賃は1kmあたり2.27台湾ドルで、台北から高雄までは845台湾ドル。自強號は基本的に長距離列車であるが、過去には松山~板橋間が全車種同一運賃であったことや、前途の運賃処置が廃止になったあとも定期券や悠遊カード、icashなどで區間車・復興號の運賃での利用が無座(立席)であれば可能であるため、都市間での通勤利用者の足になることも多い。
なお、東部幹線で運行されているTEMU1000型電車「太魯閣號」・TEMU2000型電車「普悠瑪號」は列車の愛称がそれぞれ太魯閣號、普悠瑪號ではあるが、列車種別はいずれも「新自強號」となっている。「新自強號」の料金は自強號の料金が適用されるが、いずれの車両も振り子式で揺れるため、無座利用は出来ず、罰金が課せられる。
使用車両
1996年8月運用開始。現在の自強號の主力車輌で、編成の両端に
電気機関車、中間に客車を連結する、
プッシュプル方式を採用している。主に西部幹線で使用されている。
1986年に登場したEMU200型電車を2003年1~7月に更新改造したものでEMU200型当時の電動車1両、付随車・制御車2両の3両固定編成から、編成中央寄りの運転台を撤去の上9両編成に組成変更、前面の非貫通化、客用扉の自動化などの改造を行い、現在の形式に改められた。
主に西部幹線の基隆~屏東間で運用されている。
1989年に運用開始。主に基隆~彰化間に使用されている。製造元のメーカーが倒産により、部品の確保含め修理が難しくなっており、徐々に運用が減らされている。
1982年6月運用開始。北廻線の開通・台東線の改軌に伴い、台北から東海岸方面への自強號が新設されたことに伴い製造された。
1986年12月運用開始。東海岸の輸送力増強に伴い製造された。
1990年運用開始。DR2900型とほとんど変わりはない。
1998年8月運用開始。主に南廻線を初めとする台湾南部に使用される。
2007年2月16日運用開始。縦貫線、宜蘭線、北廻線、台東線、南廻線(樹林-知本)間で運行されている。
2013年2月6日運用開始。東部幹線での休日を中心とした旅客輸送需要逼迫への対応と、台東線複線電化後の車両需要を見越しての導入となった。
過去に使用された車両
西部幹線の電化開業と同時の1978年6月1日運用開始された。初期の自強號を支えた車両である。電動車1両、付随車・制御車4両の5両固定編成で吊り掛け駆動方式を採用しており、2編成を繋げた10両編成で使われることが多かった。車内は静粛性に優れていて、一時的に日本のグリーン車にあたる商務車を連結していたことがある。
登場後30年が経過して老朽化が目立ってきた為、2009年6月16日のダイヤ改正をもって定期運用から離脱したが、一部の車両は動態保存が検討されている。
最終更新:2017年01月12日 21:14