長らくお待たせいたしました。
「じゃあ行ってみるよ!」
「おぅ♪」
じゃあまずこの道をまっすぐ進んでだな……
「おぅ♪」
じゃあまずこの道をまっすぐ進んでだな……
そうやって身振り手振りを交えながら、狼のお兄ちゃんはお花畑までの道を教えてくれた。そうやって嬉々として話す姿は、普段一緒に遊んでる(悪戯ばかりだけど)村の子供たちにとても似ていて。
さっきの1号さんも全然怖い感じじゃなかったし、人狼って本当に良い人だったんだ。
でも、それじゃあ……
さっきの1号さんも全然怖い感じじゃなかったし、人狼って本当に良い人だったんだ。
でも、それじゃあ……
(人狼は危ないなんて、誰が言ったのかしら?)
こんなに良い人なのに。
「じゃあ、俺は行くから」
「あ、うん。ありがとう、お兄ちゃん」
「おう。見舞い頑張れよ」
「はぁーい」
手を振って1号さんを背負った狼のお兄ちゃんを見送る。
「あ、うん。ありがとう、お兄ちゃん」
「おう。見舞い頑張れよ」
「はぁーい」
手を振って1号さんを背負った狼のお兄ちゃんを見送る。
その背中が見えなくなって、ようやく私はあることに気づいた。
「え……兄貴?兄貴って…………(1号さんが)お兄さんなの!?」
人狼サイド
※会話文以外を付けてみた。
赤い頭巾の幼女(認めたくはないが兄貴の想い人)と別れて、向こうからは見えない位置まで歩いた頃。
俺は、抱えられたまま死んだフリをしている兄貴に声を掛けた。
俺は、抱えられたまま死んだフリをしている兄貴に声を掛けた。
「ォイ、兄貴」
「………………………」
全く、世話の焼ける……
「気付いてんだろ?返事くらい返してくれよ」
「………か……」
ん?何か言ったか?
「兄貴、聞こえな……」
俺がそう聞き返した瞬間。
「スコールの!バカァッ!!」
キ ――――――――――――――― ン。
…………知ってるか?人狼の耳は人間の数百倍聞こえるんだぜ。
「…………俺の耳元で叫ぶなとあれほど……!!」
じとり、と振り返り様に睨みつけると、ヒッ、と兄貴が息を飲む音がした。
「うあぁっ!だって……だってお前が悪いんじゃないか!!」
「あ゛ぁ!?」
俺が悪いだと!?
兄貴をフォローして、ある意味ライバルな奴と笑顔で話して!
ここまで兄貴を背負ってきた俺に最初に掛ける言葉がそれか!?
兄貴をフォローして、ある意味ライバルな奴と笑顔で話して!
ここまで兄貴を背負ってきた俺に最初に掛ける言葉がそれか!?
「ぅ………だっ……て!ほかにフォローの仕方があるだろう!?初対面で、気絶なんて……!」
涙目の兄貴の反論があまりに情けなくて……怒る気も失せた。
(その前に真っ蒼な顔してパニック起こしてたクセに……)
(その前に真っ蒼な顔してパニック起こしてたクセに……)
「じゃあ、あのままにしといて良かったのかよ?」
「ぅ……それは……あんまり良くないけど……………」
言いながら兄貴の目は泳ぎ、耳も尻尾も困ったように垂れている。
「…………………………」
いつもそうだ。
アイツの事になると悩みっぱなしで、兄貴は何も手に付かなくなる。
料理だってもう何度も失敗して……食べる方の身にもなれっていうんだ。
アイツの事になると悩みっぱなしで、兄貴は何も手に付かなくなる。
料理だってもう何度も失敗して……食べる方の身にもなれっていうんだ。
「……スコール?」
急に黙り込んだ俺に、恐らく本気でキレる前触れだと思ったんだろう。
兄貴が不安そうに声を掛けてきた。
(ったく!)
兄貴が不安そうに声を掛けてきた。
(ったく!)
「花畑……」
「はなばたけ?」
俺がもう怒ってないとわかったのか、兄貴の体から力が抜けた。
……何だよ。俺だって兄貴に泣かれるのは嫌なんだよ。
大体、兄貴が一度泣き出したら泣き止ませるのに3倍の時間と労力が(略
……何だよ。俺だって兄貴に泣かれるのは嫌なんだよ。
大体、兄貴が一度泣き出したら泣き止ませるのに3倍の時間と労力が(略
「……場所。教えておいたから」
「スコール、」
「いいから行って来いよ!挨拶でも何でも今からやり直せば良いだろ!?」
言いながら兄貴を落とす……が、伊達に人狼だ。
兄貴は落した俺を気にした風も無く、易々と受け身をとった。
(何でそれをアイツの前で出せないんだ……)
最初にその姿を見せられたなら。
少なくとも泣きかけの顔よりマシなイメージが付いたはずだ。
兄貴は落した俺を気にした風も無く、易々と受け身をとった。
(何でそれをアイツの前で出せないんだ……)
最初にその姿を見せられたなら。
少なくとも泣きかけの顔よりマシなイメージが付いたはずだ。
「……っありがとう」
「ッ!」
兄貴はえらく爽やかな笑顔で走って行った。
「……あ゛ぁっクソッ」
最近思うところがある。
(何で!何で俺は!こんなに兄貴に甘いんだ!!)
大体、俺がこんなに悩み始めたのは兄貴がアイツにけ、け……化粧?いや、懸想だったか?
とにかく、そんなのをし始めた頃からだ。
(何で!何で俺は!こんなに兄貴に甘いんだ!!)
大体、俺がこんなに悩み始めたのは兄貴がアイツにけ、け……化粧?いや、懸想だったか?
とにかく、そんなのをし始めた頃からだ。
どうせ人間にはなれないのに。
たった2人なんだ。
他には、居ないのに……
(でも………)
『だぁいじなモノはね、縛ったら離れちゃうし、囲ったら幸せにならないの。面倒よねェ』
いつだったか町に出た時に、綺麗なおに……オネーサンが言ってた。
俺は……兄貴が離れるのも、幸せになれないのも、嫌だ。
(だから俺は……って、さっき教えた花畑って…………)
「ババァの薬用植物畑じゃねぇか!!ヤベェッ」
急いで2人を止めなければ。
じゃないと俺がババァに………ッ!!
じゃないと俺がババァに………ッ!!
続きは本編で。←鬼