a+x=Ω

a+x=Ω
イーブル主義
主な著書 神話と進化論
信仰考察
亜人の害悪
関連団体 神聖ゲバルト連合
啓蒙による救済修道会
英知の探究者


・概要

 a+x=Ωまたはイーブル主義とは神学者イーブル・S・ゾンツ教授(7512~7588)が提唱した思想であり、進化論円十字教の整合性を図るために生まれた。大まかな内容は宇宙と生命は神によって創造されたものである一方、被創造物は人間の成長と同じく自主的に学習・成長し、最終的に高次な存在*1に至るという内容である。
 イーブルは著書の中で被創造物をa、主体的又は受動的な成長をx、神をΩと表記していたため、彼の思想はa+x=Ωと呼ばれるようになった一方、単純にイーブル主義又は円十字教的進化論とも呼称されることもある。現在でも教皇庁からは異端と認定され、信者は破門されるため、隠れて信奉する者が多く、関連団体も秘密結社が殆どである。

・思想の詳細

 聖書の中で女神が生命又は人間を創造したという事は地球上の大多数が認めるテーゼであり、実際に過去へ行って調査できない以上、完全に否定することはできない、一方で各地に化石という形で生命が進化したという物的証拠があり、また人間もメンデルの法則を用いて品種改良を行ってきた事実があるため進化論もテーゼである。
 聖典と進化論に共通するのは「ビオスフェア(生物圏、Biosphère)」の誕生後「ヌースフェア(叡智圏、Noosphère)」が生まれた事や村落から都市、更には国家への発展した様に、世界が複雑かつ高度な存在へと発展した事であり、これはエントロピーの増大という観点からも指摘でき、つまり神が創造した世界の普遍的法則は単純・下等な存在から複雑・高度な存在への成長であると言える。
 そして現在の世界は一つも答えを求め様々な仮説を立て実験を繰り返し成長する学生の様な存在であり、世界の内部が複雑化することは試行錯誤の末、単細胞生物が多様な器官を取得し高度な生物へと至ることに等しいとされ、つまり目の前に見える木や動物は大局的に見ると世界の一部であり、言うなれば細胞のようである。
 その中で人間という存在は「精神・思考」の世界という限りない領域を開拓し、その「内的発展」により世界が高次元の存在に至らせる特異点であると言える。では世界が目指す高次元の存在とは具体的に何であるかというと、人々が我々より高度であると認識している存在、即ち全知全能の「神」であり、子供が大人にあこがれて勉強し大人へと成長するように、我々も成長の目標且つ精神医学の言う「普遍的無意識」として「神」を意識している。
 即ち円十字教の女神は自身の実子として世界と生命を生み出したのであって、現在の世界は「神」へと成長途中の子供であり、人類共通の目標である「神」へ成長するため試行錯誤している状態であると言え、最終的には世界全体が人間の想像する全知全能な神となる。

・歴史


・誕生

 イーブル・S・ゾンツは大学の医学部医学部卒業後、宣教師となり主にタヴェリアで布教を行ったが、任地は化石の宝庫で、現地で現存しない生物の化石を見つける事が多くあり、当初はそれらを「創造後神が天罰で滅ぼした生物」であると推定していたが、同時に現在の生物との共通が見られたことが見受けられ、また同時期に出版された「進化論」の本に感銘を受け、進化論では生命の源が明記されていないという点に着目し、「神は生命を創造したが、子供が親以外から学ぶ様に生命は神以外の自主的・受動的理由で進化している」と結論付け、7542年に「神話と進化論」を自費で出版した。
 しかし彼の思想は進化論を認めない教皇庁にとって異端以外の何物でもなく、彼は破門され出版物も禁書指定された。一方で一部の神学者・知識人からは合理的・論理的な主張であると評価され、特に社会発展段階説の支持者から絶大に支持された。
 一方イーブルは自身の信じる神への奉仕という使命感から執筆活動を続け、7549年には「信仰考察」を出版、また世界の発展には人類の精神的成長が重要であるとして、現地の子供たちへ教育を行う啓蒙学校を設立し残りの人生を子供の教育に捧げた。

・第一回科学的公会議以後

 イーブルの死後、進化論の地位か盤石となりイーブル主義の支持者も増加、7590年には哲学者・神学者・生物学者を中心としたイーブル主義者が秘密裏に集まり第一回科学的公会議が開かれた。その中でレオネッサ人神学者ディス・クリミツィナオーレ亜人腫瘍説*2を提示し議論は紛糾、以後イーブル主義者は腫瘍説支持者と生物多様性支持者に分裂した。
 そして腫瘍説の中から世界の発展に貢献する為、劣等人種殲滅を実行しようとする人々が集まり「神聖ゲバルト連合」を結成、科学の発展に伴い大量破壊兵器が誕生した為、それを用い亜人居住区への大規模なテロを行った。しかし同組織の中から暴力的で血生臭い手法を嫌う人々が現れ離反、「啓蒙による救済修道会」を結成した。
 一方生物多様性支持者の科学者達は研究成果の共有と発展への戦略構築を目的として「英知の探究者」を結成、宗教的迫害が無く研究への規制が少ないムスルマーネン市ムスルマーネン=カリフ国に本部を置き、様々な発明で資金を稼ぎ、それをさらなる研究の資金としている。

・関連団体


【神聖ゲバルト連合】

 イーブル主義者の中で最も大きく暴力的なグループ、文字通りゲバルト(暴力)を用いてヤーディシアの神へ至る進化を妨害する劣等人種(亜人・タヴェリア人等)を絶滅させようとしており、実際やってることはホワイトヒューマンブラザーズと変わりないが、彼らは同組織を「文明人としての神聖な義務を理解せず、下らない差別意識で非効率的に劣等人種を攻撃する非知性主義者共」として一方的に軽蔑している。

【啓蒙による救済修道会】

 神聖ゲバルト連合からの離反者で非暴力的なグループ、戦闘による劣等種殲滅は不要な争いを誘発し、人類の発展に貢献する特異点を失う可能性があり、世界の限られた元素・資源を浪費するため避けるべきと主張し、亜人やタヴェリア人に対して教育により、彼らがヤーディシアの神に至る進化を阻害する落伍者である事を理解させ、自ら種を終わらせるようにすべきとしており、また慈善活動として任意により、劣等人種の不妊化手術も行っている。

【英知の探究者】

 科学者によって構成されるグループ、亜人やタヴェリア人は必ずしも進化の落伍者ではないと主張し、世界の全てを探求し科学的かつ合理的に神に至る進化を推進すべきとしており、その為、上記2団体からは異端者と見なされ対立している一方、世界の仕組みを解明し、神に近い完璧な人間を創造する為、人体実権を裏で行っている。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2019年12月24日 20:55

*1 即ち神

*2 人類は精神・技術を発展させる英知と自由意志を有している一方、亜人・タヴェリア人は現在でも原始的生活を送っているようにその能力が欠如した劣等人種であり、世界の資源やニッチが限られているという現状から、嘗て劣った生物が優れた生物によって淘汰されたように、我々も世界の発展のため彼らを滅ぼさなければならないという思想、体(世界)から養分を奪う腫瘍(亜人・タヴェリア人)を切除しなければならないというティスの発言より腫瘍説と呼ばれるようになった。